元は人気な開発者、今は恐れられている元首
自身の開発したものを投与しており、見た目年齢は20代後半で止まっている
普段は大人の余裕を感じさせる穏やかな口調、国民を鼓舞する際は強気な口調になる。
しかし実際は残酷な性格。
倫理観が欠如している上に、頭も優れているため、残酷なことを思いついてしまうし平気で実行する。
選民思想も持っており、どうしてもいうことを聞かない国民、本人曰くなんの成長も見られない国民は武力行使で排除している。
また、実の息子を国家の傑作とした生物兵器にすることも厭わない。
成績優秀、人当たりもよく頼りにされてきた。
その万能な彼を尊敬する人はいたが、尊敬するあまり距離を置く人が多く、まさに天才ゆえの孤独だった。
一人の人間として接してくれる人がおらず、本人的には少し寂しい思いをしていたが、次第に慣れ、今は特に嫌な思い出とも思ってはいない。
利一の妻である千花は、利一を一人の人間として接し、便利な存在でもなく、上の人として距離を置くこともしなかったため、当時の利一は戸惑うとともに惹かれていく。
…あの幸せな思い出は忘れてしまったのだろうか、または覚えているからこそなのだろうか。
病気で寝込んでいる千花を一室に半幽閉状態にし、今自分がしていることも話さず、ただ権力に溺れ残酷なことを続けている。
「あいつの政治はまるでダメだな。俺が代わってやろう」
「国をまとめるなんて簡単だ。思考を少しいじるだけでいい。逆らう者は取り押さえ、思考を修正するのみ。被験者にしてもいい、それができない状況であれば最悪首を飛ばす。いわゆる間引きだ!残った洗練された国民でまた再形成していくんだよ!まぁしかし、これは俺の頭脳と実力から成せるものだ。別に先代の元首が無能だなんて言わない。ただ、さらに出来のいい元首が俺だから代わってやったということだ」
「零!成人おめでとう!いやぁー、よくここまで立派に育ってくれた!親孝行もしてくれていて自慢の息子だよ!今後も活躍に期待してるぞ〜!!」
「君たちはこの世の常識を疑ったことがあるか?その常識は数ある歴史から学び得たものも多いだろう。しかし、それに囚われてばかりでは良くないとは思わないか?世界は変わり続ける。もちろん我々も変わり進化し続ける。それに合わせて思考も変えなければならない。さぁ!!共に頑張ろうではないか!!過去の素晴らしき我が国を模範にしつつ、今の我々の力で更に上へと登り詰めよう!!」
「なんの変化も成長も見られない、過去に囚われた哀れな奴らだ。まぁいい、来世に期待しよう」
「零と私が似ていない?ああ、そうだね。零は父の私ではなく母親似だ。強いていうのであれば、目元は私と近いと妻が言ってくれたことがある。どうかな?ちゃんと血の繋がっている親子だよ」