御砦が主人公の創作、『正義に最悪の酬いを』
御砦を始めとした、悪たちの逆襲劇。
でも正義とされる彼らは、あくまで独よがりの多数派。勝手に御砦を悪に仕立て上げた外野。真の正義とは程遠い。
でも、彼らは”正義“だった。世界から見て、確かに正義だった。
でも、その正義に御砦は疑問を覚える。
御砦を拾った里親は所謂支配者で、暴君。罪がバレた時に息子である御砦に罪を擦り付けたほど。その時に御砦は絶望して、極度の人間不信の入り口に立たされたんだよね。
正気を保てなくなり、恐怖のまま、絶望のまま、本能のままに親を刺殺した。
それから御砦は罪人扱いされる。親殺し、穢れた血。
子を見捨てる親、果てには悪事を働いていた暴君。こちらの話など聞いてくれない”正義“たち。
御砦が人間不信になるまで時間は要さなかった。
でも、ほんの少しだけ希望はあった。御砦自身は希望じゃなかったかもしれないけど。
御砦は思ったより悪人ではないのでは?と疑問を持つ者が現れる。
それが散雨利眞、芽斬。
利眞は元々大人しくて、自分の意見を言えない子だった。でも、利眞の正義感は確かに存在してて、それは御砦に向けられた。御砦のことを何も知らないで指を差す輩が許せなかった。今回こそ、自分は強くなるんだ、と御砦の味方をする。そして、利眞も”悪“と成る。
芽斬は優秀な研究者、その実力は驚異とされていた。
名前は、当時匿っていた居場所のない女の子からもらった名前。音だけで、漢字は自分でつけてる。
芽斬は、ただ面白そう〜って気持ちもあったけど、心のどこかで御砦に向けられる悪意識に違和感を持っていたのかもしれない。
御砦を悪だと言うには、あまりにも純だった。御砦は悪だとは言い切れない。
そんな3人は、”正義“に立ち向かう。そんな3人を見て、手助けをする人、廻舞楼 帝が現れる。
帝は、元々は支配者であった。
過去に”英雄“に討たれた支配者。以降、姿を消している。
御砦たちの前に姿を現すときも、正体を隠したままだった。
でも途中で姿をあらわにするんだよね〜!
悪の力は、こんなもんじゃない。と。
彼らに教えたのは、ある特別な力。過去の支配者、廻舞楼が持っていた力。
悪は、悪らしくいよう。正義に立ち向かおう。
彼らは悪でいることに覚悟などとっくにしていて、だからこそ立ち向かって、自由を求めて。