線形代数続論 2018

時間: 金曜3限 13:00-14:30

場所: 吉田南総合館 共南11教室

担当: 金沢篤 (京都大学理学研究科/白眉センター)


[講義の概要・目的]

線形代数学は数学諸分野のみならず自然科学, 工学などの領域の共通の基礎である. この講義では線形代数学(講義・演義)A, Bをさらに発展させて, 行列の対角化, ジョルダン標準形等のより進んだ内容について証明も含めて解説する. 学生の興味に応じて関連する話題についても触れたい. 


[講義内容]

1. 行列の対角化: 固有値問題, 固有空間分解, 計量ベクトル空間, エルミート行列, 正規行列のユニタリ行列による対角化, 二次形式 

2. ジョルダン標準形: 一般固有空間分解, 冪零写像の標準形, ジョルダン分解とその応用, 行列の冪/指数関数, 線形常微分方程式

3. 関連トピック: 極分解, 特異値分解, 単因子論, 双対空間, ...


[講義ノート・参考書]

講義ノート

線形代数学(新装版); 川久保勝夫著, 日本評論社

講義において教科書/参考書を持っていることは仮定しない. ただし復習・自習用に参考書を上記の本でなくても一冊持っていることが望ましい. (より進んだ内容について勉強したい人は, 線形代数の世界(斎藤毅著 東京大学出版会)などを参照のこと.)


[成績評価]

中間試験30点 + 期末試験70点. 


[連絡先]

akanazawaあっとまーくmath.kyoto-u.ac.jp

気軽に質問等をメールしてくれて構いません. 

ただ講義後に直接声を掛けてもらうのが一番簡単です. 


[オフィスアワー]

時間は特に指定しないので, メールで予約をして下さい. 


[演習問題/レポート問題]

演習問題1

演習問題2

演習問題3

演習問題4

演習問題5

中間試験 (解答)

レポート問題 (解答)

"宿題" (解答)


[講義記録/予定]

4/13 第1回: 線形代数学A, Bの復習(主に基底の取換, 線形写像の行列表示), 固有値問題. 

4/20 第2回: 固有空間, 固有多項式, 固有ベクトルの一次独立性, 固有値の重複度と固有空間の次元, 対角化. 

4/27 第3回: 対角化の主定理, 三角化(Schur分解), Cayley-Hamiltonの定理. 

5/4 (みどりの日)

5/11 第4回: 計量ベクトル空間, Schwarzの不等式, Schmidtの正規直交化法, 直交分解, 計量線形写像と直交行列. 

5/18 第5回: エルミート内積, ユニタリ変換, 固有ベクトルの直交性, エルミート行列と正規行列の対角化. 

5/25 第6回: 正規行列の性質と応用, 双線形型式, 実二次形式の標準形, 不変部分空間. 

6/1 第7回: 冪零部分空間, 安定像空間, 冪零部分空間と安定像空間による直和分解, 一般固有空間と固有多項式. 

6/8 第8回: 一般固有空間による直和分解, 冪零写像によるフィルトレーション, ジョルダン図形. 

6/15 第9回: 中間試験

6/22 第10回: 中間試験の解説+α

6/29 第11回: 第8回の復習, 冪零写像の標準形, ジョルダン標準形. 

7/6 第12回: (大雨のため休講)

7/13 第13回: ジョルダン分解, 行列の指数関数, 線形常微分方程式, 分解定理(極分解, 特異値分解). 

7/20 第14回: 分解定理続き, 講義の復習と関連する話題. 授業アンケート. 

7/27 期末試験: 13:00-14:20, 80分 (開始10分前には着席していること)

8/3 第15回: 期末試験答案返却 +ε