哀悼の辞

理事長 阪本朋子

 尼崎市合唱団を創設され58年もの長きにわたりご指導下さいました松尾昌美先生が、令和4年11月23日に永眠されました。

 先生は故朝比奈隆先生からの要請を受け、アマチュアの方に西洋音楽(特に宗教曲の持つ様式美)を届けるという熱く強い思いから尼崎市

合唱団を創設されました。

 さて、松尾昌美先生とはどのような方ですかと尋ねられたら、先生をよくご存知の方々は次のような形容で表現される事でしょう。『深い見識の

持ち主』『雑学の神様』『美意識の固まり』『浄瑠璃やお能、歌舞伎に造詣が深い』『漫談が大好き』『大の車好き&ドライブ好き』『お洒落で紳士』

『お料理上手、特にケーキ作り』『美術館で一日中でも絵画と対話する人』等。そして矢張り一番多くは『優しく懐の深い方』でしょうか。

 先生は音楽の最も大切なものとして、自然な流れと美しいハーモニーを合唱団の音楽作りの中心に据えられ、扱う楽曲がかなり高度な作品で

あっても、皆が楽しみながら取り組める工夫をされました。そしてそこには日本人の感性でどのように受け止めるかを絶えず模索されておられ

ました。皆が«松尾マジック»と名付けたその音楽作りは、週に一度の練習場所をいつの間にか豊かな人生の歩みの場所に作り替えても下さい

ました。音楽を人生の友とする生き方がいかに豊かで幸せかを教えて下さいました。

 松尾昌美先生、先生への感謝の気持ちは言葉では言い尽くせません。心より御礼申し上げます。

 先生、どうか今後とも尼崎市合唱団の益々の発展をお見守り下さい。

慎んで先生のご冥福をお祈り申し上げます。

尼崎市合唱団理事長 阪本朋子

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