航空機から生まれた新しい命
⑨サーキットブレーカー
みなさんの家庭には「ブレーカー」というものがありますよね?家庭の「ブレーカー」は電子レンジやドライヤーなどの電化製品をたくさん使用した時に、電気が流れすぎないように遮断するものです。飛行機にもそれに似たものがあり、それがサーキットブレーカーです。サーキットブレーカーが電気を遮断することを整備士は「トリップ」といいます。
このサーキットブレーカーは電気で作動するシステム一つ一つについていて、システムごとの電気の流れの大きさに応じてトリップします。家庭のブレーカーと異なるのは、電気をたくさん使用した時にトリップするものではなく、そのシステムに何らかのトラブルが生じて、電気的に不安定になり、大きい電気が流れた時にトリップします。
サーキットブレーカーはそれぞれシステムによって異なっており、前面に書かれた数字は、トリップする限界の電流の値です。緑色のサーキットブレーカーもあり、これはトリップするとコックピットのモニターにお知らせを出すようになっています。また、ANAでは色のついたキャップをつけることで、整備の場面でトリップするものをわかりやすく、かつ間違えないようにしています。
今回取り卸されたサーキットブレーカーは、実際のANAの飛行機で長い間使われてきたことにより、壊れたり機能が低下して廃棄されたものたち。
みなさんもANAの飛行機の安全を長らく支えてきたサーキットブレーカーたちにふれてみてください。