廃墟と死体を好む、KING d-a の男
他にも宝石が好きなようだが、自身のことは好きではないようだ
自己への肯定感が低いが、冷静。実は寂しがりで、誰かと共にいたい。孤独が嫌い。
相手を否定することは滅多にないが、特別肯定をするわけでもない。必要な場合は肯定する。
生まれた時からずっと一緒にいる姉の綺良ことが大好きであった。優しくて、前向きで、弟思いな姉が、何よりも大好き。
育ての親である呪玉のことは、正直苦手意識を持っていた。呪玉は否定的で、姉が前向きな発言をしても、呪玉が台無しにすることも少なくなかったためだ。
当たり障り無い日々。多少好きや苦手があっても、楽しい日々であることは間違いなかったのだ。
———奴が”事”を始めるまでは。
詳細はわからないが、少しの外出の間に惨劇が繰り広げられていたらしく、帰ると遺体がそこにあった。
姉も、その遺体の1つとして地面に転がっていた。
……呪玉が、いない。
…………嗚呼。
事を察し、憎しみが広がる。姉を、姉を…………。
牙來は、美しい姉を自身の宝石に閉じ込めた。誰にも奪われないように。そう、誰にも……もうこれ以上は……。
憎しみ、そして寂しさ、孤独感、無力さに襲われる。何年も、何十年、何百年も、それらは纏り続けることになる。
「ここにある人間たちだって、最初は綺麗だった。あァ、オレが汚した。汚し尽くしたんだ」
「モルガナイトは綺麗で、愛らしくて、儚い。この美しさは、確かにそこに居たはずだったのにな」
「怒ってはないが、アナタの価値観は疑うよ。いくら綺麗に着飾ろうとも、汚れが際立つだけだと自覚したほうがいい」
「人間を殺したいわけじゃない。むしろ、孤独を埋めてくれるのなら生きてほしい。ただ、どう考えても不可能なんだ。時間も、感情も、生き方も、全てがオレと違う」