Wealthnavi(ウェルスナビ)を使ってはいけない3つの理由

~ロボアドバイザーのデメリットを解説~

更新日:2020年1月7日

都内でファイナンシャル・アドバイザーとして活動しているKです。

近年、「ロボアドバイザー」と呼ばれる投資商品が人気を集めています。代表的なサービスは、ウェルスナビ社の「Wealthnavi(ウェルスナビ)」、お金のデザイン社の「THEO(テオ)」、FOLIO社の「おまかせ投資」などで、新進のベンチャー企業としてメディアで持て囃されています。

ロボアドバイザーのおおまかな仕組みとしては、口座開設してお金を入れると、自動的にETFを買い付けたり、運用状況をサイトで見れたりするようになっている、というものです。


一見するととても便利そうですし、SNSで好意的な投稿を見かけることもありますが、私はこれらロボアドバイザーに対して否定的であり、他人に勧めることはありません。なぜなら、ロボアドバイザーには大きなデメリットが3点あるからです。その3点をこの後、説明していきたいと思います。


「貯蓄から投資へ」と言われるようになり久しいです。私もこの動きには賛同しており、もっと多くの日本人が投資をした方が良いと思っています。ただし、その際に「適切な投資商品」を慎重に選ばないと、金融業界が儲けるだけで終わってしまうため、警鐘を鳴らしていきたいのです。


以降では、ロボアドバイザーのNo1サービスであるWealthnavi(ウェルスナビ)に焦点を当てて説明を続けます。サービスの仕組みやスペックは各社大きな違いがないので、他社にも当てはまる内容です。

理由1:手数料は実質1.09%~1.13%。高過ぎる!!

Wealthnaviは、手数料を「1%」としています。

※ウェルスナビ社のHPより

ところが、Wealthnaviと同じように世界中に分散投資する投資信託には、はるかに安いものが多数存在します。


私が勧める投資信託と、それぞれの手数料を以下に上げます。

「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」(SBIアセットマネジメント):年率0.11%

「ニッセイ 外国株式インデックスファンド」(ニッセイアセットマネジメント):年率0.11%

「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」(三菱UFJ国際投信):年率0.10%

「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」(三菱UFJ国際投信):年率0.11%


手数料はなんと、0.10%~0.11%!Wealthnaviの1/10という低価格であり、これだけでもWealthnaviの手数料は大きなデメリットであることが容易に理解できます。


それではなぜ、このような優良な投資商品ではなく、劣悪なものが世の中に広まってしまうのでしょうか?それは、Wealthnaviは、自分たちが世界を変革する気鋭のベンチャー企業だと見せることで、ベンチャーキャピタルから莫大なお金を調達し、お金をテレビCMやWeb広告、常にまわしているキャンペーンにつぎ込んで、利用者を増やすからです。Wealthnaviは、投資商品としての良さではなく、会社の見栄えで勝負をしている会社なのです。


良心的な投資信託は金融機関にとって収益にならないため、積極的に広告宣伝が行わなれない傾向があります。そのため、投資商品の知名度と中身の良し悪しは、真逆のことがあるのです。投資を始める人は、このことをよく理解しておなければなりません。


また、Wealthnaviの手数料について知るべきことは、これだけはありません。実はWealthnaviの実質的な手数料は、「1.09%~1.13%」になります。


Wealthnaviは、お金を入れると、一定の割合でいくつかのETFを購入します。そのETFは他の資産運用会社が運用しているものであり、当然、そこでも手数料がかかります。そのETF手数料は現在、0.09%~0.13%となっています。(幅があるのは、利用者が選択するリスク許容度によって異なるためです) ETFの運用会社は、ETFの運用によって発生した利益からETF手数料を引いて、残ったものがWealthnaviの口座に入ります。


Wealthnaviは、自分たちが直接徴収する「1%」だけをWealthnaviの手数料として掲げており、間接的に負担するETF手数料0.09%~0.13%も含めた、実質「1.09%~1.13%」という数字ははっきりと見せていません。


Wealthnaviを使っているほとんど利用者は、このカラクリに気付いていないでしょう。

理由2:優良なバランスファンドがWealthnaviと同じ機能を実現している

Wealthnaviは、以下の資産(ETF)に対して、一定の割合で投資を行い、ときおりリバランス(割合の調整)を行います。

・米国株

・日欧株

・新興国株

・米国債券

・金

・不動産


投資商品について詳しくない方は、「いろいろな資産に自動で投資してくれる、便利なサービスだ」と思われるかもしれません。「ロボアドバイザー」や「AI(人工知能)」といったキーワードも、最新のシステムが人間の力を超えた分析を行い、高いパフォーマンスを生んでくれるという期待感を作り出しているかもしれません。


ところが、そのような期待感は幻想でしかありません。


バランスファンドと呼ばれる、様々な資産をパッケージ化した投資信託が昔から存在し、ロボアドバイザーと同じことを行ってきたからです。また、「AI(人工知能)」が行うのは、メールを通じたお知らせなどを相手に合わせて出し分ける仕組みであり、投資のアルゴリズムや運用手法に用いられるわけではないため、投資の仕方そのものが優れているわけではありません。


優良なバランスファンドを例示すると、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim バランス」、ニッセイアセットマネジメントの「ニッセイ・インデックスバランスファンド」、楽天投信投資顧問の「楽天・インデックス・バランス・ファンド」などがあります。


これらのバランスファンドの手数料は、なんと0.1%台!そして、Wealthanviでは購入する資産は決まっていますが、これらバランスファンドは、投資する資産や割合などのラインナップが多数あるため、自分の好みに合わせて選択することができます。


ただし、資産の割合を細かく考えても、トータルのパフォーマンスは結局、変動率が大きい株式で決まってしまうことが多いです。最終的には各自の判断になりますが、私自身は、バランスファンドではなく、「理由1」で挙げたような、世界中の株式市場に分散投資する投資信託を買えば充分だと思っています。

理由3:節税メリットが不透明

Wealthnaviは「DeTAX(デタックス)」なる機能を備えています。ウェルスナビのウェブサイトで以下のような説明があります。


DeTAX(デタックス)は、税負担を自動で最適化する機能です。

分配金の受け取りやETF(上場投資信託)の売却によって利益が実現すると、その利益に対して税負担が生じます。DeTAXは、税負担が1万円を超える場合を目安に、税負担の一部または全部を翌年以降に繰り延べます。繰り延べがなかった場合より運用できる金額が増えるため、投資効率の向上が期待できます。

具体的には、リターンがマイナスになっている銘柄をいったん売却して損を確定させます。すでに実現している「利益」と、売却によって実現した「損」を相殺することにより、その年の利益を圧縮もしくはゼロにし、税負担を翌年以降に繰り延べます。

また、リターンがマイナスになっている銘柄の売却と同時に、同じ銘柄を、同じ数量、同じ価格で買い戻します。これにより、ポートフォリオ(資産の組み合わせ)を維持したまま、税負担を自動で最適化することができます。

※ DeTAXは特定口座をご利用の場合に適用されます。
※ 税負担を必ず繰り延べることを保証するものではありません。

皆さん、この説明を読んで、どのように思われるでしょうか?


私はこの説明を読んだだけでは、何も納得できません。ここで説明されていることは、利益と損失を相殺することで税負担を小さくするという、概念的な説明だけです。


「税負担を必ず繰り延べることを保証するものではありません」との注意書きも、不安感を煽ります。では一体、どのような条件で税負担が繰り延べられるのでしょうか?どのような時に、繰り延べが行われないのでしょうか?"税負担が1万円を超える場合を目安に"とありますが、いつ、何を、どのように計算した結果を指しているのでしょうか?また"目安"ということは、1万円を超えても繰り延べが行われないケースがあるということでしょうか?それはなぜ行われないのでしょうか?これらの疑問に、Wealthnaviはまったく答えてくれません。


また、Wealthnaviの運用実績は公開されていますが、そこでDeTAX(デタックス)がどのように機能しているのかの説明はありません。


結局のところこの機能は、パフォーマンスに対して実質的にどのような効果があるのでしょうか?それを様々な条件付きで開示してくれなければ、利用者にとって意味は無いのです。


このような不透明な機能を盲信するよりも、制度的に節税する仕組みが整っている個人型確定拠出年金(iDeCo)や、つみたてNISAなどを利用すべきです。


iDeCoやNISAの口座で購入できる投資信託は、先述したような、低コストで分散効果が高く、ロボアドバイザーよりも優れているものがたくさん用意されています。ロボアドバイザーに手を出すよりも、まずはiDeCoやNISAを限度額までしっかり使いましょう。それでもまだ現金が余るときは、自分なりに優良な投資信託やETFを選んで購入しましょう。


Wealthnaviにお金を入れるのではなく、せめてWealthnaviが組み入れているETFを自分で購入しましょう。


投資商品を適切に選ぶことは、人生設計や老後の安心に向けた第一歩です。このぺージが、投資について改めて考えてみるきっかけになれば幸いです。