線形代数 2023春

時間: 火曜3限 13:00-14:30

場所: Ω11

担当: 金沢篤 (総合政策学部)


[講義概要]

線形代数の基礎事項に関して講義する. 線形代数はベクトルと行列に関する理論であり, データサイエンス, 経済学, 工学など幅広い分野で基礎となる数学である. 実際, その強力な手法と幅広い 応用ゆえ, 線形代数は微分積分と合わせて大学数学の2本柱と位置付けられることが多い. 本講義では, 線形代数の基本的な考え方を代数と幾何の両面から解説する.


[参考書]

講義ノート
講義において参考書を持っていることは仮定しませんが, 復習・自習用に参考書を一冊持っていると便利です.  線形代数に関する本は数多く出版されていて, 次のようなものが標準的です: 

(1) 川久保勝夫, 線形代数学(新装版), 日本評論社. 

(2) 三宅敏恒, 入門線形代数, 培風館. 

(3) 志賀浩二, 線形代数30講, 朝倉書店. 

(4) 斎藤正彦, 線型代数入門, 東京大学出版会. 


[成績評価]

レポート6回60点 + 期末試験40点で成績をつけます. 

不正行為は厳しく処分します. 


[連絡先]

atsushikあっとまーくsfc.keio.ac.jp 

気軽に質問等をメールしてくれて構いません. 


[講義記録/予定]

4/11 第1回: 講義概要, ベクトル, 行列

4/18 第2回: 行列演算, 非可換性, 零因子, 正則行列, 逆行列

4/25 第3回: 写像(定義域, 値域, 単射, 全射, 合成, 逆写像), 線形写像, 例(拡大縮小, 鏡映反転, 射影)

5/2 第4回: 例(回転), 線形性, 線形写像の合成と行列の積, 同型写像と逆行列

5/9 第5回: 連立一次方程式, 係数拡大行列, 行基本変形, 掃き出し法,階段行列, 階数, 簡約化

5/16 第6回: 解の存在 (一意, 不定, 不能), 掃き出し法による逆行列の計算

5/23 第7回: 行列式(2,3次の場合, サラスの方法), 置換(合成, 逆置換, 巡回置換, 互換, 符号) 

5/30 第8回: 行列式の定義, 符号付き体積, 基本性質(転置不変性, 交代性, 多重線形性)

6/6 第9回: 乗法性, ブロック行列, 余因子展開, 余因子行列

6/13 第10回: ベクトル空間, 部分空間, 共通部分, 和空間

6/20 第11回: 一次結合, 一次独立/従属, 基底, 次元

6/27 第12回: 固有値問題, 固有値, 固有ベクトル, 固有多項式, ケーリー・ハミルトンの定理

7/4 第13回: 行列の対角化と応用

7/11 第14回: 講義総括, 期末試験

7/18 第15回(補講): 内積, 正規直交性, グラム・シュミットの正規直交化法, 計量線形性, 直交行列