純白を持つ一族の異端児
反抗の意も込めて、白い服は着ないようにしている
家族からの虐待と冷ややかな目、周囲からの好奇の目により、エンデはかなり人間不信になっている。それ故に、口調も乱暴で攻撃的。
所作も粗暴であるが、これは由緒正しきスチュワノール家への反抗でもある。
あんな奴らに負けたくない、その一心で現在の性格が出来上がっており、根は純粋で善良な人物である。
純白を持つ一族がおり、その美しさから白鳥と呼ばれてさえいた。
そんな一族に産まれ落ちた異端児、それがエンデ・スチュワノールだ。
純白は愚か、漆黒にも成りきれない濁った色で、なけなしの白い部分でさえ、どこか異端を思わせる様であった。
家族からは忌み嫌われ、兄弟からは嗤われる日々。スチュワノール家を名乗ることも苦行で、何者にも成れない、成ることを許されない日々。
エンデは情を捨てた。それはこの苦しみから解放されるために、飛び去ってしまいたいが故に。
飛び方を知った鳥は、自由な大空へと飛び立つ。大きな羽を広げて、己の望む方へと飛び立つのだ。
白色を持たないその容姿は、汚れをも掻き消すであろう。
凶器を手に取り、振り翳したその先は、追い求めていた自由が広がっていたんだ。
充分なご飯を用意されないため、自分で作ることが多い。ストレスなのか、単に好きなのか、甘いものをよく作っている。
「うるさいな、あんたに俺の何が分かるってんだよ!!」
「純白が美しいなんて、そんなの分かりっこない。どこが綺麗なんだ、どこのだれが神聖だと証明出来るんだ!!」
「これはパンケーキ、あれはガトーショコラ。家族が用意したもんはてんでダメで、宛ら残飯処理を頼まれている様だ。そう、つまりこれらは俺が作ったんだけどさ」
「黒色って、綺麗だ。汚いものも全て消して、飲み込んでくれて」
「この武器についた赤色だけが、俺を認めてくれているような気がしてならない。俺が成したことを肯定してくれているようで……」