エバンジェリスト・松本国一が語る、“現場起点”の働き方改革実現
働き方改革に取り組む企業は増えていますが、「改革が進んでいる実感がない」という企業が多いのも事実。2018年11月28日に開催した、働き方改革をテーマとした「Fujitsu Insight 2018」の講演「AIを活用した新しい『働き方改革』 ~社内実践からわかったAIによる業務の可視化と改善策~」では、当社エバンジェリストの松本国一が富士通の社内事例を交えながら、現場起点で働き方改革を実現するヒントを語りました。
【Fujitsu Insight 2018「働き方改革」基調講演レポート】
「なぜ今、働き方改革が必要か」、多くの人がこの投げかけに回答できないでしょう。働き方改革といえば「長時間労働の是正対策」「ブラック企業の根絶」「ワークライフバランスを整える」・・・このあたりを思い浮かべる方が多いと思いますが、これらの言葉は働き方改革の本質を示してはいません。この背景には日本の労働者が今後激減してしまうという課題があります。
これから日本の皆さんは、世界には類を見ない未曽有の体験をすることになります。それは「超少子高齢化」社会への対応です。働き方改革と少子高齢化とは、合わせて語られることが多いですが、私はあえて「超」を付け加えています。
日本では今後、少子高齢化が進んで労働人口が大幅に減少するという事態が発生します。2060年までの約40年間で労働者は40%も減少するとも言われています。また、2025年には大手企業の2人に1人の従業員が50歳以上になるそうです。そのため本人ではなくその家族の日常にも多くの課題が出てきます。それは「介護離職問題」です。
人口減少や介護離職によって、様々な弊害が生じます。長時間労働対策の法改正や副業の解禁などで、2060年には現在の5分の1まで企業の従業員のリソースは減少すると予測されています。5分の1にまで少なくなった、その人数で今の会社を維持できますか? 困難であると言わざるをえないでしょう。会社だけではなく、社会全体の維持も難しい状況に陥ってしまいます。
また、2100年には日本の総人口は5000万人まで減少すると言われています。一人ひとりの労働生産性を高めていかないと、国もしくは企業の仕組みが維持できなくなります。
だからこそ、働き方改革は急務であり、今すぐ取り組まなければならない直近の課題なのです。そのため、日本政府は働き方改革に真剣に取り組んでいます。
政府は2018年9月、「働き方改革実現会議」を発足しました。これは、「場所や時間、会社の制限からの解放」や「定年年齢の引き上げ」「誰もが活躍できる社会の実現」「外国人採用」、IT分野では「AI(人工知能)/RPA(ロボットによる業務効率化)」などの制度やテクノロジーの導入を促進していくものです。
働き方改革に全く取り組んでいないという企業は少ないと思います。残業時間の短縮やフレックス勤務などの制度を変更したり、「仕事の進捗状況の見える化」などの仕組みを導入したりするなど、何かしらの改善に取り組まれていると思います。
しかし、多くの従業員にとって「改革が進んでいる実感がない」というのが実態のようです。終業後も社外で残業することが増えたり、せっかく育児・介護制度があっても、結局は会社に残ったメンバーと連携するために出社を求められるなど利用できないケースも多いと聞きます。残念ながら、制度や仕組みだけでは働き方は変わりません。
働き方改革を実践する中で、最初に重要となるのは「現場の見える化」です。従業員の皆さんが今、どのような仕事の仕方をしているのかを把握した上で、有効な対策を講じる必要があります。
私は年間200社くらいの方々から「働き方改革をやりたい」という相談を受けています。ところが、「現場の従業員は、今どんな仕事の仕方をしていますか」と聞いてみると、たいていの人たちは「わかりません」と困惑してしまいます。また、チームや部門の業務状況を定期的に把握できていないケースも多くみられます。つまり、現場の状況は、現場で働いている人にしかわからないのです。
現場の実態を正確に「知る」ことができれば、どこに問題があるのかに「気付く」ことができます。そして、その解決策を「考える」ことにつながり、その結果、仕事を「変える」ことができるのです。「知る」「気付く」「考える」「変わる」の4ステップからなる改革メソッドは、非常に重要です。
働き方改革が進むメソッド
現場の見える化の次に取り組むべきことは、無駄な業務を減らすことです。業務の全体量が減ることで、より必要なコア業務に集中でき、創造性の高い仕事に注力できるようになります。その結果、コア業務の質の向上につながります。
「業務の効率化」と「業務の質の向上」を実現することで、生産性や従業員のモチベーションは自から上がっていきます。現場が変わると会社も成長していきます。つまり、企業の成長戦略に合わせた働き方改革が実践できるのです。
実際に個人やチーム、全社の現状を正確に把握し、見つめ直すことで、効率的に業務が進められます。業績の向上や個人の達成感も得られます。働き方が変わることで時間を有効活用でき、ワークライフバランスが向上します。すると、自分の家庭や地域社会に貢献できるような社会活動につなげることができます。その結果、これらが働き方改革を実現するエコシステムとしてどんどん機能していくようになります。
現場の見える化を起点とした働き方改革の実現を視野に、富士通はマイクロソフトと2017年、AI(人工知能)分野での戦略的協業を発表しました。両社の持つAIソリューションを活用して「働く人を中心にした働き方改革」を実現しようと取り組んでいます。
富士通は2018年11月27日、AIを活用した業務内容の見える化を実現する新サービス「FUJITSU Workplace Innovation Zinrai for 365 Dashboard」(以下、Zinrai for 365 Dashboard)を提供開始しました。
Zinrai 365 for Dashbordでは、現場の見える化によって無駄な会議の削減、事務処理の効率化などを支援していきます。具体的には、「Microsoft 365」を利用することで「Microsoft Azure」に蓄積されたメールや文書のタイトル、スケジュールなどのビッグデータ、普段使っているPCの利用状況を、富士通のAI技術である「Zinrai」を用いて「作業」「対象」「テーマ」の3つの角度から解析し、自動で業務内容を分類しダッシュボードに可視化します。
富士通は2018年7月から約2000人の従業員を対象にして社内実践を開始しました。このトライアルでは、社内実践に参加した従業員全員がダッシュボードで自分の普段の業務の実態を知ることができました。普段最も時間を割いている業務は何なのか、その業務はビジネスに貢献するような本当に必要なものなのか・・・見える化されたことにより、多くの従業員が非コア業務が多いということに気付くようになりました。すると次のステップとしては「非コア業務を減らすためにはどうすればいいのか」を「考える」ことができます。
ただ、一概に会議時間を削減することがコア業務へのシフトにつながるわけではありません。新しい企画を生み出すために必要な会議は、もちろんどんどんやっていくべきです。Zinrai for 365 Dashboardの良い点は、単に会議に費やしている時間を見える化するだけではなく、その会議の内容がコア業務に関連するものなのか、非コア業務なのかまでAIが分析してくれるところです。
その結果、事務処理や社内報告などの非コア業務の割合が32%減少し、一人当たり一日で約43分の時間創出を実現しました。また、作業の効率化でコア業務が全体に占める割合が16%増加し、計画的な休暇取得を推進、年次休暇取得日数が1.5倍となりました。ワークライフバランス・生産性の向上など、社内が「変わる」ことができました。
このような社内実践を踏まえて、富士通は、働き方の見える化を実現する、2つの「改革実現サービス」を提供しています。「PoCサービス」では、効果が見えそうな部門を選定し、テーマやルールを定義し、改革ストーリーのシナリオ作成などを行います。「基本サービス」では、実際にトライアルして効果測定を行い、改善案などを提供することで全社での働き方改革展開を支援します。これらを長期繰り返していくことで、従業員の業務や会社の高度化にもつながり、会社としてのあるべき姿に持っていくことができます。
社内実践を基にした2つの改革実現サービス
私たちは、見える化を元にした働き方改革を支援していきます。Zinrai 365 for Dashbordを活用することで、今後も皆さんの現場の改革を手助けしていきたいと思います。
登壇者
(写真左から)フォーブス ジャパン編集次長・九法崇雄、東北大学大学院准教授・大関真之、富士通AIサービス事業本部長・東圭三、早稲田大学文学学術院准教授・ドミニク・チェン
スーパーコンピューターなど既存の技術が苦手とする問題に、特化型アプローチで瞬時に解を求める"夢の計算機"が注目されている。量子コンピューターに着想を得た、富士通の「デジタルアニーラ」だ。その登場は私たちの社会にどのようなインパクトを与えてくれるのか。量子アニーリングの専門家、東北大学大学院准教授・大関真之、ICTの最前線に身を置く早稲田大学文学学術院准教授・ドミニク・チェン、富士通AIサービス事業本部長・東圭三、そしてフォーブス ジャパン編集次長・九法崇雄が、大いなる可能性を議論する。
九法崇雄(以下、九法):いま、ビジネスパーソンが知っておくべき、量子コンピューターに代表される次世代技術について教えていただけますか?
大関真之(以下、大関):既存のコンピューターに使われているのが半導体。その集積密度は18カ月で2倍になると「ムーアの法則」で言われていたのですが、そろそろ限界点に到達しつつあります。これ以上小さくしていくと、原子・分子のふるまいが影響してくる。これはもう量子力学の世界。ではそれらを活用してコンピューター技術に応用できないか、というのが量子コンピューターです。「0」と「1」の2つの異なる状態を重ね合わせて保有できる"量子ビット"が生み出され、新しい計算方法が実現しつつある。とはいえ、実用化にはまだまだハードルがある状態です。
東圭三(以下、東):一方、既存のコンピューターのいちばんの弱点は、組合せ最適化問題です。ビッグデータ活用が現実化すればするほど、処理データ量は重くなり、課題は山積してくる。その課題を突破するのに量子コンピューターの能力のひとつ、"アニーリング技術"を使おうというのが、現在の機運ですね。日本ではここ1、2年急速にその期待が高まってきました。
従来の手法では、コンピューターが場当たり的かある理論に基づいて試していたのですが、アニーリング技術は全体から複数のアプローチをして、最適解にたどり着くのが特徴です。これにより、答えを出すスピードが飛躍的に速くなる。
九法:ドミニクさんはWebサービスの最前線で、変化を感じていますか?
ドミニク・チェン(以下、チェン):コンピューターの進化って、人々の手に計算リソースが浸透していく過程ですよね。1980年代にパーソナルコンピューターとして個人の手に渡り、2000年代にクラウドコンピューティングになった。いまでは中高生でもクラウドリソースを普通に活用できます。アイデアを形にする機会は飛躍的に増えています。扱うデータ量も日々多くなっている。
私が肌で感じるのは、いままで複雑で計算リソースが多すぎて諦めざるをえなかったアプリケーションやサービスが、どんどん手軽につくれるようになっているという状況です。それが量子コンピューター技術まで......。実にワクワクします。
大関:手元にiPadさえあればいいということです。PCからクラウドコンピューティングに変わったときに何が起こったかというと、"優秀なコンピューターは、家になくてもいい"となったことでした。要はクラウド経由で優秀なコンピューターに接続できればいい。手元に必要なのは端末だけ。それで十分活用できる環境になったのです。
東北大学大学院准教授・大関真之
九法:具体的に量子コンピューターは、どのように一般に普及していくと思われます?
大関:よく中学、高校などに出張授業をしにいくことがあるんです。そうするとクラウドで量子コンピューターが運用されているので、中高生に、実際に触らせることができるんですよ。授業で習った原子・分子の特別な性質を利用したコンピューターということで、みんな興奮します。原理なんかわからなくても動かせる。でもそのうち、量子コンピューターが当たり前の世代が登場してくるんですよね。
チェン:量子ネイティブ!
大関:そのときが本当のブレイクスルーが起こるときなんじゃないかと思います。
九法:インフラになるということでしょうか。
大関:何の抵抗感もなく触っています。その感覚がすごい。
チェン:やっぱり解を求めるスピードは速いのですか?
大関:うーん、そうなのですが、でもまだ量子コンピューターは生まれたての赤ちゃん状態なので、エラーも多くて。デジタルのほうが歴史があるので、正確な答えを導き出せる。ただ答えの質が違う。まだ利用価値を探っている状態ですね。そんなデジタルの堅牢なシステムと量子コンピューターの可能性の両方をいいとこ取りしているのが「デジタルアニーラ」なのかなと。どうなんですか(笑)。
東:もともと富士通は20年以上量子コンピューターの研究を続けています。そしてそれとは別部門でスーパーコンピューターをはじめとするデジタル回路の高速化・高並列化の研究も行っていました。たまたまなのですが、量子を研究していたエンジニアがコンピューターの研究部門を同時に見ることになったのです。そこでひらめいたのが、こうした量子デバイスをデジタル回路で再現できないかという着想。それが始まりでした。
チェン:それはシミュレーション的なものなのですか?
早稲田大学文学学術院准教授・ドミニク・チェン
東:量子の動きをそのままシミュレーションしたものでなく、量子アニーリングのいくつかの特徴的な動作から発想を得て、デジタル回路で類似的なものを実現したものです。でも私はステップを積み重ねて解を出すことに慣れていたノイマン型*の人間だったもので、最初は解をすぐ出す"魔法の箱"という印象でした。ただ大関先生の著書などを読んでいるうちに、これは画期的なアーキテクチャーだと気づいて......。
*コンピューターの基本構成のひとつ。ノイマン型コンピューターでは、記憶部に計算手続きのプログラムが内蔵され、逐次処理方式で処理が行われる。
九法:「デジタルアニーラ」の優位性とはどんなところなのでしょう?
東:ソフトウェア製作者に優しいというところでしょうか。半導体ベースのデジタルコンピューターの性能にはまだまだ制限があります。その枠内で頑張ることで進歩はしてきたのですが、ここでそのゲームのルール自体が変わります。デジタルアニーラなら、制限なしに自由に計算式を投げられます。なのでアプリケーション・プログラムのコードを気を使って書く労力が激減します。いままではとても複雑で負荷の重い処理で避けていたこともその必要がなくなるのです。
AI、VRなど技術の進化に伴い、近年処理すべきデータ量は膨大・巨大になる一方。デジタル=半導体の能力では限界にきているのです。そこで量子コンピューターから着想を得たデジタルで実現したデジタルアニーラの出番です。
さらにわかりやすいところで言えば、量子コンピューターは絶対零度に機器を冷やさなくてはなりません。冷却のための設備など、コストもスペースも大きな負担になります。その点、デジタルアニーラはデジタルなので温度にはあまり左右されません。
現在、商用量子コンピューターとして有名な「D-Wave」にしてもやはり冷却のための大きな設備が必要なのです。
チェン:そうしたコスト的にも有利というのは、実に大切ですね。どんなWebサービス/アプリケーションにしても利用者にそうしたコストが跳ね返ってくるものですから。
大関:話に出てきたD-Waveは、まだまだ不器用なものです。解きたい問題をそのまま投げることができない。扱える問題の規模がまだまだ小さいのです。これが世代的にはファミコンみたいで面白いのですが(笑)。限られたリソースでどうやって新しい応用例を示すか。挑戦の連続です。その点デジタルアニーラはそもそもデジタル回路なので、多くのニーズに簡単に対応できる。ビジネス利用にそれはアドバンテージでしょう。
東:具体的に言えば、金融分野でローリスクな分散投資のポートフォリオ構築のためや、物流・流通分野で移動距離や作業工程を効率化する手段として、あるいは化学・創薬の分野で新薬開発に活用できないかといったお問い合わせをたくさんいただいています。
分散投資でA社に投資してB社にも投資する。それが増え続けて20銘柄になるとその配分の組み合わせは100京通りにもなってしまうわけで、従来のコンピューターでは手に余ります。でも複雑な為替の問題まで含めて、デジタルアニーラは解決できるのです。
物流系は、すでに系列の物流会社で実験しています。どれだけ移動時間を短縮できるかというところです。
富士通AIサービス事業本部長・東圭三
チェン:どの程度まで速くなるのですか?
東:物流系だと、それこそ1万倍のスピードでしたね。もちろん問題によって、その速度は変わるのですが。
チェン:通常はどのくらいのスピードで答えが出るのですか。ユーザー的に目安を知りたいのですが。
東:1秒以下ですね、通常。それも同時に20個の答えが導き出されます。
チェン:なるほど。いろいろなWebサービスを運用する際に、1秒以内に答えが返ってくるかどうかというのは、ユーザビリティーの問題で非常に重要です。構想できるアイデアが俄然変わってきますから。
Webサービス/アプリケーションでいま、アメリカを中心に問題になっているのは、過度なパーソナライズ広告です。誰にでも薦められるものが、どうしてもいままでのテクノロジーでは優先されてしまうので、結果的にある一定の方向に誘導してしまうのですね、全ユーザーを。
それがトップダウンの情報伝達の限界です。なので、個々人ベースで個別に計算して、それが反映されるシステムをもう一度つくり直すべきではないかという議論が、シリコンバレーなどでは起こっています。でもそれを実現しようとすると、いままでの技術では非常に時間がかかってしまう。現実的ではないのです。
有名人のニュースはみんなが気になるところだけれど、個人的には近所で生まれた子猫のほうが大切だと判断できるコンピューティングという新しい認識も必要だと思います。
いまSNSではフォロー/フォロワーの双方向の関係性ですが、もっと別ジャンルの人間同士が出会うべくして出会うような瞬間を、デジタルアニーラの計算スピードなら生み出せるのではないかと。仏教における「縁起」のような考え方ですけれども。
大関:例えばいま、旅行で宿を取ろうとしたときに、すべての人に同じ宿がリコメンドされてしまうという問題があります。結果、予約が殺到して、泊まれない人が出てくる。そこで全体最適化という問題提起があるわけです。
九法:それが社会全体の問題となれば、なおさらですね。
フォーブス ジャパン編集次長・九法崇雄
大関:そう、アニーリング技術ならではの可能性はそうした方面にこそあるのです。巡回セールスマン問題が本質ではない。そもそもひとりのセールスマンがそんなにたくさんの都市には行かない(笑)。
実際の例で、フォルクスワーゲンの交通量最適化実験というのがあります。これは量子アニーリングを使った実験ですが、複数の車に複数の選択肢を与えて交通量の偏りをなくす実験。最短ルートを知らせるだけでは、どうしてもみんな似たような道を通ることになります。そうではない、個々の車にそれぞれ適した別ルートを提案できる。バランスの実現=全体の最適化です。
その全体最適化実験がどこにつながるかというと、災害時の避難です。津波が起きたときにどこに逃げたらいいか。崖が崩れていなくて安全で、渋滞しない道、それを瞬時に知りたいわけです。それこそがアニーリングの役立つ場面。津波の被害は行き詰まった場所で起こるのです。スムーズに移動できていれば、被害は回避できたかもしれない。特定の場所に人を殺到させてはいけないのです。
チェン:うまく分散させることで、全員が助かる。全体を俯瞰する目があれば、回避できる危険があるということですね。
九法:では最後に、デジタルアニーラで実現できる未来はどんなものなのでしょう?
大関:わかりませんよ(笑)。ただAI技術への応用は面白いと思います。いままでの学習方法によるAIとは質的に違うものが生まれる可能性があります。量子アニーリングによって学習を行ったAIの方が性能が引き出せるという発見もありました。デジタルアニーラも、そうした意外な特性が発見されれば、新しい社会を築く計算技術となっていく、そんな気がします。
東:富士通は他にAIとロボットも手がけています。そこにデジタルアニーラを組み合わせて新しい未来をつくってみたいですね。
チェン:アイデアに制限がないことを生まれながらに知っている量子コンピューター・ネイティブ。彼らが常識を飛び越えるブレイクスルーを生み出すことに期待します。
デジタルアニーラの活用領域
大関真之
1982年、東京都生まれ。2008年東京工業大学大学院理工学研究科物性物理学専攻博士課程早期修了。東京工業大学産学官連携研究員、ローマ大学物理学科研究員、京都大学大学院情報学研究科システム科学専攻助教を経て16年10月から現職。主な著書に西森秀稔との共著『量子コンピュータが人工知能を加速する』(日経BP社)など。
ドミニク・チェン
1981年、東京都生まれ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。早稲田大学文学学術院・表象メディア論系准教授。NPO法人コモンスフィア理事。ディヴィデュアル共同創業者。主な著書に『電脳のレリギオ』(NTT出版)、監訳に『ウェルビーイングの設計論』(BNN新社)など。
東圭三
1963年、大阪府生まれ。京都大学工学部卒業後、富士通に入社。サーバ用OSの研究開発を経て、AI基盤事業本部の本部長代理として、富士通AIのZinraiディープラーニングおよびデジタルアニーラの事業化を担当。2018年4月からは、Zinrai全体およびデジタルアニーラ、ロボットに関する事業を本部長として統括。
九法崇雄
1979年、鹿児島県生まれ。一橋大学商学部卒業後、NTTコミュニケーションズを経て、プレジデント社入社。「プレジデント」副編集長として特集デスクなどを担当した後、2017年2月にアトミックスメディア入社。同年12月より現職。東京都が運営する「青山スタートアップアクセラレーションセンター」のメンターも務める。
富士通
世界がAIブームに沸き立つ中、日本で生まれたAI「Zinrai」。日本語という複雑な言語を前提に生み出され、日本語、日本のビジネスに強いAIに成長しました。
黎明期からAI研究を続け、その歴史はAIの歴史とほぼ同じ30年。「トレンドだから」ではない、本物のAIを私たちは追求し、ご提供することができるのです。
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Zinraiが画像から物体やシーンなどの情報を認識します。学習した人工知能が、推定候補を返します。 画像認識APIには、画像分類、シーン分類、物体認識の3種類があります。
Zinraiが認識した音声を文字(テキストデータ)に変換します。数百万~1千万の超大語彙に対しても高速かつ高精度の音声認識ができ、多数の新語や固有名詞を含む業務にも適用可能です。
入力した文字をZinraiが音声に変換します。また、音声変換時に参照する単語辞書に専門用語などを登録することができるので、特殊な言葉をより正確に発音できるようになります。
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入力文章から人名や地名などを抽出(タグ付け)する「固有名抽出」、あらかじめ学習した結果に基づき入力文章をカテゴライズする「文章分類」、入力文章から地名を抽出し緯度および経度を返す「地点推定」の3つの機能を提供します。
文書を特徴づけるキーワードを抽出し、それらのキーワードを元に文書間の関係を構造化します。あらかじめ専門家の知見を学習することで、専門家視点での知識情報構造化が可能となります。
知識情報構造化APIで生成された知識構造化データを使い、入力されたキーワードと意味の近い文書を検索します。
キーワードや文章の「意味」で文書を検索します。Zinraiが大量にある文書を構造化し、ある単語(キーワード)や文章と意味の近い文書を検索します。
企業名や住所で検索すると、その企業に関する様々な情報が一元的に取得できます。社内外に点在する企業情報をZinraiが統合するため、取引先企業の最新情報を短時間で的確に把握することができます。
(注)上限:1,000コール
質問文に対して、あらかじめ学習した対応履歴から適切な回答を検索し、確度の高い順に表示します。自然文で質問すると適切な回答が表示されます。蓄積したFAQデータを継続して学習することで検索精度を向上させることができます。
入力したテキストをZinraiが翻訳します。ニューラル機械翻訳により瞬時に自然な翻訳を実現できます。
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私たちにとって非常に身近な存在である「新聞」。最近の新聞社は、伝統的な紙媒体に加え、WebニュースやSNSなど、様々な情報を配信しています。記者の仕事は政治、経済、国際問題から教育、文化、スポーツの取材まで多岐にわたっています。情報の伝達にはスピードアップが求められる現代、記者は日々研鑽を積んで情報を配信しています。
紙媒体以外のメディアにニュースを配信するプロセスには、主に「配信記事の選定」「メディア編集システムへの送信」「記事要約」「見出し作成」「校閲」の5つがあります(注1)。そのうち最も時間を要するのが「記事要約」です。記事の重要部分を人間の目で判断しながら、メディアごとに異なる文字数で要約する必要があるため、作業には一定の時間と手間がかかってしまいます。
従来の自動要約には、対象記事の冒頭から数文を抜粋していく「LEAD法」という手法があります。しかし、指定された文字列の範囲内で先頭から文を抽出してしまうため、重要な文章が中程や文末にある時は、抽出することができないケースがありました。重要部分を残しつつ、なおかつ短時間で自動要約したい――このような作業は、実はAI(人工知能)の得意分野でもあります。
このたび、信濃毎日新聞社様と富士通研究所は、信濃毎日新聞社様が発信する記事をAIで自動要約する技術の実証実験を行いました。
実証を行ったのは、記事配信サービスの中でも特にCATVに向けた「文字ニュース配信」の要約です。信濃毎日新聞の過去記事と、それらを配信サービス向けに人手で要約した約2,500セットの記事に、富士通研究所が開発した自然言語処理技術と機械学習を組み合わせてモデル化しました。
「重要な単語を含む文」「文頭・文末に近い文」「多くの文と類似する文」を重要とみなし、「すなわち」「つまり」で始まる文には加点、「例えば」で始まる文は減点するなど、指標を決めます。これらを機械学習し、文単位で重要度を評価する「重要文抽出モデル」を構築します。これにより、記事の中程や文末からも重要な要素を抽出でき、人手と同じように精度の高い要約文を作成できます。
記事先頭以外からも重要文を抽出して自動要約をした例
実証では、1件あたり3分~5分程度かかっていた記事要約作業を、瞬時に終えることができました。実際に導入できれば、従来の要約作業に比べて約5割の時間短縮が期待できます。
この自動要約システムを応用し、今後、CATV向け文字ニュースだけでなく、電光掲示板ニュースやSNSなど、様々なメディアで自動要約モデルを活用することも考えられます。今後、富士通では、汎用性の高いAI機能をAPIとして提供するサービスを「Zinraiプラットフォームサービス」の一部として提供し、自治体・製造・運輸・医療・メディアなど様々な分野で活用することを目指します。
ニッスイは水産資源へのアクセス強化策として、国内外でさまざまな魚種の養殖事業に力を注いでいます。
海外ではサケマス、国内ではギンザケ、ブリ、マグロ、マダイ、サバ、フグ、カンパチなどの養殖事業を展開しています。
いずれも飼育から流通に至る全工程で、確かなトレーサビリティ(食品の生産履歴)管理を行っています。全
ての工程をシームレスに管理することで、安全・安心・健康を世界の食卓に届けています。
ニッスイは食品メーカーとして、「食べ物のおいしさ」にこだわっています。 そのためニッスイ中 央 研 究 所 大 分
海洋研究センター(以下大分海洋研究センター)を中心に、種苗、飼料、養殖、水揚げ、加工、流通の全ての段階で、独自の研究開発を行っています。
1988(昭和63)年、ニッスイは、チリ政府の国営会社、サルモネス・アンタルティカ社(S. A . 社)を国際入札で落札し、100%出資のグループ会社としてサケ・マス養殖事業をスタートさせました。
以来、親魚の選別から産卵、淡水育成、海面飼育、飼料製造、給餌、製品加工、販売まで全てを自ら行う生産体制を確立。
“FIVE STAR”ブランドとして販売し、厳格なトレーサビリティや品質管理が世界の市場から高い評価を得ています。
国内のサケ・マス養殖事業は1980(昭和55)年から宮城県女川、志津川でスタートしましたが、2011(平成23)年の東日本
大震災で甚大な被害を受けたため同地域から撤退。同年8月に鳥取県境港市で、ギンザケ養殖のフィージビリティ・スタデ
(実現可能性調査)に着手し、翌年12月に新会社・弓ヶ浜水産を設立して、国内でのギンザケ養殖を復活させました。
ギンザケの養殖に必要な孵化場、淡水養殖場、海面養殖場、加工場などの施設は、いずれも鳥取県内および近県に設置し、
孵化から加工までのすべての工程を弓ヶ浜水産が一括管理しています。
大山の麓の淡水養魚場で250グラム前後になるまで、約1年間育成し、11月末から12月中旬に境港市の美保湾の沖合3キロの
海面養殖場に移し、1~3キロに育て、翌年3~5月下旬に水揚げ加工し、「境港サーモン」ブランドとして全国に出荷してい
ます。
境港サーモンは、破断強度が他社製のギンザケの約2倍あることから、身がしっかりしていて十分な歯ごたえもあり、刺身で
食べておいしいと評判です。
現在、美保湾の養殖場では、直径25メートルの生け簀21台でギンザケ100万尾を養殖しています。
2017(平成29)年度の水揚げ予定は約1,630トンで、2018(平成30)年度は2,400トンの水揚げを計画しています。
弓ヶ浜水産は、ギンザケの第2の生産拠点として、2015(平成27)年に新潟県佐渡市に佐渡事業所を設置しました。
淡水の胎内養魚場(新潟県胎内市)で11月中旬から下旬に約250グラム前後になるまで育成した稚魚を、佐渡沖合の生け簀に
移し、翌年5月上旬から6月中旬に2~3.5キロまで育てて水揚げします。
2016(平成28)年 度 の 水 揚 げ 実 績 は191トン、 2017( 平 成 29)年度は325トンで、将 来 的には1,0 0 0トンを目指しています。
など!!
利益が倍増のEU養殖
新しいレポートによると、EUの水産養殖は2014年から2016年の間にその利益を2倍の8億ユーロにまで増やした。
昨日出版されたEUの水産養殖セクターの2018年の経済報告書は、2016年にユニオンの水産養殖生産者が140万トンの魚介類を収穫し販売したことを明らかにした。
EUの貝類養殖は、年間11億ユーロの売上高を達成している。これに対して、海の鰭魚は27億3,100万ユーロ、淡水種は1億2,800万ユーロであった。
雇用統計によると、養殖会社はますます安定した雇用機会を提供している。報告書は、2008年から2016年までの間の国内およびEUレベルでの養殖セクターの生産、経済的価値、構造および競争力のある実績について入手可能な最新の情報の包括的な概要を提供している。
EUの水産養殖セクターは、2016年の販売量で140万トン、価値で49億ユーロを達成した。生産量は、2014年から2016年の間に、毎年2.2%増、3.1%増であった。 同期間の利益はほぼ倍増し、2016年の総EBITは8億ユーロに達した。これは、大部分の大規模養殖国において2013年の悪い年からの強い回復を示している。
EUには約12,500の水産養殖企業があり、大部分は零細企業で、従業員数は10人以下。 雇用は総従業員数(7万3千人)で安定しているが、フルタイム換算では大幅に拡大している。2013年の3万6千人から2016年には4万4千人近くまで増加している。
この前向きな傾向は続く可能性があります。 投資は減価償却費よりも大幅に高いため、同セクターは将来の発展について前向きな見方をしています。
この前向きな傾向は続く可能性がある。 投資は減価償却費よりも大幅に高いため、同セクターは将来の発展について前向きな見方をしている。(Jan.4-TFSND)
チリ産の鮭、日本のスーパーにたくさん並んでいますよね。私が日本にいた頃は、チリ産の鮭がちょうど、出始めた頃でした。それが、今では、スーパーの棚を埋め尽くしている・・・と聞きました。
ところが、地元の人は、この鮭を食べません。
私たちの友人に、海洋生物学者で、チリ政府の漁業検査官として働いている男性がいます。
その彼も、養殖の鮭を食べません。
なぜか?というと、鮭がどのように養殖されているか、その現実を知っているからです。
チリでは、数年前、ウイルスが蔓延して、鮭がほぼ全滅し、養殖は2年間、禁止されていました。その後、政府は新しい監視機関を設けて、養殖場の水質を監視するようにしました。友人の仕事は、直接、水質検査をするのではなく、「水質検査をする科学者のチームを第三者として監視する」というもの。鮭の養殖場と科学者との汚職を防ぐためです。
今まで、水質汚染が安全基準を越えるケースも多く、鮭の養殖場の閉鎖を監督機関に依頼したケースもたくさんあると、話してくれました。鮭の養殖場が海の水を汚染する理由は、いくつかあるそうです。
1つ目は、鮭のエサ。
鮭のエサは、他の魚を粉にしたものを、ペレットにしたものだそうです。(鮭を1キロ太らせるために、4キロの魚が必要だそう。普通、市場に売られる鮭は、4.5キロ~5キロなので、18キロ~20キロの魚が必要ということになります)良心的な会社は、きちんと、魚をエサにしているそうですが、それは、コストがかかる。そこで、鶏肉、牛肉、鮭などを冷凍して販売しているある会社は、鶏肉をパッキングした後の残骸を鮭のエサにし、鮭をパッキングした残骸を牛のエサにし、牛肉をパッキングした残骸を鶏のエサにしているのだそうです!!!(それを聞いてから、私たちは、養殖の鮭を食べるのをやめてしまいました。)
鮭は、もちろん、ケージに入れられているので、鮭に与えられたエサの残りや鮭の糞は、すべて、海に流れていきます。そのせいで、海の栄養度が極端に上がってしまい(富栄養化)、赤潮の原因になります。
今年は、特にエルニーニョの影響で海水の温度が上がり、紫外線が強くなり、夏が長く続いたので、チリの海岸で赤潮が大発生し、鮭が大量に死にました。鮭だけでなく、もちろん、他の魚も、何キロにもわたって死骸がビーチに打ち上げられました。貝類、海鳥、鯨なども、死骸が打ち上げられました。死んだ鮭は、2500万匹!どれぐらいの量なのか、想像がつきませんが、死んだ鮭はどうしたかというと、30パーセントは埋められ、70パーセント(約1750万匹)は、チロエ島(鮭の養殖場がたくさんある)の130キロメートル沖合いの海に捨てられたそうです。
!!!最新情報によれば、昨年12月末に大量死した2700万匹の鮭のうち、5000万パウンド(約25000トン)は粉にして、健康な鮭に食べさせたことがわかりました!!!(2016年5月17日、英ガーディアン紙の報道)
2つ目は、寄生虫を殺す殺虫剤。
鮭は、もともとは、ノルウェー、アラスカ、日本の北海道沖などにいる魚。もともと、チリには生息していませんでした。JICAで働いていた人に聞いたところ、1970年代にJICAがチリに鮭の養殖の技術を持ち込んだそうです。
そのために、チリで養殖されている鮭には、チリの海にもともといる寄生虫に対する免疫がありません。そこで、養殖場では、この寄生虫を殺すために殺虫剤を使います。これが、また、海へ流れていきます。この寄生虫は、カニや海老と同じ甲殻類なので、寄生虫を殺すために使われる薬は、カニや海老も殺してしまうそうです。
ちなみに、このタイプの寄生虫は、ノルウェー、アラスカなどにはいないので、殺虫剤を使う必要はないとのことです。
3つ目は、抗生物質。
そんなわけで、免疫の低いチリの鮭が、病気にならず、市場に出るサイズに育てるためには、抗生物質が必要です。「チリ産の鮭は薬漬けなんだよ」と友人。もちろん、抗生物質も、海に流れていきます。
2015年にチリの養殖場で使われた抗生物質の量は、2013年に比べて25%増。2014年のデータによると、ノルウェーで生産された鮭は、年間130万トン、使用された抗生物質の量は、972キロ!それに比べて、チリで生産された鮭は、年間89万5000トン、使用された抗生物質の量は、なんと、56万3200キロ!!!驚きの数値です。(2015年7月23日付けロイターニュース)
鮭の養殖場の周りが汚染されて、もともといた魚介類が取れなくなっているという話は、以前にも聞いたことがありました。鮭の養殖は、外資の会社、いわゆる大企業が独占しているので、昔から漁業をしてきた地元の漁師さんたちの漁獲量と収入は減っています。
鮭の養殖場や加工工場ができれば、そこに働きに行って、収入を得ることはできますが、今年のように、大規模な赤潮で鮭が大量死すれば、養殖場も工場も閉鎖され、仕事を失い、赤潮で魚や貝も汚染されてしまうので(有毒プランクトンを食べた貝や魚などを本の少しでも食べると人間も死んでしまうんだそうです)、それを採って食べることも、売ってお金を稼ぐこともできません(チロエ島の人たちにとっては、海に潜って魚介類を採って売るのも大切な収入源)。実際、大量に鮭が死んだチロエ島では、多くの人が職を失い、食べ物を失い、海を失い、島中の人が団結して、港を閉鎖して、抗議しています。政府は、一家族あたり、1万5000円相当の保障を出しましたが、もちろん、それでは、足りないですよね。
チリで発生した赤潮は今年、過去最大で、チロエ島の人たちは、「赤潮が異常発生して、大量の魚介類や海鳥、鯨などが死に、ビーチに打ち上げられているのは、鮭の腐った死骸を大量に海に捨てて、海を汚染したせいだ」と言って、抗議しています↓
効果 大腸をキレイにする
「進行すると大腸ガンや過敏性腸症候群・痔などのリスクが高まります。断食にはそれらの生ゴミを掃除し、腸をキレイにする効果が期待できます。」
毒素を排出する
「有害な化学物質・重金属・薬物など、身体の正常な機能を妨げる有害物質が予想以上に蓄積しています。神経系、免疫系、内分泌系などがそれらの有害物質の影響を受けやすく、痴呆・てんかん・自閉症・アレルギー・自律神経失調症・免疫不全・糖尿病などのリスクが原因となります。」
病気を早く治す手助けをする
「臓器たちを休ませる代わりに、それに使うはずだった莫大なエネルギーを、病原菌と戦う免疫系や組織を再生させるためのプロセスに回します。そうなればそれまで手付かずだった部分を修復できたり、がん細胞やウイルスなどと戦う力も養われます。」
精神が安定する
「断食中、脳への栄養素が絶たれる(正確には栄養補給をするので問題はない)と、脳のエネルギーと言われているブドウ糖の代わりに、脳は「ケトン体」という物質を出すことで安らげる。」
脳の疲労を取る
「日頃ストレスを感じながら生きている人は、常に頭がその事を考えていて、脳の同じ場所ばかりを使っている。
同じ所を使って疲労した脳では正常な判断は出来なくなり、うつ病などの精神疾患を患うこともある。断食は余計なことを考えなくなるので、脳を休ませる。 」
ショック療法の効果
「環境に適応し、変化に適応する。自律神経も良くなり、野生的な脳になり、脳の疲れが取れてきて、脳がいきいきと働いてたくましさが戻ってくる。」
食べ物に対する感じが変わる
「普段何とも思わないで食べている状態を断ってみることで、食べるものがいかに大切かと言うことがわかる。」
脳の活性化
「脳への改善効果もあり、脳の発達、知能の回復にも効果があることが分かっているのです。」
血液がサラサラになる
「なぜ血液がサラサラになるかと言いますと、まずは食べることよりも飲むことが多くなるからです。プチ断食中は野菜ジュースとかお味噌汁とか、玄米がゆとか、水そのものとか、水分を多く含むものばかりを口にします。結果、自然と血液量が増すわけですね。」
老化抑制遺伝子をONにする
「活性酸素は摂取したカロリーをエネルギーに変える際に発生するのですが、この活性酸素は老化促進物質とも言われ、細胞にダメージを与えてしまうのです。
大食をしたときに、この活性酸素は大量に発生し、細胞にダメージを与え、さらに老化促進遺伝子のスイッチをオンにして、老化や病気の原因を作っていくというのです。
それとは反対に、「小食・断食」によって活性酸素は抑制され、しかも老化抑制遺伝子(DNA)のスイッチをONにして、若返りの維持と促進が可能になるというのです。」
サーチュイン遺伝子活性化
・しみやしわなどの防止効果
・認知症の予防効果
・細胞を修復する効果
・その他あらゆる老化要因を抑制する効果」
セロトニンが出る
「人間とはそんなに強い「種」ではなくいつも沢山食べる事はできなかった。 絶食をすると人間本来の免疫システムにゴーサインが出て様々な病気の原因に対して効果があると、特に「癌細胞」の縮小が実証されたし、精神疾患の場合はセロトニンの増加が確認できた」
体のエネルギー源である食べ物が入ってこないと、体は脂肪や肝臓に蓄積されているグリコーゲンをエネルギーとして利用するようになるため、脂肪の分解=燃焼が進みます。
匿名希望
私たちは「食」の行為を当然のようにしている。では、私たちの身体にとって「食」とは何を意味するのだろうか。本連載では、各回で「オリンポス12神」を登場させながら、食と身体の関わり合いを深く考え、探っていく。
考究:食と身体(7)戦闘の神マーズ篇 大平 万里
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「疾(はや)きこと風の如く、徐(しず)かなること林の如く、侵掠(しんりゃく)すること火の如く、動かざること山の如し」
これは武田信玄の軍旗に書かれていたとされる『孫子』の軍争篇第七の書き下し文である。「風林火山」と言えばピンとくる人も多いだろう。
この慣用句は、ヒトと病原体との攻防もよく表している。すなわち、病原体に感染すれば迅速に対処し(疾きこと風の如く)、その病原体の情報を確実に蓄積し(徐かなること林の如く)、再び感染したら大部隊でピンポイントに総攻撃し(侵掠すること火の如く)、どんな病原体にも対処できるように着々と準備を続ける(動かざること山の如し)のである。
このように体内の異物を排除する総合的な防御システムを「免疫系」と呼んでいる。
○ 外部と直に接触する腸管は常に臨戦態勢
ギリシャ・ローマ神話においてこの免疫系を象徴するのは、やはり戦闘の神「マーズ」であろう。思想信条や敵味方は関係なく、基本的に闘いが好きな神だ。
恐慌の神とされる「ダイモス」と、混乱の神とされる「フォボス」という2人の息子を引き連れ、戦車をひく馬に「火」「災難」「炎」「恐怖」などと名前をつけている。当然、暴走することもしばしばで、他の神々から厄介者として扱われ、たしなめられることも多い。とはいえ、外敵を撃退するために常に臨戦態勢なのは致し方ない面もある。
免疫系は、体内の血管やリンパ管といった循環系、それに粘膜を使って、常に異物の監視をしている。循環系を使った免疫系である全身免疫系では、皮膚が物理的に損傷でもしない限り、異物が循環系に直接入ってくることはほぼないので、免疫の細胞が血液・リンパ液中にあふれてしまうようなことは稀である。
一方、上皮細胞一層だけで外部と直に接触している口腔、気管支、腸管、生殖器などにおける粘膜は、常に臨戦態勢となっていなければならない。その中でも腸管、つまり小腸と大腸は特別な場所だ。
小腸・大腸は、途切れることなくやってくる消化産物や胃酸を潜り抜けて増殖した細菌などに日々さらされている。言ってみれば「異物接触」の最前線であり、免疫系という観点からすると最も重要な拠点なのである。実際、体内の免疫細胞の7割程度が小腸・大腸に集中しており、その重要性から腸管の免疫は、全身免疫系に対して「腸管免疫系」と呼ばれている。
では、具体的にどう闘っているのか。小腸を例に説明しよう。
○ M、樹、T、B・・・連携して攻撃態勢をつくる
小腸内壁の絨毛構造の多くは、栄養分を吸収するための上皮細胞で構成されているが、その絨毛の中に緩やかなドームのような場所がある。そうした場所を「パイエル板」といい、そこに免疫に関係する細胞が集中している。
そのパイエル板を構成する細胞の一種であるM細胞は、なんと消化産物や細菌をあえてそのまま取り込んで、それらを「樹状細胞」と呼ばれる免疫細胞へ提供する(疾きこと風の如し)。通常の免疫反応では、「異物が向こうから侵入してきた」という異常事態に対して応答が始まるのだが、腸管免疫ではあえて「敵を自らの懐へ取り込む」という荒業をやってのけるのだ。
受け取った異物は、免疫系において「抗原」と呼ばれる。樹状細胞は「抗原」をもとにして、M細胞の裏側にいるT細胞やB細胞といった他の免疫細胞へその抗原の情報を提示する。すると、T細胞はヘルパーT細胞などに変身して、全身を巡りながら他のさまざまな免疫細胞へ抗原の情報を伝える。一方、B細胞は形質細胞と呼ばれる細胞に変化して、抗原を攻撃するタンパク質を合成できるように準備を進める(徐かなること林の如し)。
その抗原を攻撃するタンパク質は「抗体」と呼ばれる。腸管免疫で合成されるのは「免疫グロブリンA」(IgA)と呼ばれる抗体であり、取り込んだ細菌などの抗原の情報に基づいて大量に合成される。そして、その抗体IgAは主に「杯(さかずき)細胞」というところから小腸内部へ分泌され、抗原となった細菌などを特異的に押さえにかかる(侵掠すること火の如し)。
そして、一部のB細胞は記憶細胞として特定の抗原の情報をストックし続ける(動かざること山の如し)。
○ 「危険」と認識された抗原の情報は全身に知れわたる
一方、腸管免疫系で「これは危険」と一度認定された細菌やウイルスなどの病原体の情報は、ヘルパーT細胞などによって、その“人相書き”が全身に知れわたることになる。そのため、病原体がどこから侵入しても、その場の免疫系によって対処可能だ。いわゆる「免疫がついて丈夫になった」といわれるものの多くは、腸管免疫経由だろうと考えられている。
なお、抗体はIgMという原始的な型(クラス)から、腸管免疫などで活躍するIgAの他に、アレルギーに関係するIgE、全身免疫の主役であるIgGなどへ状況に応じて分化していく。このIgMからさまざまな型の抗体を発現させる「クラススイッチ」と呼ばれる仕組みを解明したのが、2018年度のノーベル医学・生理学賞受賞者の本庶佑(ほんじょ・たすく)博士である。クラススイッチは今回の受賞対象ではなかったものの、免疫学全体からすればより普遍性があり、極めて重要な概念である。
津田大照
○ 害の少ない抗原には「免疫寛容」の仕組みが働く
さて、抗原を確実に排除するそうした腸管免疫にも問題がある。次々とやってくる消化産物や細菌すべてを攻撃対象にする必要があるのかということだ。無害な細菌もいるだろうし、消化産物にいちいち反応していてはキリがないだろう。ここはマーズの暴走をたしなめる神々が必要なのではないか。
ということで、消化産物や定住している細菌といった害の少ない抗原に対しては、腸管免疫の応答を抑制するように調節される。この仕組みは「経口免疫寛容」と呼ばれる。経口免疫寛容が成立すると、腸管だけでなく、他の粘膜や皮膚においても過剰な免疫反応が起こりにくくなると考えられている。
例えば、乳児の鶏卵食物アレルギー発症予防の手法として、抗原(アレルゲン)となる鶏卵をあえて早期に食べさせるやり方が確立しつつある*。一見すると、食物アレルギーの原因食物を食べさせるのは矛盾しているように見える。しかし「食物成分が皮膚に最初に接触することが食物アレルギーの原因」という皮膚感作仮説はほぼ確実になりつつあり、すべての食品でないにせよ、経口免疫寛容を先に獲得することの重要性は無視できない情勢になっている。
* 離乳食早期導入による食物アレルギー予防は、必ず医師の指導の下で行ってください。
○ 無駄な抗争を避ける身体の知恵
ともあれ、私たちがさまざまな成分を含んだ多様な食材を摂取しても、とりたてて大きなトラブルが起きないのは、この経口免疫寛容のおかげであろう。もしこの免疫寛容がうまく機能しなければ、闘い好きのマーズは暴走して、腸管免疫が過剰に働いてしまい、慢性的な腸炎になってしまうこともありうるのだ。つまり、腸管免疫における経口免疫寛容は、予め「面通し」しておいて無駄な抗争を避ける身体の知恵なのである。
先の本庶佑博士が、この免疫抑制に関係する標識膜タンパク質「PD-1」および「PD-L1」に意味を見出し、がん細胞の免疫チェックポイント阻害剤「オプジーボ(ニボルマブ)」の開発につなげたのはご存知の通りであろう。免疫寛容のメカニズムを逆手に取ったのである。
津田大照
12月に入りめっきり寒くなってきて、家に帰って湯船にぬっくりつかりたいものですが、ついついシャワーで済ませる人も少なくありません。
しかし、入浴とシャワーではその効果も大きく違ってくるそうです。
以下、リンク より引用します。
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・シャワーだけでは疲れはとれない
疲れをとるための入浴法で、最も重要なのは「全身浴で、肩まで湯船に浸かること」です。
最近の若年層については「お風呂離れ」が指摘されています。湯船に浸からず、シャワーだけで済ませてしまう人が増えています。20代では毎日湯船に浸かる人はわずか25%という報告もあります。ユニットバスで湯船が狭かったり、毎日忙しくて億劫だったり……。いろいろな原因があるでしょう。
しかし、シャワーだけでは体温も十分に上がらず、お風呂がもたらす温熱効果がしっかりと発揮されません。体が温まらなければ、血液が循環せず、疲労回復効果も低くなってしまうのです。
お風呂の温熱によって体が温まると、たくさんの血液が体中を巡るようになります。血液には、酸素や栄養分、ホルモン、免疫物質など、私たちの体にとって「大事なもの」を運び、さらに二酸化炭素や疲労物質・老化物質などの「いらないもの」を回収するはたらきがあります。
温熱効果で血流が増えることで、体の隅々の細胞まで血液が行き渡ります。新陳代謝が活発になることで、体がすっきりリフレッシュするのです。また、お風呂の水圧(静水圧)には、血液循環を促す効果がありますが、シャワーではその効果ものぞめません。
ちなみに、かつてブームになった「半身浴」ですが、「半身浴ならでは」という特筆すべき健康効果はありません。基本的には全身浴をおすすめします。半身浴では入浴にとって重要な「温熱作用」の効果が半減してしまいます。しっかりと全身でお湯に浸かったほうが体は温まり、血流もよくなります。
人間の体内にある「自律神経」には、積極的な活動をつかさどる「交感神経」と、体の修復をつかさどる「副交感神経」があります。仕事のストレスや緊張で興奮状態にある体は、交感神経が優位の状態にありますが、お湯に浸かってリラックスすることで、副交感神経優位の状態にスイッチが切り替わります。
現代社会は、心身への慢性的なストレスが多く、交感神経が必要以上に刺激されていますので、夜はいかに交感神経のスイッチをオフにできるかが、疲労回復のカギになります。
ヘトヘトになって帰宅した後、浴槽を洗ってお湯を沸かすのは、ちょっと面倒かもしれません。しかし、「シャワーだけで疲れがとれず、翌日までずっとだるさを引きずってしまう。そしてまた疲れて帰宅」という悪循環に陥ってしまいます。
十分な体温上昇(0.5~1℃)、血流アップによる老廃物の代謝、副交感神経への刺激。これらは、湯船に浸かってこそ得られる健康効果なのです。
疲れをとる入浴法「5つのコツ」
① 温度は40℃
②「全身浴」で肩まで浸かる
③ 浸かる時間は、10分から15分
④ 入浴剤でリラックス効果アップ!
⑤ 入浴後は、温熱効果を逃がさない!
毎日湯船に浸かることは、働く現役世代から、ご高齢の方まで、幅広い世代に有益です。私たちのチームが行った最近の研究でも
・毎日の入浴が、要介護リスクを減少させる
・毎日の入浴習慣がある人は、幸福度が高い
など、さまざまな健康効果が明らかになっています。
健康法としての入浴のすばらしいところは、「安価」で「手軽」だということでしょう。現代では浴槽がない家庭は少なくなってきていますので、毎日気軽に実践することができます。手軽かつ安価で、毎日無理なく実践できる、最高の健康法。それが入浴なのです。
匿名希望
『驚愕報告!インフルエンザウイルスを15秒で無力化する「紅茶」の力』(講談社・リケジョ)より。
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紅茶は、製造工程でしおらせた茶葉を丁寧に揉むことにより、茶葉が持っている酵素の力を利用し、カテキンなどのポリフェノールを酸化させて、紅茶独特の香りや味、色の特徴を作り出しています。
乳酸菌や麹カビなどの微生物は関与していないのですが、それでもこの酸化工程を「発酵」と呼びます。生の茶葉に含まれている酸化酵素の働きによって、茶葉に含まれているカテキンが大きく変化して「紅茶ポリフェノール」となり、紅茶特有の味や特徴的なオレンジ色が形成されるのです。
紅茶と緑茶のポリフェノール成分を比較すると、紅茶は総ポリフェノール量におけるカテキンの割合が小さく、代わりに緑茶にはない「テアフラビン」という成分を有しています。
この、テアフラビンをはじめとする種々のポリフェノールの集合体のことを「紅茶ポリフェノール」と呼ぶのです。
(中略)
紅茶ポリフェノールのなかには、その構造が未解明な部分もありますが、すでに多くの健康機能が明らかになっています。
たとえば、食事からの脂質の吸収を抑制したり、食後の血糖値上昇を抑えたりといった効果や、抗菌性などについてご存じの方も多いと思います。
くわえて、私どもの研究成果などを通じて、これからの季節にきわめて重要な「インフルエンザに強い」という機能が明らかになってきているのです。
インフルエンザウイルスの表面は、「スパイク」と呼ばれる突起状のたんぱく質で覆われています。ヒトに感染する際、このスパイクが呼吸器粘膜の細胞表面に吸着、侵入するうえで重要な役割を果たしているのです。
紅茶ポリフェノールには、この「スパイク」に付着し、ウイルスが細胞に吸着する能力を奪う力があり、ウイルスの感染を阻害し、無力化することが分かっています。
(中略)
紅茶ポリフェノールの強みは、ウイルスに直接作用してウイルスの働きそのものを止めてしまうところにあります。
たとえば、乳酸菌にはインフルエンザに対抗する能力があるというイメージが定着しています。確かに乳酸菌を体内に取り込むことにより体内環境が改善し、自己免疫力を徐々に強化することで、インフルエンザにかかりにくくなる体質を作ることは、インフルエンザ予防には一定の効果があります。
しかし、乳酸菌はウイルスに直接作用して即時に感染力を奪うという機能はもっておらず、紅茶のほうがウイルスの感染力を奪う効果が強いと言えます。
(中略)
では、ワクチンを接種しなかった人は、どうすればインフルエンザを予防できたのでしょう。この369名を対象に、冬季の紅茶の飲用頻度とインフルエンザの発病率の関係を評価したところ、紅茶の飲用頻度が高い人ほど、インフルエンザの発病率が低くなる傾向が見られました。
先に実施した調査において、「日常的に実施していたインフルエンザ対策と発病率との関係」も評価してみました。
すると、「紅茶の飲用」は他の対策に比べて高い、「ワクチン接種」に次ぐ有効率が見られたのです。
このように、紅茶ポリフェノールを日常的に摂取することで、インフルエンザの感染に備えることが可能になるという可能性を見つけてきました。
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竹村誠一