宝石でできた種族【ジュエム】の祖、【ジュエマーリ】
片割れの呪玉が消えた今、新たなジュエマーリを欲しているようだ
時に慈愛を、時に残酷を与える存在。その狂気を孕んだ性格には、世界を知らぬ幼子のような危うさを感じさせる。一言で表すのなら、力を持った幼子だ。
彼女の行った悪事の全ての動機は実に純粋であった。これからもそうだろう。
ジュエマーリの片割れである呪玉とは仲が良かった。家族も同然で、魅玉は呪玉を今も強く愛し続けている。
呪玉はブラックダイヤモンド、魅玉はダイヤモンド。呪いの宝石と呼ばれた呪玉を庇うように、魅玉が表だったジュエマーリ、ジュエムの王として君臨していた。今もそれは変わらない。
裏舞台に閉じこもっていた呪玉があるジュエムの姉弟と仲良くなっていたらしい。孤独感が紛れているといいな、と魅玉は見守っていた。
———それも束の間だった。呪玉と姉の方のジュエムが姿を消す。弟のジュエムは孤独になった。
呪玉に何があったのか、それを理解するのに時間を要してしまい、手遅れとなってしまう。
言ってしまえば、呪玉は死んだのだ。
魅玉は考える、どうしたらいいのかを。どうしたら、また呪玉と輝かしい日々を過ごせるかを。
魅玉は、哀しさを輝きで葬り去ってくれるようなジュエムの新王を欲した。
あるジュエムが生まれ落ちる。
そのジュエムの片目は哀しみを帯びた青色を持っており、もう片方の目には呪いとすら呼ばれる妖艶な黒い輝きを秘めていた。
「私はダイヤモンド、名は魅玉と言う。king d-a、そしてジュエムの祖であるジュエマーリだ。お前は、ダイヤモンドと聞いて何を思い浮かべる? 魅力的な宝石の王か、何よりも硬い固体か。実を言うと、どちらも間違っていないんだ。見方によって変わる七色の輝きは、私も誇りに思う要素だとも」
「私は、寂しかったんだ。そう、その孤独を、悲劇を消し去るためにここまで来たんだ」
「取り戻そう、あの輝かしい日々を! 豪奢で、誰もが羨み求めるあの輝きを!」
「お前は何も悪くない。むしろ素晴らしい生命体だ。だから私もお前を欲した。お前の輝きに魅了されたんだ」
はからんさん宅、メルカイアスさん(&ララちゃん)
ずっと孤独であった魅玉にとっては、この世界そのものに好奇心を抱くぐらいであり、学者であるメルカイアスさんの研究にも強く興味を抱いている。彼には色んなことを質問しているようだ。丁寧に分かるまで教えてくれるメルカイアスさんが大好きである。
メルカイアスさんが作ったララちゃんにも興味を抱いており、可愛くて癒される大切な存在だ。
魅玉曰く、宝石のように綺麗で可愛い子。