数学の拡がり 2018
時間: 火曜4限 15:00-16:30
場所: 1号館 103教室
担当: 金沢篤 (京都大学理学研究科/白眉センター)
[連絡事項]
期末試験お疲れ様でした. 講義で学んだことをこれから様々な場面で活かしてくれることを願っています.
[授業の概要・目的]
「数学の世界」で紹介した話題の発展および新しい話題について, それらの背後にある数学を解説する. 「数学の世界」よりも. 少し高度な話題になるが, 初等整数論や暗号理論等とりつきやすいものにしてある. また公開鍵暗号等の仕組みを理解することで数学と社会の関わりにも目を向ける. また初等整数論や暗号理論の歴史についても触れたい. この科目を受講することによって数学の基本的な考え方を深め, 数学の拡がりをより実感できるようになる. 情報科学への応用を意識した講義を行う予定である.
[到達目標]
数学の基本的な考え方を深める. 的思考力(課題発見力, 論理的分析力), 数学に関するスキル(直観力, 問題解決力, 数学的素養)を身につける.
[教科書/参考書]
毎回プリントを配布する。
また講義資料はmoodleに毎週アップする.
参考図書: 暗号解読, サイモン・シン著, 新潮社
[成績評価]
定期試験100%. 出席点はありません.
定期試験は講義後半の演習問題を元にして作りますので, 必ず演習問題を解けるようにしておいて下さい.
[注意事項]
通常の講義(1時間)の後に30分程度の演習を毎回行う. 成績には関係ないが必ず演習に参加すること.
POSTで試験日程の発表があるので, 必ずPOSTを確認すること.
筆記用具以外の持ち込みは禁止. 試験開始10分前には着席し静粛を保つこと.
[連絡先]
akanazawaあっとまーくmath.kyoto-u.ac.jp
気軽に質問等をメールしてくれて大丈夫です.
ただ講義後に直接声を掛けてもらうのが一番簡単です.
[講義記録/予定]
4/10 第1回: ピックの定理1: (凸とは限らない)格子多角形の面積の計算
4/17 第2回: ピックの定理2: ピックの定理の応用, 格子正n角形の存在問題, 背理法
4/24 第3回: 素数1: エラトステネスのふるい, 素数の増え方, ゴールドバッハ予想
5/1 (木曜授業振替)
5/8 第4回: 素数2: 巨大な素数の作り方, 双子素数, Yitang Zhangの定理(2013年証明), メルセンヌ素数
5/15 第5回: 整数1: 完全数とメルセンヌ素数の関係, 等比数列の和公式, 最大公約数と探索法(暗号理論の準備)
5/22 第6回: 整数2: 最大公約数(続き), ユークリッドの互除法, ディオファントス方程式
5/29 第7回: 整数3: 誕生日あて, 天秤と重り, 2進法
6/5 第8回: 整数4: 天秤で重さを量る, 2進法と応用, 3進法, 平衡3進法, 変形割り算
6/12 第9回: IDナンバーと合同の数学, チェック・ディジット・スキーム, 学生番号, ISBN, 合同式
6/19 第10回: (地震の影響で休講)
6/26 第11回: 暗号1: シーザー暗号, シフト暗号, 暗号の歴史
7/3 第12回: 暗号2: 置換暗号, ヴィジュネル暗号, 頻度分析
7/10 第13回: 暗号3: エニグマ暗号, 公開鍵暗号, RSA暗号, フェルマーの小定理とオイラーの定理
7/17 第14回: 社会と数学: デジタル署名, ハッシュ関数, ブロックチェーン(分散型元帳), ビットコイン
7/24 第15回: 総復習+期末試験への準備
7/31 期末試験 515教室 14:30-15:30.