4月15日に上京し,17日に帰熊のため羽田空港に行ってみたら,阿蘇くまもと空港周辺は天候が悪く,「条件付き運行」ということになっていた.以前,仙台で開かれた学会に行くときにも同様の経験をしたことがあった.引き返す確率はかなり低いことを知っていたので,今回も大丈夫だろうと思って搭乗したが,見事に貧乏くじを引いてしまった.阿蘇くまもと空港上空に,定刻通り到達したものの,40分位の間に3回ほど滑走路に向かって進入,急上昇を繰り返した後,最終的には着陸をあきらめて羽田空港に引き返してしまった.機長は管制官とのやりとりで忙しかったのであろう,引き返すことがアナウンスされたのは,機首を羽田に向けて安定飛行に移った後であった.
かなり前の話(1960年代後半)になるが,熊本空港を健軍町から現在地に移す話が出た時,阿蘇山山麓の高遊原台地は霧に包まれることが多いとの指摘があった.移転後(1971年),霧に悩まされることとなり,1995年には高性能の計器着陸装置が設置された.国土交通省のホームページには次のように書かれている.
霧による就航率の低下を、最新の計器着陸装置によりカバー
霧が発生しやすい熊本空港においては、その影響による欠航及び他空港への着陸地変更が課題となっていましたが、平成7年9月に日本で初めてとなる計器着陸装置『CAT-Ⅲ』の運用を開始し、就航率のアップにつなげています。
後で分かったことであるが,最新の計器着陸装置といえども強風には勝てなかったようである.熊本空港に着陸する時間帯に前線が通過したらしく,益城では最大瞬間風速 21.1 メートル/秒(18時20分)の強風が吹いていた.熊本地方気象台からは竜巻注意情報が出るほどの気象状況であった.
10分毎の気象データ(益城町)
雨量,気温,平均風速,最大瞬間風速
羽田空港を出発する時点(16:25)で,熊本空港では平均6-7m/秒,最大瞬間風速は10m/秒を超えていた.到着時刻(18:15)の最大瞬間風速は20m/秒を超える強風であった.
到着時の天候予測が甘かったと思わざるをえない.羽田空港に引き返し,飛行機を出たところに航空会社の地上係員が待っていて,「振替便等の手配は,各自インターネットでやってほしい」と言われ,また宿泊に関しても都内のホテル一覧が渡されただけであった.ビジネスホテルクラスには空室がなく,上級のホテルに宿泊せざるをえなかった.「引き返すかもしれないことを承知の上,乗ったのだから貴方の責任」と言わんばかりの対応であった.私は,いつもタブレット端末を持ち歩いているのでインターネットによる手配に抵抗はないが,すべての人が「インターネット手配」に対応できるとは思えない.しかし,世の中は,すでに「スマホ依存世代」に焦点を合わせた動きに変わっていることを実感させられた次第である.
旅行中,悪天候下の飛行に翻弄されたため,しばらくは飛行機のことは考えたくないと思っていたら,22日(テスト飛行),23日の両日,熊本市の上空でブルーインパルスによるアクロバット飛行(復興支援飛翔)が行われ,数日前の悪夢を忘れさせてくれた.孫の初節句の鯉のぼりと航跡を一画面に収める努力をしてみたが,なかなかうまくいかなかった.
桜の花を描いたらしい.
桜の花を描いたらしい.
写真を見ていたら,編隊移行しているジェット機の上にUFO?らしきものが写っていた.
拡大してみると鳥だったというお粗末な話である.
左下の写真はハートマーク♡の上の部分,右下は♡の最下部の部分である.真下であったため全体像はうまく撮れなかった.