2020年度人工知能学会全国大会は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を受けてオンラインでの開催になりました(https://www.ai-gakkai.or.jp/jsai2020/covid-19).このオーガナイズドセッションもオンラインでの開催となります.
2020年度 人工知能学会全国大会(https://www.ai-gakkai.or.jp/jsai2020/)においてオーガナイズドセッション OS-11 「人工知能におけるプライバシー,公平性,説明責任,透明性への学際的アプローチ」を開催することになりました.皆様の参加をお待ちしております.
人工知能技術の発展及び社会実装が進む中,人工知能技術の向上のみならずその利用におけるプライバシーの保護や公正性,説明責任,透明性などへの配慮について社会的な関心や要請が高まっている.例えば機械学習を利用した個人に対するAI信用スコアリングサービスにおいては,個人情報保護の遵守,データの共有範囲や用途を適切に説明するプライバシポリシーの設定,サービスのベネフィットとリスクについての十分な説明,ユーザーに対する公平性などが課題となりうる.現在,これらのAIにかかるプライバシー,公平性,説明性などの諸問題に対処するために,AIや機械学習のコミュニティで盛んに研究が行われている.一方で,これらの問題に対して実際にどのような基準を達成すれば問題が解決したと言えるかは必ずしも明瞭ではない.これらの要請について現行法令,倫理,世論(public acceptance)といった様々な論点が存在しており,法学,哲学,社会学などのそれぞれの立場において盛んに議論されている.実際に,既に多くの機関や企業からAI活用に伴う諸問題に対処するための倫理指針やガイドラインが複数公表されている.しかしながら,現実的にAI技術の利点を担保しつつこれらの問題を解決するためには,それぞれの立場からの研究に加え,学際的な研究が必要不可欠である.すなわち,法学,倫理学,社会学,機械学習など様々な分野の研究者が同時に集う学際的な場を用意し,様々な立場の意見を集約し,論点を整理したのち,実際の実装方法に関する議論をする必要がある.
本オーガナイズドセッションでは,上記のような状況を受け,法学,哲学,社会学,機械学習など様々な分野における人工知能のプライバシー,公平性,説明性などの諸問題についてのサーベイ,論考,解決方法の提案などにまつわる報告を募集し,議論状況の共有,論点整理及びディスカッションを行う.特に様々な観点からの具体的なケースや技術の分析や問題提起などを歓迎する.
題目: 信用・信頼・信託: 責任と説明に関する概念整理
日時: 2020年06月11日(木) 9:00-9:40
概要: 人工知能を含め、システムが利用者から信用され利活用される条件を分析するとともに、その一要素としての説明可能性についてその内容を明確にすることを目的とする。そのため、状況と帰結の関係として因果連関(原因と結果)と意味連関(理由と説明)があり、責任実践において注目されアカウンタビリティ(説明責任・答責性)の基礎となるものは後者であることを明らかにする。また、法制史・比較法的知見をもとに、使用者と被用者の知識・能力水準の格差という観点からシステムの信用性を維持する手法を分類し、今後の制度化に向けた示唆を提示する。
発表申し込みは,2020年度 人工知能学会全国大会のホームページから行えます.詳細は https://www.ai-gakkai.or.jp/jsai2020/cfp を参照してください.発表申し込み時に「区分3:オーガナイズドセッション」の「OS-11 人工知能におけるプライバシー,公平性,説明責任,透明性への学際的アプローチ」を選択してください.
発表申し込みは終了いたしました.
原稿提出は締め切りました.
日程:2020年6月9日(火)~ 6月12日(金)
会場:熊本城ホール(熊本県熊本市中央区桜町2-17)、熊本市民会館(熊本県熊本市中央区桜町1-3)
最新情報は、大会サイトをご覧ください https://www.ai-gakkai.or.jp/jsai2020/