死神であるが、現在は人間界に姿をくらましている
女物の服装を纏っているが、性自認は男である
妖艶で、物腰柔らか。人間に対しても友好的。
他者思いで、身内には特にその思いが強く、故に自己犠牲の方向へと向かいがちである。しかし、自分を犠牲にしきれない事も分かっており、苦しむ原因となっている。
そして可愛いものが好き。現在の格好も、可愛いと思ったから着ている。女性になりたいわけではない。
”シェズ・デンクルトフ”という名は、偽名である。本名は”シェズ・セリスティラ”。
彼が偽名を名乗る理由は兄を守るため———しかし、”逃げ”とも取れてしまうものだ。
兄のクライアノ・セリスティラとは仲が良く、兄弟でいつも一緒にいた。
兄弟揃って女物の服装をしているが、これはシェズが始めたものである。
兄さんは美人さんだから似合うだろう、と、自身が好きであったドレスをクライアノに見せる。クライアノはふと笑い、許諾した。
兄とお揃いになれたこと、また自分の好きな服に包まれたことに喜びを覚える。
姿を消し、髪色、目の色、名前でさえ変えた今も服装は変わらぬままだ。色は変わっているが。
そんな兄が、誰よりも大好きで———。
ある日、死神の上位に位置する神から告げられる。
「死神を1人、消すことになった」
———!?
「正確に言うと吸収だ。全てが消えるわけじゃねぇから安心していい」
———。
兄がシェズを庇おうとした。シェズが消されぬよう、自分が消えると言うのだ。
———嫌だ、嫌だ!!
少しした後、シェズは姿を消す。姿も名前も何もかも変え。
兄は自分を探すかもしれない。でも、それで兄が消えぬのなら———。
いっそ、ここで自分が死んでしまえば事は片付くのだろう。
———誰か、殺してはくれないだろうか。
「私はシェズ・デンクルトフ。ああ、彼らスキリオス……走狗の飼い主だ。私たちのことはゼオスティモリア、と呼んでくれたらいい」
「俺は一応男なんだけどなぁ、彼らは見知らぬ怪しい女だと思ったみたいだね。それもまぁ仕方ないか、これ確か女性の服装だもの」
「あいつら……スキリオスは、私に従うようには創ってないからね。しかし強さは絶大で確実だ。そのバケモノを私の走狗にする。……いつか、俺を殺すほどになってくれたらいいんだ。自分じゃ死ねないから。支配に嫌気がさして殺してくれ」
「俺のことが綺麗に見える?そうか、嬉しいな。……綺麗でしょ?この服。お気に入りなんだ」
はからんさん宅、アスクレピオスさん
医神としての役割を果たすとこ、また戦に立ち向かうところなど、強いアスクレピオスさんにシェズは憧れを抱いている。
自分もああなれたらいいな、と思うと同時に、彼に寄り添いたいし、寄り添ってもらいたいという思いも底に存在している。