2025年度 ALJE第2回研究会
大学院生による研究発表
2025年10月5日(日)14:00-16:00(日本時間)
〈発表1〉
Phạm Thu Trang (ハノイ大学大学院生)
「フェニカー大学のIT技術大学生の日本語学習動機づけの調査」
【要旨】
学習動機づけは、第二言語習得において学習者にとって非常に重要な要素である。
本研究では、日越情報工学部に在学しているIT専攻学生を対象に、日本語学習動機づけに関する質問紙調査を実施し、学生が日本語学習を継続する動機を明らかにするとともに、それに基づく適切な学習方法やストラテジーを提案することを目的とした。
因子分析および回帰分析の結果、「統合的動機づけ」「社会的動機づけ」「職業志向」という三つの因子が抽出され、特に「職業志向」が学生の日本語学習動機づけに強く影響していることが明らかになった。これらの知見を踏まえ、本研究では、学生が日本語能力をより効果的に維持・発展させるための具体的な方策を提示している。
〈発表2〉
高橋 聡子(早稲田大学大学院生)
「マレーシアの多言語多文化職場におけるビデオリフレクション研修の考案
― 居心地のよい職場づくりに資する会話力の検討を通して ―」
【要旨】
本発表は、マレーシアの日系企業における多言語・多文化職場を対象に、非流暢な発話を会話力として活用するビデオリフレクション研修を考案する。ビデオリフレクションとは、実践や教育的活動を映像で振り返り、察する方法である(佐伯,2018)。
日本人独特のハイコンテクストな会話は外国籍社員とのミスコミュニケーションを招きやすく、経済産業省はその解消のため動画教材を提供している。一方本研究は、雑談に参加できず孤立感を抱く外国籍職員の支援を目的とする。Jessicら(2021)は孤立低減に雑談を推奨し、清水(2018)は頼関係を育む雑談を会話指導の対象にすべきと述べる。そこで本発表は、雑談におけるとぎれや沈黙、フィラーなど非流暢性に着目し、録画・書き起こしを通じ相互作用への影響を分析する。非流暢な発話を会話力として捉え直し、ビデオリフレクションを用いた研修モデルを検討する。外国籍職員に非流暢性があまり見られないのは、その存在や役割に気づいていないためと考えられ、本研修の試みが会話力向上の一助となると考える。
2025年度 ALJE第1回研究会
「日本語教師としての自分の軸をつくるための三位一体ワークショップ」
日時:2025年6月22日(日曜日)13:00-15:00(日本時間) 定員27名
〈提供者〉
舘岡洋子(早稲田大学大学院日本語教育研究科)+NKS研究会
【要旨】私たちは、専門家としての日本語教師を「どんなフィールドに行っても、あるいは現在のフィールドが社会的影響の下で変化しても、自身のめざす日本語教育観を軸として自らの経験やもてる力を総動員して、フィールドに合った日本語教育実践を編成し、必要に応じてフィールドそのものを変えていく力」(舘岡編、p.104)を備えた人であると捉えています。そこで、本ワークショップでは、まず、日本語教育活動を行っている中で違和感を覚えたり、もやもやしたりしたエピソードをもとに、日本語教師としての自身の理念を明らかにします。そのうえで、自身の三位(理念・方法・フィールド)の一貫性を確認します。
本ワークショップは、対話をとおして、自身の経験や考えを言語化するプロセスを重視しています。具体的には、一人で考えるのではなく、他の参加者とやりとりしながら、自身の日本語教師としてのあり方を言語化し、より明確にしていきたいと思います。
参考図書:舘岡洋子編『日本語教師の専門性を考える』(ココ出版)
2024年度 ALJE第5回研究大会「変わる世界、広がる学び―日本語教育の新たな可能性―」
日時:2025年3月16日(日)14:00-16:45(日本時間)オンライン(Zoom)
〈プログラム〉
14:00-14:15 開会式
14:15-15:15 第一部 基調講演
「海外における日本語教育学の発展と課題―持続可能な取り組みに向けて―」
宮崎里司 (早稲田大学大学院日本語教育研究科教授)
15:30-16:35 第二部 口頭発表
発表1 15:30-16:00
「文学作品の『やさしい日本語』訳―日本語多読リソースの開発―」
竹田 恒美(国立東京工業高等専門学校)
発表2 16:05-16:35
「これまで見過ごされてきた学習者の多様性と帰属意識の重要性」
オッペンハイム のりこ(フラトン大学)
16:35-16:45 閉会式
2024年度 第4回研究会
「『協調学習」の可能性とはー人はいかに関係性の中で学ぶ力を育むかー」
日時:2024年11月30日(土)14:00-16:00(日本時間)オンライン(Zoom)
〈発表者〉
高久 孝幸 (帝京平成大学附属日本語学校)
昨今、情報技術などの社会変化により、他者とつながり、互いに学び合おうとする必要性がなくなりつつある。気づけば、コミュニティーから離れ、孤立する人もいる。それが深刻化すると、不安感を募らせ、健康面にも悪影響が出る。では、孤立を予防し、人と人との関係構築の中で、学びを深める教育のあり方はあるのだろうか。「つながりをつくり、相互に学び合う」学習形態として、「協働学習」がよく取り上げられるワードである。他方で、「協調学習」という学習概念も教育全体で広がりを見せている。本発表では、教室という一つの希薄化している空間を意図的につなぐ仕掛け作りとして、「協調学習」を取り上げ、その実践例とその背景にある多様な考え方を紹介する。研究会では、発表者と参加者、参加者同士が多様な経験則を共有し合い、「協調学習とは何か」、またそれぞれの教育現場における「協調学習の可能性」を考え深める場になればと切に願っている。
2024年度 第3回研究会 大学院生による研究発表
日時:2024年9月29日(日)14:00-16:00(日本時間)オンライン(Zoom)
今回は3名の現役大学院生が現在進めている研究を発表します。研究をどのように日本語教育の現場に還元するかなどについて、参加者のみなさんと意見交換できればと考えています。興味ある研究1件だけじっくり議論するもよし、3件を順にまわってアドバイスをするもよし、参加者の皆様のご参加をお待ちしております。
〈発表〉
発表1「地区防災活動に在住外国人が主体的に参加するための日本語教育の貢献― 地域日本語教室における自助・共助の育成から ―」
大谷麻由美(早稲田大学大学院 日本語教育研究科 修士課程2年)
【要旨】日本では近年、自然災害が激甚化・頻発化している。日本人だけでなく、増加している在住外国人も防災・減災のための自助・共助の知識と行動を身に付けることが求められている。しかし、在住外国人の現状を見ると、地域の日本語教室で学ぶ学習者や、教育機関に属さない日本語非母語話者は、防災・減災に関する知識や情報を得る機会が少ない。また、在住外国人の地区防災活動への参加はごく少数にとどまり、参加を受け入れている地区も限定的である。本研究では、在住外国人が地区防災活動に主体的に参加できない原因について、日本語の運用能力、コミュニケーション能力、地域社会の一員であると認識する市民性の3点から明らかにする。そして、地域日本語教室での学びによって、災害に自ら対応できる自助の能力、地域の人々と協力して災害を乗り越える共助の能力を育成できるかを検証する。
発表2「アスリート留学生を対象とした漢字授業の実践報告」
櫻庭律子(早稲田大学大学院 日本語教育研究科 修士課程2年)
【要旨】本実践報告は、2023年秋学期にA大学で開講された留学生向けの漢字授業の実践と、アスリート留学生の授業参加から得られたことについて報告するものである。近年、大学における留学の目的は多様化しており、運動特待生として入学するアスリート留学生もその例外ではない。そのため、受け入れ側であるA大学は、学生のニーズやレベルに応じた授業を行うようになった。本実践報告に取り上げる授業は、2023年9月から2024年1月までの1学期間の日本語授業で、アスリート留学生のみで構成されたクラスが対象である。授業では写真を用いた漢字を行っており、それを通じてアスリート留学生の視点や授業内容の方向性を明らかにすることができた。
発表3「中国の高等教育における日本語教育専攻の学生のキャリア形成ー 中等教育段階の日本語教師を目指す学生の専門性向上とキャリア支援の実態 ー」
于エイエイ(早稲田大学大学院 日本語教育研究科 修士課程2年)
【要旨】中国では日本語学習者数が急増している一方、日本語教師は不足しており、中等教育における日本語教師の専門性向上が喫緊の課題となっている。本研究は、中国の大学および大学院における日本語教育専攻の学生が中等教育段階の日本語教師としてのキャリアをどのように形成し、専門性を向上させているかを明らかにすることを目的とする。研究の目的は日本語教育専攻の学生を対象に、教育課程、実習経験、キャリア支援、専門性向上のための取り組み、将来のキャリア意識などに関する調査を行い、分析する。日本語教育専攻学生のキャリア形成と専門性向上に関する実態が明らかになり、効果的なキャリア支援策の提案に貢献することが期待される。
2024年度 第2回研究会
「ポスト・マルチリンガルな言語教育のあり方を考える-日・英コミュニケーションワークショップの報告からー」
日時:2024年7月21日(日)14:00-16:00(日本時間)オンライン(Zoom)
<発表者>
伊吹香織(東京国際大学)
三沢佳菜子(東京国際大学)
ジョーイ・コレア(東京国際大学)
【要旨】国内の大学では、英語は英語の教室で学び、日本語は日本語の教室で学ぶというモノリンガルな言語教育環境が一般的である。キャンパス内で両言語の学習者が関わりを持つ機会はなかなか生まれず、外国人留学生からは「日本人の友達が欲しいが、どのように作ったらよいか」という悩みも聞かれる。一方で、実社会では、国際的な職場環境で働くためのコミュニケーションスキルや社会的スキルが益々求められるようになってきている。
日本語学習者と英語学習者が同じ教室で学ぶと、どのようなコミュニケーション教育が可能になるのか。発表者らは、日本語・英語の学習者が、各自の持つ言語資源を活用しながら社会的スキルを学ぶワークショップを開催した。
本発表では、その実践報告を行い、ポスト・マルチリンガリズムの考え方に基づいたローカルな相互使用によって生まれる「ことば」(Otsuji 2020)の教育のあり方を、参加者と共に考えたい。
〈参考文献〉
Otsuji, E. (2020)「ポスト・マルチリンガリズムに基づいたインクルーシブなことばの教育とは」『The 25thPrinceton Japanese Pedagogy Forum PROCEEDINGS May 11-12, 2019 』pp. 417-427 (http://hdl.handle.net/10453/164700)
2024年度 第1回研究会
「『人生型の主体的な学び』につながる実践のあり方」
日時:2024年5月18日(土)14:00-16:00(日本時間) オンライン(Zoom)
<発表>
任(イム)ジェヒ(立教大学日本語教育センター)
【要旨】「主体的な学び」は、日本語教育をめぐる理論研究や実践研究に欠かさず現れる表現である。また、実践においては、日本語の学びが学習者の長期的な言語実践そのものであることから、アイデンティティの形成やウェルビーイングなどを視野に入れた「人生型の主体的な学び」が重要な課題として指摘されている。しかし、「主体的な学び」が具体的に何を指すのか、どのような実践から得られるのかについては、さらなる検討が必要である。本発表では、「主体的な学び」とは何かを踏まえ、「人生型の主体的な学び」につながる実践のあり方を検討する。その結果を踏まえ、今後実践者が目指していくべきところについて考察を試みる。
2023年度 ALJE第4回研究大会
「日本語教師のキャリアとリテラシーを考える」
日時:2024年3月24日(日)13:00-17:25 (日本時間)オンライン(Zoom)にて開催
〈プログラム〉
13:00-13:05 オープニング
13:05-14:05 第一部 基調講演
「登録日本語教員に求められるリテラシー」
宮崎里司 (早稲田大学大学院日本語教育研究科教授)
14:10-15:40 第二部 ワークショップ
「日本語教師のキャリア-これまでとこれから-」
岩瀬ありさ (日本語教師、国家資格キャリアコンサルタント、JCDA認定CDA(Career Development Adviser))
15:50-17:20 第三部 発表
発表1「コミュニケーション研究×日本語教育-外国人が外国人にできること- 」
吉田恭子 (宝塚医療大学留学生別科)
発表2 「72歳の大学入学はどのように表象されるのか-初級日本語作文教材のモデル文を事例に批判的に読む-」
吉井雄樹 (関西学院大学大学院)
17:20-17:25 クロージング
発表概要(PDF)ダウンロード
2023年度第3回研究会 大学院生による研究発表
日時:2023年9月10日(日曜日)14:00-16:00(日本時間) オンライン:Zoom
〈発表〉
発表1「音読プロソディーと文理解の研究―台湾人日本語学習者を対象に―」
リーチョーユー(台湾淡江大学日本語学科 修士課程2年)
【要旨】 日本語を外国語として学ぶ学習者が音読をする際に「自然なリズム」、いわゆるプロソ ディーがかけていることがしばしば指摘されている。プロソディーの欠如は、母語話者に 理解されなく、コミュニケーションに支障が出る可能性がある。プロソディーは意味の伝 達には重要な役割があり、同じ文であっても、プロソディーの違いにより、別の意味として 理解されることもある。そこで、本研究は台湾人日本語学習者を対象に、台湾人日本語 学習者が文の意味の理解の上で、どのようにプロソディーを通してその意味理解を表す のかを明らかにすることを目的とする。具体的には、意味が曖昧する文を、学習者がどの ように理解をし、それを朗読する際にどのようにプロソディーを適用しどちらか一方の意 味に限定して表現するのかを明らかにしたい。
発表2「医療専門学校教員が抱える留学生への日本語教育指導の困難について」
山西智香(早稲田大学大学院日本語教育研究科 修士課程2年)
【要旨】 2008年からEPA(経済連携協定)制度が開始されているが、従来のEPA制度とは異 なるルートで医療専門学校に入学する留学生も増加している。通常、日本人学生を対象 に教えてきた看護教員が、留学生に対して専門分野教育だけでなく日本語教育もして いく中で生じる看護教員の困難に焦点を当てた。近年、多様な在留資格による就労目 的の入国者が増加している中で、様々な場所で必要とされる日本語教育の現状を明ら かにしていく事は専門日本語教育の発展に繋がると考えた。本研究は、医療専門学校 の留学生に対して専門分野を教える看護教員が日本語教育と専門分野教育をしていく 中で、どの様な困難があったのかを明らかにすることを目的とする。
発表3「ウクライナ避難民に対する日本語教育ー彼らが社会参加する過程に日本語教育はどのように関わっているのかー」
小泉秋乃(早稲田大学大学院日本語教育研究科 修士課程2年)
【要旨】2022年2月、ロシアによるウクライナへの侵攻が始まり、それによって620万人以上の 人々が国内外への避難を余儀なくされた。世界各国で彼らの受け入れが進められるな か、日本では同年3月から「ウクライナ避難民」として2500人近くを受け入れている (2023年8月現在)。避難民を受け入れる上で、経済的な支援や住居の提供などの ハード面に加え、重要となるのが言語などのソフト面の支援である。本研究では、関東南 部に避難し、日本語学校に通う2人のウクライナ避難民に焦点を当て、彼らが来日後か らどのように日本社会へ参加をしているのか、またどのような変化があったかをインタ ビューなどによって明らかにする。そしてその過程に日本語教育がどのように関わってい るのかを考察する。
2023年度 第2回研究会
「ことばの背景にあるもの―さまざまな日本語教育現場からー」
日時:2023年7月1日(土曜日)14:00-16:00(日本時間) オンライン:Zoom
〈発表者〉
横山りえこ(早稲田大学大学院 博士後期課程)
【要旨】
≪日本語でのやりとりに支障がないのに、なぜか相手に伝わらない。≫
皆さんは、そのような経験がありませんか。日本語学習者・日本語教師双方にとって少なからず遭遇するこうした状況は、「見えない文化」が影響していることがあります。例えば日本語学習者にとって、教室で学ぶ言葉や文法知識は豊富にあっても、教室の外で「使えなかった」、「わからなかった」、もしくはミスコミュニケーションを生んでしまったということがあるでしょう。一方で、日本語教師にとっては、自分の当たり前を無自覚のうちに日本語学習者に伝えてしまった、ということもあるのではないでしょうか。ことばの裏に含まれる社会的・文化的といった背景を、普段皆さんはどのように意識し、工夫・対応しているのでしょうか。今回は参加者の皆さんと共に「見えない文化」を共有し、言語習得の「その先」を見据えた多角的な知見と対応のヒントを考えたいと思います。
2023年度 第1回研究会
「授業でアクティブラーニングを促進/阻害する要因を考える」
日時:2023年5月14日(日曜日)14:00-16:00(日本時間) オンライン(Zoom)
〈発表〉
芹川佳子(東京大学)
【要旨】今回の研究会では、芹川佳子(2022)「フランスで日本語を専攻する大 学生が年度によって会話の授業でおもしろいと感じる活動が異なる要因:活動に対する評価と学習スタイルの分析から」『言語文化教育研究』20, pp.96-115から着想を得て、皆さんの学習経験や教授経験も振り返りつつ、アクティブラーニングを促進する/阻害する要因について議論します。
【論文要旨】フランスの地方都市の大学で日本語を専攻する大学2年生を対象にした日本語応用会話の授業で,アクティブラーニングの技法が異なる一回完結型の活動を行った。どの活動がおもしろかったかを学習者が評価したところ,2017年度(A群)と2018年度(B群)でおもしろかったと評価する活動が異なった。また,A群は活動のおもしろさの平均値が徐々に下がるが,B群のおもしろさの平均値は,最初から最後までほぼ同じ水準だった。日本語学習に関する学習スタイル調査の結果,B群はたくさんの人と話しながら学ぶことを好む傾向があった。B群は活動形態にかかわらず,周囲のクラスメイトに助けてもらうことが期待できるため,活動のおもしろさの平均値が下がらなかったと考察される。
2022年度 第3回研究大会「改めて語り合おう、日本語教育の今」
日時:2023年3月25日(土)13:00-16:00 (日本時間)、参加費無料 Zoomにて開催
タイムテーブル:ニ部構成になっています。
第一部 13:00-13:30 オープニング
13:30-14:30 第1部 セッション
第二部 14:45-15:30 第2部 セッション
15:30-15:50 クロージング
今回は、オープン・スペース・テクノロジー(OST)というディスカッションの手法を使って、参加者が自由にテーマを設定・選択し、その場に集まった人たちと意見交換を行い、実践につながるアウトプットを生み出します。
第1部は、本研究会が皆さまの興味にあいそうなテーマをご用意しました。第2部は、参加者の皆さまが用意してきた、またはその場で話し合いたいと思ったテーマで意見交換を行います。日頃、思っていることをぜひ、今、改めて語り合いましょう!
【テーマ例】
①フィードバックについて考える-授業時間外を使っての添削やフィードバックは必要か、フィードバックの仕方で学生の満足度はどう変わるか-
②日本語教師・学習者は標準アクセント以外使ってはいけないのか-誰がことばをコントロールするのか-
③入門・初級レベルのオンライン授業を効果的に行うには何が必要か
2022年度第4回研究会
気になる文献シリーズ1『外国語学習者エンゲージメント』
日時:2023年2月18日(土)14:00-16:00(日本時間) 参加費無料、 Zoomにて開催
「気になる文献シリーズ」は、本研究会会員が興味を持ちそうな文献の概要やキーワードをもとに、それぞれの教育実践や研究を振り返り、ディスカッションを行おうという企画です。今回は下記文献の序論と第2章を取り上げます。
マーサー,S.&ドルニェイ,Z.(著)鈴木章能、和田玲(訳)(2022)『外国語学習者エンゲージメント』アルク
【こんな方はぜひご参加ください】
・この文献をすでに読んでいて、だれかとディスカッションしたい人
・まだ読んでいないが、この文献に興味がある人
・「エンゲージメント」というキーワードに興味がある人
〈企画者〉伊吹香織、江森悦子、芹川佳子(ALJEスタッフ)
2022年度第3回研究会 大学院生による研究発表
日時:2022年9月10日(土)14:00-16:00(日本時間) 参加費無料、 Zoomにて開催
早稲田大学大学院日本語教育研究科の大学院生が、現在進めている研究を発表します。技能実習生、オンライン教育、中国の大学、マレーシアの日本語教育政策の4つの研究課題について、ブレークアウトルームで参加者のみなさんと意見交換できればと考えています。興味のある研究1件だけをじっくり議論するもよし、いくつかの発表をまわってアドバイスをするもよし、皆様のご参加をお待ちしております。
発表1「ものづくり技能実習生たちはどのように日本語使用に対する不安をポジティブに捉え、そしてそれが職場参加へどのような影響を与えているのか―職場内での接触場面において―」
筒井しおり(早稲田大学大学院日本語教育研究科)
【要旨】本研究計画は、博士後期課程への研究計画である。
研究①の目的は、職場内での日本語使用に対する不安をポジティブに捉えているものづくり技能実習生に対して、ネガティブな感情である不安をどのようにポジティブに受け入れられるようになったのか、そのプロセスを明らかにすることである。研究方法はA監理団体に所属するものづくり技能実習生5名程度にインタビューを行う予定である。インタビューでは、調査協力者自身の性格、段階ごとにどのような日本語使用に対する不安があった(ある)のか、なぜそれをポジティブに捉えられていると思うか、その際に影響を受けたものはあるかを聞き出す。研究②の目的は、日本語使用に対する不安をポジティブに捉えることが職場参加へどのような影響を与えているのかを明らかにすることである。研究方法は研究①の調査対象者にインタビューを行う予定である。インタビューではものづくり技能実習生に対して、職場へ参加しているという自覚を抱いているのか、もし抱いているとすると、どうしてそう思うのか、日本語使用に対する不安をポジティブに捉えることはどのように影響していると思うかを聞き出す。
発表2「マレーシア東方政策から見る高等教育における日本語学習者の実態と課題―政策対象外となる日本語主専攻生に焦点を当てて―」
チュア トゥンアー(早稲田大学大学院日本語教育研究科)
【要旨】本研究の目的は、マレーシア高等教育における日本語学習者の実態と課題を明らかにすることである。発表者の出身国のマレーシアでは、日本語学習者と日本にいる留学生数が世界10番目と12番目に多い。その理由は、マレーシア日本語教育は長年東方政策という政策が大きく影響を与えられているためである。東方政策の日本留学事業を通して、日本留学事業がある。主に理系の学生が2年間マレーシア予備教育機関で日本語と大学受験のための教育を受けた後、マレーシア国費で日本の国立大学や高等専門学校に進学するプラグラムである。大学授業料を免除されるほか、毎月給付奨学金も受給している。しかしながら、政策の取り柄はマレーシア高等教育の日本語学習者が享受することではなく、民族ごとに割り当ての偏りがある。
本研究では、政策対象外としてマレーシアの国立大学で日本語を専攻した学習者を対象に調査を行った。研究対象者の日本語学習にどのような課題を抱えていたのか、そして経験した課題をどのように乗り越えたのかをインタビューで話を聞いた。また、政策対象外となる日本語学習が自分の日本語学習歴、経歴をどのように捉えているのかもインタビューで振り返ってもらった。今回はインタビューした内容を一部共有し、政策上マイノリティである日本語専攻者の実態とその日本語専攻者に対して求められる支援を見つけていく。今まで東方政策に主眼を置いた先行研究は多くあるが、政策対象外の日本語教育研究は僅少である。本研究を通して、政策対象外となる日本語学習がマレーシア日本語教育に置かれた状況を把握し、日本語専攻生の実態と課題を明らかにした上で、異なる日本語教育環境によって生じた課題に対して提言を行いたいと思う。
発表3「中国の大学における日本語学習者の日本語の学習継続について —日本語をセンター試験受験科目とした生徒を対象に―」
梁良(早稲田大学大学院日本語教育研究科)
【要旨】本研究は日本語を中国のセンター試験受験科目とした生徒を対象に、大学の時の日本語の学習継続の実態と要因を調査する。その実態と要因を明らかにするために、質的研究と量的研究を兼用して研究を進める予定である。予測の結果としては、学習継続ができた学生とできなかった学生のそれぞれの影響因子が分かるようになり、日本語教育と関わった機関個人に、なんなかの示唆を与えることなどが考えられる。
発表4「オンライン日本語教育の学習者の継続要因分析とドロップアウト問題の解決可能性ー持続可能なオンライン教育の在り方を考えるー」
徐夢瑤(早稲田大学大学院日本語教育研究科)
【要旨】本研究の目的は中国のオンライン日本語教育におけるドロップアウトを理解するため、ドロップアウト経験者がドロップアウトに対する態度と、なぜドロップアウトしたかの要因を解明しようとする。それを通し、ドロップアウト問題の解決可能性に示唆を得られ、持続可能なオンライン日本語教育の在り方を考える。本研究を通し、ドロップアウト率の低減を図るための示唆を得ることができると考えられ、今後の持続可能なオンライン日本語教育にも繋がれる。
2022年度第2回研究会
「日本語教育における音読劇の実践-読みの深まりと五感を使った表現をめざして」
日時:2022年7月9日(土)14:00-16:00(日本時間) 参加費無料、 Zoomにて開催
〈発表者 〉
福富七重(南山大学)
【要旨】日本語教育における音読劇の実践についてご紹介します。きっかけは南山大学の英語教育の先生に英語教員免許更新研修で行われた音読劇(readers theater)ワークショップを日本語教師向けにお願いしたことに始まります。音読劇は元々イギリスの演劇パフォーマンスの一つで、教育目的のものではありませんでしたが、音読劇の過程でテキストを深く理解し、他者と協働しながら、言葉で表現する面白さが実感できる、言語教育に適した活動だと言えます。またセリフを覚えて演じる劇と異なり、テキストを読みながら表現する音読劇は取り組みやすさも特徴です。今回は日本語教科書のテキストを用いて、皆さんにもぜひ音読劇を体験していただけたらと思います。
〈発表者プロフィール〉
南山大学外国人留学生別科日本語非常勤講師。経歴:東京女子大学大学院現代文化研究科修了後、スイス・ジュネーブ日本語補習学校に講師として3年間勤務。帰国後は国際学校で年少者、大学で留学生の日本語教育に携わり、その後、南山大学外国人留学生別科にて専任講師・非常勤講師として留学生の日本語教育に従事し、現在に至る。
2022年度第1回研究会
日時:2022年6月4日(土)14:00-16:00(日本時間) 参加費無料、Zoomにて開催
〈発表〉
「『市民リテラシー』育成のためのアクティブラーニングを考える」
山下千聖(早稲田大学)、奥村恵子(明治学院大学)、齊藤真美(早稲田大学)、中野玲子(すみだ日本語教育支援の会)、永岡悦子(流通経済大学)
【要旨】日本に生活している「外国人」、たとえば定住者、留学生、就労者の人たちが、義務や権利に関する知識、生活に必要な情報や支援を得るため、また地域をはじめとしたいろいろなコミュニティに参加するために、日本語教育にかかわる人たちは、何ができるでしょうか?そのカギになるものとして「市民リテラシー」があります。
「市民リテラシー」は、居心地が良い多文化共生社会を創るために、社会を構成する市民一人一人が、身に付けるべき基本的なリテラシー(ここでは、異文化適応能力と同義)に必要なものです。日本語教育関係者は、社会の一市民として、自身の「市民リテラシー」を発揮する必要があることはもちろんですが、学習者や周囲の人たちの「市民リテラシー」について考える必要があります。今回の研究会では、学習者や周囲の人たちに。どのように主体性をもって「市民リテラシー」を獲得、醸成してもらえるか、教室内外で、どのようにアクティブラーニングをしかけるかを共に考えましょう!
2021年度 第2回研究大会「持続可能な日本語学習を考える」
2022年3月12日(土)13:00-16:10(日本時間)参加費無料、Zoomにて開催
学習者が教室を越え、継続的かつ主体的に学んでいくための方法や支援のあり方を話し合います。今回は、留学生教育と介護という異なる現場で学習者支援を行っている2名の実践者に話題を提供していただきます。
第一部 13:00-13:10 開会の挨拶
13:10:14:40 発表「落語を学ぶ」
第二部 15:00-16:00 発表「異文化理解を進めるピア・サポート~誰もが活躍できる社会を目指す」
16:00-16:10 閉会の挨拶
第一部「落語を遊ぶ」
発表者 杉山ますよ(早稲田大学日本語教育研究センター講師)
【要旨】長年伝統文化の授業や表現活動の授業などで落語を扱ってきました。落語は一人で子供から大人まで、様々なキャラクターを演じます。その際、声の出し方、体の使い方、視線の動かし方など様々な表現の手法を使います。落語の演目の一部や小噺について興味を示す学生は多々います。またそれをやってみると学生は様々な反応をします。学生が落語に取り組むことは様々な学びがあり、授業の目的に応じて扱える教材だと思います。本発表では、小噺を参加者間で演じてみて、どのように継続的かつ主体的な日本語学習につなげていけるかを考えます。どのような演目が使えるか、またどのような取り組みができるかも検討し、様々な可能性を見出しましょう
第二部「異文化理解を進めるピア・サポート~誰もが活躍できる社会を目指す~」
発表者 永田陽子(株式会社グローバルウィザス)
【要旨】ピア・サポートとは、仲間や同輩が相互に支え合い課題解決する活動です。我が国で進む多文化共生社会の中で、「多様性を受入れ、インクルーシブな環境を創る」ために、介護の日本語学習をサポートしている介護施設様と連携し、ピア・サポートの考えを取り入れた教育を実施しました。また、日本語学校での留学生同士のピア・サポートにより、安心安全な環境を提供しつつ、学生の主体性を引き出すことにつなげています。参加者の皆さまからこれら活動についてフィードバック、ご意見をいただき、今後のよりよい教育に活かしていきたいと考えています。
2021年度 第4回研究会「日本語学校が直面するICT対応の苦悩と将来対策」
2021年11月20日(土)14:00-16:00(日本時間)参加費無料、Zoomにて開催
<発表者>
宮崎里司(早稲田大学大学院日本語教育研究科教授)
鈴木貴之(㈱グローバルウィザス社長+I.C.Nagoya校長)
永田陽子(㈱グローバルウィザス部長)
【要旨】I.C.NAGOYAは、1983年から日本語教育を開始し、社会情勢の変化と共に変化する日本語教育や留学生の課題にも取り組んできました。2019年からは、コロナ感染症の影響により、ICTによるオンライン教育を含めた、さまざまな対応を迫られる中で、これまでの日本語教育には戻れない、ニューノーマル(新常態)な環境に適応しながら、日本語学校の存続を図っています。
今回の研究会では、今後の留学生教育について参加者のみなさんとともに考えていきたいと思います。
グローバルウィザス ホームページ https://globalwithus.co.jp/
※ I.C.NAGOYAはグローバルウィザスが経営する日本語学校です。
<プログラム>
1. 発表
2. 質疑応答
3. ブレイクアウトルームにわかれて、ディスカッション
2021年度第3回研究会
2021年9月4日(土)14:00-16:00 JST、参加費無料、Zoomにて開催
現役大学院生が現在進めている研究を発表してもらいます。発表者の方々は、まだ教師経験が少ないため、研究をどのように日本語教育の現場に還元するかなどについて、参加者のみなさんと意見交換できればと考えています。興味ある研究1件だけじっくり議論するもよし、3件を順にまわってアドバイスをするもよし、皆様の参加をお待ちしております。
〈内容〉
1.発表1
2.発表2
3.発表3
4.3つのブレイクアウトルームに分かれて質疑応答&意見交換(20分×3回)
発表1「公共サイン作成主体に求められる政策と作成者に求められる意識-市民リテラシーの観点をふまえて―」
高橋英一(早稲田大学大学院修士課程)
【要旨】本研究では、諸分野でわかりやすさに関する研究が行われている「公共サイン」について、特に日本語のわかりやすさという観点からの研究が少ないという問題意識のもと、公共サインをわかりやすくするために公共サイン作成主体に求められる政策や作成者に求められる意識を明らかにすることを目的としています。公共サイン作成主体である自治体関係者への、現状の作成実態に関するインタビューや、各自治体のガイドラインの調査から、作成主体に求められる政策について明らかにします。また、公共サインとは自治体関係者だけではなく誰もが作成する可能性があるという前提のもと、日本語母語話者と非日本語母語話者に対してアンケート調査を実施します。アンケートでは公共サインを作成するとしたらどんな公共サインを作るのかというような質問などを通して、作成者に求められる意識を明らかにします。そして、宮崎(2011)市民リテラシーの観点も踏まえ提言を行います。
発表2「非母語話者オンライン日本語教師の成長と課題―中国語母語話者教師への半構造化インタビューから―」
李沛勳(早稲田大学大学院修士課程)
【要旨】発表者は現在語学プラットフォームで非母語話者オンライン教師として働いています。コロナ禍によりオンライン授業が注目されるようになりましたが、実はコロナの前から既に盛んに行われており、オンライン教師がたくさん存在しています。発表者はオンライン教師をやっている時、勤務先のサポートが不十分であること、教師同士の交流が少ないこと等の課題を経験しています。そして、先行研究でもオンライン教師について言及されておらず、国際交流基金の報告にも統計に入っていません。そのため、今回の発表では、非母語話者オンライン日本語教師の成長と課題に着目し、彼らの実態をお話しようと考えています。
今回は中国語母語話者オンライン教師4名に半構造化インタビューをしました。非母語話者教師の視点から、彼らがオンライン教師になったきっかけ、オンラインならではの課題、オンライン教師になってからの初期、中期、現在の時間軸で聞き出し、縦断的な非母語話者オンライン教師の成長をインタビューで振り返ってもらいました。まだ研究途中ですが、今回はインタビューした内容を通してみなさんに少しでもオンライン教師の実態を知っていただければ幸いです。
発表3「オンライン授業における日本語学習者の第二言語不安とその要因とは―目標言語使用環境で日本語を学ぶ日本語学習者を対象として―」
筒井しおり(早稲田大学大学院修士課程)
【要旨】本研究の目的は、目標言語使用環境でライブ型オンライン授業(以下、オンライン授業)にて日本語を学習する日本語学習者が抱える第二言語不安の実態と、その第二言語不安に影響を与える要因を明らかにすることである。また、学習者はその第二言語不安をどのようにコントロールしようとしているのか明らかにする。
本研究では予備調査と本調査を行う。予備調査では、オンライン授業を受講している日本語学習者からどのような状況でどのような不安を抱くのか自由記述で回答してもらう。その際、その不安をコントロールしようとしているのか、その場合はどのような学習ストラテジーを用いてコントロールしようとしているのか、あるいはコントロールできていないのかも自由記述で回答してもらう。その後、自由記述して回答してもらった不安と学習ストラテジーをKJ法によって分類する。分類した不安の中から日本語不安尺度(元田2005)の教室不安の項目に加える項目を集める。本調査では、新たに項目を加えた尺度を用いてオンラインで学習する日本語学習者の第二言語不安を日本語能力別に測定する。最後に、本調査で得た第二言語不安と予備調査で得た第二言語不安に影響を与える要因の関係を分析する。
2021年度第2回研究会
2021年7月10日(土)14:00-16:00 JST
参加費無料、Zoomにて開催
〈発表〉
「オンライン化により生じた変化とその対応の検討 ~SMTアプローチ教室における半期授業の事例報告を通して」
吉村浩典(一般財団法人海外産業人材育成協会AOTS)
【要旨】発表者は産業分野の中級、専門日本語教育を主なフィールドとして活動しています。主に『みんなの日本語』等を用いつつ、『NEJ』等で実施されているSMTアプローチを取り入れて、実践的な言語運用能力の育成を行っております。今回は、SMTアプローチをオンラインで行ったことで見えてきた、「対話性」が教室環境でいかに再現されているかという言語習得の根幹部分についてお話しし、また大阪大学での『NEJ』オンライン授業実践の実例を参照しながら、皆で対面→オンラインの「変化した部分」と「それへの対応」について考え、互いに知識と経験を持ち寄る時間にしたいと思います。
〈内容〉
前半 オンライン授業でのSMTアプローチの取り組みについて
グループディスカッション
後半 大阪大学での『NEJ』オンライン授業実践の実例の紹介
グループディスカッション
2021年度第1回研究会
日時:2021年5月29日(土)14:00-16:00 JST
参加費:無料、Zoomにて開催
<発表>
「ラジオドラマ作りを通して考える演劇的アプロ―チの学びと可能性」
コロナ禍でオンライン授業がスタートした2020年度、発表者らは「ラジオドラマ作り」に挑戦しました。演劇的アプローチを使ったどのような取り組みが可能かという観点から、タイと日本の異なるフィールドでの実践を紹介します。ドラマが持つ〈想像力・創造力〉がアクティブ・ラーニングをどのように実現するかを考えます。
〈内容〉
1.発表1
2.発表2
3.ラジオドラマの視聴とQ&A
4.グループディスカッション
発表1「ドラマ作りを通して得た学びーオンラインだからやれたこと」
山本由美子(タマサート大学)
【要旨】発表者は、2016年度からタイの高等教育機関で「初級聴解会話」を担当してきました。2013年度から日本で行ってきた即興ドラマ作り「ストーリーを創ろう!」を行ったところ、ドラマ作りを通して学生が「ある瞬間、学習者であることを忘れて日本語を話し、他者と関わることができた」という手応えを感じました。昨年よりオンライン授業となり、「ラジオドラマ」でのドラマ作りを試みました。今年で2回目ですが、対面とは違う場面で発揮する学生の創造力と、やはり対面でやったときと同様に「日本語話者になれる瞬間を味わえる喜び」を感じました。学生の持つ創造力とそれを活かせる場としての演劇的アプローチの意義という面から考えたいと思います。
発表2「音声にフォーカスした活動の展開―シャドーイングからラジオドラマへ―」
伊吹香織(淑徳日本語学校)
【要旨】1年間のオンライン授業を通して、音声によるやりとりにフォーカスした指導と活動の実践報告を行います。実践は、1)シャドーイング練習、2)シャドーイング練習を発展させた口頭試験、3)口頭試験を発展させたラジオドラマ作りの3つです。オンライン環境の特性に着目し、ICTツールの活用に慣れていったことで、ミクロな視点での発音指導から、マクロな視点での表現活動へと展開していった様子を報告します。そして、日本語学習におけるラジオドラマ作りの意義と、ドラマが持つ〈想像力・創造力〉がアクティブ・ラーニングをどのように実現するかを考察します。
〈演劇的アプローチとは〉
演劇やドラマの表現要素や方法をとりいれることで、学びを実現させる教育活動。今目の前にいる他者との関わりからストーリーが生まれる。目の前の他者が変われば別のストーリーが生まれる。想像力が喚起され、創造力へとつながると考える。
2020年度 研究大会「オンライン教育で生きるアクティブラーニングの現在と未来」
2021年3月13日(土)10:00-16:40(日本時間)於:Zoom/Webinar
2020年は、コロナ禍にあって教育形態の変革が求められ、オンライン教育での授業活動の模索や学びのネットワーク作り、コミュニケーションの試行錯誤が行われてきました。従来の対面による直接的な交渉が行えない中で、主体的・対話的で深い学びを目指す「アクティブラーニング」はますます注目されています。本研究会では、これまでオンライン教育でのアクティブラーニング実現に向けて、議論を重ねてきました。混乱の1年を振り返り、オンライン教育とアクティブラーニングの現在と未来を考えます。
第6回研究会
2020年11月7日(土)14:00~16:00(日本時間)於:Zoom
前半は淑徳日本語学校の横田葉子先生にご発表いただきます。
後半は前半の発表をもとに、ディスカッションを予定しております。
今後も継続・発展が求められる日本語教育のオンライン授業について、意見交換や議論を行いましょう。
〈発表〉
「オンライン日本語授業の実践と課題―コロナ禍での緊急取り組みをきっかけに考える今後のオンライン日本語教育―」
横田葉子(淑徳日本語学校)
【要旨】発表者の勤務する東京都内淑徳日本語学校では、1週間の準備期間で4月はじめからオンライン授業を開始した。当初臨時的対応としての位置付けで開始したオンライン授業も長期化し固定化してきた段階で、様々な問題が噴出してきた。その問題にどのように対応してきたかという具体的実践と、異なる視点からの授業ではじめて見えてきた学習者の姿やニーズ(具体的個別ケース)をアンケート結果とともに発表する。
今後、対面授業に加えて大きな役割を果たすと考えられるオンライン教育の開発・発展を日本語教育関係者はどのように捉えたらよいか。実践現場において自らの役割をどう考えるか。それぞれの抱える課題・悩みへのヒントにしていただきたい。
〈発表者からのコメント〉
コロナ拡大により始まったオンライン授業は今まさに進行中であり、日々問題を生み出している。日本語教育の現場は様々であり、関係者のみなさんが「オンライン」をキーワードに自由に話し合い、自己と他者の悩みを共有し合う機会は重要だと考える。必ず新しい発見があるだろう。解決に至らなくとも、進むべき次のステップがみえてくることは確かである。
第5回研究会
2020年9月5日(土)14:00~16:00(日本時間) 於:Zoom
前半は本研究会代表の宮崎里司氏(早稲田大学教授)にご発表いただきます。後半は前半の発表をもとに、参加者がOST(オープン・スペース・テクノロジー)の手法でディスカッションを行います。今後も継続・発展が求められる日本語教育のオンライン授業について、意見交換や議論を行いましょう。
〈発表〉
「ICT型語学教育から見る、取り残されない日本語教育の未来予測:デジタル新興国のリープフロッグ型発展から何を学ぶべきか」
宮崎里司(早稲田大学教授・日本語教育アクティブラーニング研究会代表)
【要旨】海外の急速なオンライン型日本語教育の変革は、日本の日本語教育の未来予測を考える上で、さまざまな課題を炙り出している。これからの日本語教師に求められるグローバルな視点に基づく教育観や、今後、決して優位に立つ保証がない日本の日本語教育が準備すべき言語教育政策について考える。
第4回研究会
2020年7月4日(土)14:00~16:00JST 於:Zoom
来学期もオンライン授業が継続される可能性があること、また、今後オンライン学習が多くの教育機関で取り入れられていくであろうことを前提に、今学期の経験から浮かび上がった問題点やその改善策を検討していきます。OST(オープン・スペース・テクノロジー)は、そこに集まった参加者が自発的に課題を提起し、同時に行われるいくつかのセッションでのオープンな意見交換を通して、課題の解決策を探る方法です。今回は、ZoomのBOルームやPadletを活用して、自由な意見交換と問題・解決策の共有を行います。皆さまの授業内外での経験をもとにアクティブに話し合いましょう。
*タブレットでも可能ですが、パソコンでの参加を推奨します。
第3回研究会
2020年6月6日(土)14:00~16:00JST 於:Zoom
今回は、ZoomとEdmodoを使用してオンライン授業をしている高久孝幸さんに実践報告をしていただきます。後半は、参加者が小グループに分かれディスカッションする場にしたいと思います。春学期がスタートしてから、オンライン授業で出てきた問題を共有し、意見交換しましょう。
〈発表〉
「ZoomとEdmodoの融合遠隔教育―『何を学ぶか』から『どのように学ぶか』へ―」
高久孝幸
【要旨】本研究会では、私の勤務先である帝京平成大学附属日本語学校が、コロナ禍における緊急措置として実施したオンラインの融合遠隔教育実践について報告する。オンライン授業を実施するにあたり、考えたコンテンツは、Webビデオ会議用のZoomと教育用SNSのEdmodoである。Zoomは学生同士の「モデリング」機会の場とし、私は主にEdmodoに焦点を当て、その空間に学びの場をデザインした。さらに、学生が時間の制約に囚われることなく、学びを深めていける個別化学習へと誘った。まだ試行錯誤の段階ではあるが、本研究会において、上記2つのオンラインコンテンツの利活用を踏まえ、教師が学生一人ひとりの学びにどう寄り添うことができたか、学生の学びに「何」が起こったかなど、当校で考えられたオンライン授業がもたらした学習効果を報告できればと願う。
第2回研究会
2020年5月2日(土)14:00~16:00JST 於:Zoom、Black Board Collaborate
【内容】
ファシリテーター:井上
0.アイスブレイク:江森
1.実践紹介:工藤
自分が行った授業PPTをお見せしながら復習と練習内容の説明をし、そこから発展練習の内容を発表します。発展練習では主に口頭練習をさせることがメインとなっているので、ブレイクアウトを使った発表をどのようにさせたかをみなさんと共有したいです。
2.実践紹介:田中
日本語授業のオンライン化に伴い、PowerPointで作成した「みんなの日本語動画」サンプルの紹介、授業内での活用方法、動画作成のポイント等について発表します。
3.小ネタ披露!
授業で使っている(使えそうな)「小ネタ」やツールを紹介し合いましょう。当日飛び入り紹介もOK!みんなでトライしてみることもできます。
4.Zoom vs. Black Board Collaborate
ライブでオンライン授業を行うための2つのプラットフォームを比較して、どんな機能がどう使えるか、同じ部分、異なる部分、使いやすさ等を検討してみましょう。各自の授業活動にどうマッチするか、何ができるかなど具体的に検討できればと思います。
第1回研究会
2020年4月4日(土)14:00~16:00JST 於:Zoom
バックアップアプリ:Edmodo
Moodleのような教育支援アプリで、AL研究会では、議題や議事録の共有、皆さまの意見交換、資料の保存等に使用していきたいと思います。スタッフMTGの報告も見られます。良かったらご参加ください。
【内容】「オンライン授業」
オンラインミーティングアプリ「Zoom」を使用して研究会を行いながら、その機能の使い方に慣れていきます。実際の授業でどうやってコミュニケーションをスムーズに行い、クラスコミュニティ作りができるか(+「アクティブ」にしていけるか)、また、皆さまが抱えている不安や疑問なども検討していければと思います。
1.接続の確認とファシリテーター挨拶:江森
2.ウォームアップ:伊吹
3.オンライン授業報告:芹川(フランス)、光(アメリカ)、工藤(日本⇄中国)、山本(タイ)
4.Zoomのいろいろな機能を使ってみよう:江森
ブレークアウト・ルームでグループディスカッションと全体共有、+皆さまからの提案
5.クロージング:井上
*文献講読は行いません。
第5回研究会
2020年2月1日(土)14時~16時 於:早稲田大学 22号館8階第二共同研究室
①文献購読
『学習意欲をデザインする: ARCSモデルによるインストラクショナルデザイン』第9章
②発表
「ビジネスと教育の狭間でー特定技能介護士への挑戦ー」
上田潤子
【要旨】上田は、2019年3月より、某企業に派遣され、カンボジアの看護師有資格者たちを特定技能介護士として来日させるため、日本語教育を行っている。ビザを得るため①介護の日本語②介護技能(クメール語)③JFT-Basicの3つの試験に合格しなければならない。既に①②の合格者は出ているが、来たる1月25日に初めて③を受験する。果たして、結果は...⁉︎カンボジアより、スカイプで実践報告を行う。
第4回研究会
2019年12月7日(土)14時~16時 於:早稲田大学 第一共同研究室
①文献購読
『学習意欲をデザインする: ARCSモデルによるインストラクショナルデザイン』第8章
②話題提供者:岩崎浩与司
【要旨】スマートフォンを活用した日本語メディアクラスの実践を紹介します。日本のニュースを調べ、PadletとGoogleドキュメントを利用して意見をまとめ、発表する活動を行いました。この事例をもとに、日本語教育のアクティブラーニングにおけるスマートフォン活用について、皆様とディスカッションできればと思います。
第3回研究会
2019年10月5日(土)14時~16時 於:早稲田大学 22号館8階 第一共同研究室
①文献購読
『学習意欲をデザインする: ARCSモデルによるインストラクショナルデザイン』第7章
②発表
「仮題:会話学習は何を目指すのか―学習者・教師・日本人の「上手」観 比較から見える教育課題―」
杉本美穂・伊勢みゆき
【要旨】学習者は日本語が上手になるために学習を続け、教師は学習者の上達をサポートするために教室活動を展開している(ハズです)。そしてそれが実を結んでいけば、学外でも一般の日本人から「日本語が上手だ」と褒められる学習者もいるでしょう。しかし、「日本語が上手」とは一体どのようなことを指すのでしょうか。学習者自身・日本語教師・一般の日本人の「上手」観は合致しているのでしょうか。
そもそもこのような疑問を持ったきっかけは、「〇〇さん、コミュニケーションは巧いんだけど、テストできないんだよね~」的な“教師アルアル”がなぜ起こるのか、私たちが教え評価する要素と日本語話者としての感覚にはどこかズレがあるように感じていること、また、学習者が目指すところが私には明確にイメージできていないことに端を発しています。
そこで、今回、日本語技能のうち特に会話能力に焦点を当て、学習者(上級レベル)・教師(調査協力学習者の担任教師)・一般日本人(大学院生)を対象にインタビューを行い、OPIのレベル判定基準と対照しつつ、それぞれの立場から観る「会話上手」要素の抽出を試みました。これを通じ、学習者と教師がともに目標を共有した上で、より意欲的に教室活動に取り組めるようにする方向性を模索したいと思います。
第2回研究会
2019年6月1日(土)14時~16時 於:早稲田大学 22号館 8階第一会議室
①文献購読:『学習意欲をデザインする: ARCSモデルによるインストラクショナルデザイン』6章
②話題提供:工藤祥仁
「私の実践報告:マレーシア・マラヤ大学予備教育部(日本留学特別コース)とINTEC Education College(日本留学コース)での実践より」
【要旨】私は、2015年から2017年までマレーシアの大学付属の予備教育機関で日本の大学や高等専門学校を目指す現地学生に対する日本語指導を行ってきました。発表では、その実践現場がどのような教育機関なのかという基本的なことから、実際に現場で起こった問題や他の教員と実践・議論したことを報告させていただきます。そして、その実践や議論から感じたことや考えたことも同時に発表させていただきたいと思います。
第1回研究会
2019年4月6日(土)14時~16時 於:早稲田大学 22号館 8階第二会議室
①文献購読
『学習意欲をデザインする: ARCSモデルによるインストラクショナルデザイン』第5章
②話題提供:伊吹香織
「『アクティブ』な授業を行うための一工夫:あるクラスの話す活動を検討することから」
【要旨】とある日本語学校のとあるクラス(実在)では、教科書を使用しない活動型の授業をメインにした実践を行っています。私が担当する金曜クラスでは、主に口頭運用能力を伸ばすための話す活動を行っています。昨年度1年の活動の反省点を踏まえ、今年度の活動でどのような工夫ができるかを一緒に考えながら、各自の実践について振り返る機会にできればと思います。
第4回研究会
2019年2月2日(土)14時~16時 於:早稲田大学 22号館 8階第二会議室
①文献購読
『学習意欲をデザインする: ARCSモデルによるインストラクショナルデザイン』
4章~7章を読む予定です。
②発表
「ベトナムの大学における日本語教育分野でのアクティブラーニング応用の状況」
ミン・アイン(ベトナム国家大学日越大学修士課程)
【要旨】ベトナムの大学においてアクティブラーニングを導入していますが、北部と南部の各大学の状況は差があるので、色々な失敗例と成功例を紹介します。それから、先生方からご意見など頂きたいと思います。
第3回研究会
10月6日(土) 14:00~16:00 於:早稲田大学22号館8階 第一共同研究室
①発表
「それぞれのアクティブラーニングを考えよう」
鈴木修子
【要旨】9月8日早稲田にてアクティブラーニングについて、横溝紳一郎先生のタイムリーな内容の講演がありました。そのダイジェスト、他をご紹介し、皆様とそれぞれの現場に生かす、アクティブラーニングとは何かを考えていくための話題提供をさせていただきたいと思います。
②文献購読
『21世紀型スキル: 学びと評価の新たなかたち』後半 (4〜6章)
21世紀型スキルの政策、実践を読み解きながら、アクティブラーニングに結びつけたディスカッションができればと思います。
第2回研究会
6月2日(土) 13:00~15:00 於:早稲田大学22号館8階 第二共同研究室
①文献購読
『21世紀型スキル: 学びと評価の新たなかたち』1〜3章
今回は文献をもとに「アクティブラーニングと能力観」についてディスカッションできればと思います。
第1回研究会
4月14日(土) 13:00~15:00 於:早稲田大学22号館8階 第二共同研究室
①文献購読
『アクティブラーニングと教授学習パラダイムの転換』
「第5章 揺れる教授学習観一一筆者のリプライ」
②実践報告
「日本語学習者の自己表現を促すためのWeblog活用の可能性」
高久孝幸
【要旨】従来の学習観として考えられてきた情報や知識の一方向的な詰め込み、一律的な授業スタイルからの脱却を図るため、学習者が他者との関係性の中から気付きを起こし、学習者が他者との協同で学びを築き上げていく場を考えた。近年その動きが日本語教育機関において見られるようになってきたというものの、未だ一斉授業の考え方は抜けず、従来の授業スタイルが日本語教育機関で蔓延っている。学習者たちは毎日の時間的制約に縛られ、「教えられる」という受身的な立場に置かれている現状がある。これにより、日本語学習の本質的な「自己表現」の力は弱まってしまう一方だろう。そこで本研究では、「いつでもどこでも」「誰でも手軽に」行えるWeblog(以下、ブログ)を使用し、その空間を大いに活用し、学習者自身が自己の経験から感じたこと、伝えたいことを他者に向け表出していく。また、学習者が何を経験し、何を学んでいくのか、どのように他者との関係を築いていくのかをブログ上の読み手とのやり取りやクラスメイトとの「相互自己評価」で突き詰めていく。これらの観点から学習者たちが本活動を通し、自己を表現していくために、自らをどのように変容させていくかを追究していく。
第4回研究会
1月27日(土) 13:00~15:00 於:早稲田大学19号館8階815-1共同研究室
①文献購読
溝上慎一『アクティブラーニングと教授学習パラダイムの転換』
第4章「アクティブラーニング型授業の質を高めるための工夫」
②実践報告
「日本語教育とCSCL(Computer Supported Collaborative Learning)」
岩崎浩与司
【要旨】近年、教育実践や学習者の学習においてコンピューターなどの電子メディアを使うことは当たり前になっていますが、本発表ではコンピューターの教育利用を協働学習・協調学習の視点からとらえるCSCL(Computer Supported Collaborative Learning)と日本語教育の関係について、実践報告をまじえて考えてみたいと思います。実践報告では、発表者が大学の読解作文クラスの授業で協働学習を促すために電子メディアをどのように使ったかを中心に紹介します。そして、研究会参加者のみなさまと日本語のアクティブラーニングを促すために、電子メディアなどの道具をどのように活用できるのかについてディスカッションをしたいと思います。
第3回研究会
10月14日(土) 15:00~17:00 於:早稲田大学
【内容】
①文献購読
『アクティブラーニングと教授学習パラダイムの転換』
「第3章 さまざまなアクティブラーニング型授業」
②実践報告
「小・中学校における児童・生徒が自ら考える租税教室の試み~アクティブラーニングの概念を取り入れて~」
植草浩史
【要旨】今回の発表では、発表者が税理士として東京税理士会練馬東支部で行っている租税教室の実践についてお伝えいたします。昨年度から導入した参加体験型授業の趣旨やそれに対する児童・生徒の反応などをお話しできればと思っております。
第2回研究会
7月29日(土) 15:00~17:00 於:早稲田大学
①文献購読
溝上慎一『アクティブラーニングと教授学習パラダイムの転換』
第2章「なぜアクティブラーニングか」
②発表:宮崎里司 (早稲田大学大学院日本語教育研究科教授)
「e-learningを言語教育政策から問い直す意義」
第1回研究会
2017年4月22日(土)15:00~17:00 於:早稲田大学
第4回研究会
1月14日(土) 15:00~17:00 於:早稲田大学
1.実践報告
「 今日の一言 -文型シラバス初級クラスにおけるアクティブラーニングの試みとして」
杉本美穂(早稲田大学日本語教育研究センター)
藤田百子(早稲田大学日本語教育研究センター)
2.文献購読
『アクティブラーニングと教授学習パラダイムの転換』(溝上慎一著)第1章
第3回研究会
11月12日(土) 15:00~17:00 於:早稲田大学
第2回研究会
6月11日(土) 15:00~17:00 於:早稲田大学
第1回研究会
4月23日(土) 15:00~17:00 於:早稲田大学