実の親である支配者を殺した罪人
”正義”に強い憎しみを持っている
過去のせいか、かなりの人間不信。誰かと協力するという行為が苦手であり、全て1人でやろうとする。
必要な場合は協力もするが、彼次第で逆もあり得る。
物心つく前から親とは離れ離れになっていた。言ってしまえば捨てられてしまったのだ。
捨て子を預かる場所に預けられており、そこの人曰く、とても育てられる環境ではなかったから、と伝えられたそうだ。
”親がいない”という一つの事柄で多くのダメージを受けるわけだが、彼は背負っていく覚悟をしていた。
ある日、一組の夫妻が訪れた。その夫妻は、国のトップに君臨している者たちであった。
当時の幼い御砦はそれをよく分からずにいたが、その夫妻に里親になりたいという旨を伝えられた際、とても喜んだ。自分にも家族が、親ができるんだ、と。
———支配者は、悪人であった。国を、平和のためにつくられた法律を、全て壊したのだ。
その悪事はじわりじわりと、平和な国を侵食していった。気づかれぬよう、ゆっくりと壊していった。
私利私欲による、めちゃくちゃな国政を進めたのだ。
悪事は、いつかはバレてしまうものだ。悪者は、正義によって討たれてしまう。
数々の正義たちが牙を向いた。怒りによる矛先を、容赦無く向けた。
悪者は困り果て、そこにいた息子、御砦に罪を擦りつけようとする。
どうして……?自分は、愛されてはいなかったの……?
絶望と悲しさと、怒りが混ざる。頭に渋滞した負の感情は、少年を”悪”に突き落とした。
理性を失っていたのか、気がつくと眼前には血溜まりがあった。
”親殺しの極悪人”
彼が後に言われる言葉だ。支配者である前に、親。それを殺した極悪人。そして、罪人。
———1人の”英雄”が口を開いた。「この国を立て直しましょう。罪あるものは罰し、更生させるのです」
「救われなくたっていい。救世主にでもなったつもりか?どうせそれも正義となった己に酔っているだけだ。だから俺は俺自身で幸せを掴み取ってみせる」
「信用ならねぇんだよ…何もかもが…!!」
「ああそう。よかったな。悪いけど、それしか言えねぇし、言わねぇよ」
「俺は復讐のためだったらなんだってやる。やってみせる!!」
はからんさん宅、フィリアちゃん
真面目で努力家で、民のために王であり続けるフィリアちゃんにとても好感を持っている。
次第に恋情へと変わるが、慣れない感情に戸惑いも見せる。彼女の力になりたい。