フィザーカ・アグニトルの双子の妹
現在も未だ被験体として施設に拘束されている
器用で繊細で、優しくも己の意志をハッキリと伝えられる強い精神の持ち主。
誰もが憧れる、そう言っても過言でないぐらいには善人だ。
相手の思いを汲み取ることと、料理も得意だったりする。
マフィアの家で産まれ育ち、地獄のような毎日を送った。そこから逃げ出そうと提案したのは、兄のフィザーカだ。
酷い虐待、周りからの暴力により弱っていたフェリーチェだが、これが最後だと力を振り絞る。
そこで辿り着いたのは、移民を受け入れている先進国、メラシス。
———そんな国には、裏があったのだ。
被験者として選ばれてしまい、フィザーカの提案により見た目を交換するも、双子もろとも捕まってしまう。
兄の見た目、つまりは男性の見た目をしたフェリーチェは、より過酷な人体実験をさせられてしまっている。
「私はフェリーチェ・アグニトル。料理をすることが好きなんだ。……できて、損はないから」
「待ってたよ、お兄ちゃん。元気そうで良かった。私も元気だよ、なんでかは分からないけど、力がみなぎってくるようで。後遺症も全部、治ったのかもね」
「お兄ちゃん! だめだよ、また無理して……残される私のことも考えてよ……」
「私は、どうしようもなく私だ。だから、最期は妹でいさせて」