NOMEL PLAYA2.5 (2011.7.21)

電動スクーター プラヤ 2.5KW

原付2種(90cc相当黄色ナンバー)。バッテリーを替えながら10年以上維持してます

◆ 仕 様

モーター:インホイールモーター ダイレクトドライブ(後輪駆動のみ)

定 格:800W MAX2500W/アンプtwin→kelly controller(USA製に変更)

バッテリー:48V/12V28Ah×4/ 鉛酸シールド→シリコンに交換→LifePo4に変更

全長/幅/高さ/mm:1860/630/1090/ 重 量:約117kg(LifePo4に交換で80kgに減量)

登 録:原付2種(90CC相当黄ナンバー)

最高速度:45km(ノーマル)と65Km(パワーモード)切替→ケリー製にしてから1つのみ

登坂能力:15度 /1充電走行距離:約60Km(鉛酸)/72km(シリコン=LifePo4 計算値)

バッテリー寸法(縦横高さmm実測)130×193×170(鉛=シリコン)×4個


◆ 備 考

たぶん、これまでのものとバージョンが上がったのではないかと思います。メーカーの変更点として

1.車体のデザインのマイナーチェンジ

2.アンプをtwinシステムに改良(ブレーカーが2つになっている)

3.リアブレーキをドラムからディスクへ改良

などざっと見てもこれまでの旧PLAYAと比べてこのくらいの改良が行われているようです。見た目よりわりと大柄なバイクですので背の低い人(160cm以下)の方は特に足つき性でちょっと注意が必要です。またハンドルのブレーキレバーも外人向と思われるくらい大きい感じがします。

◎重要事項

 坂道発進で坂に止まっている時、ブレーキを握っている間はアクセルが無効になっています。坂道発進の時はブレーキを離すと同時にアクセルを明ける操作が必要です。やや、やりにくい操作であり、初乗りではブレーキをかけながらアクセルを明けてもモーターが動かないのにちょっと困りました。

 付属のバッテリー(鉛酸)はあまり電流をかけられません。坂道の通勤等には全く向きません。すぐバッテリーが痛みます。また車速がのらないうちからアクセルをいっぱいあけるような運転もすぐバッテリーが痛み、使用に耐えないものとなります。運転時に電費計(電圧計)を気にしてゆるい坂でスロットルを明けたときにメーター針が落ちすぎるようなら(たとえば1/2E以下)ならかなりそのバッテリーは老化現象を起こしています。ただキーをまわして電費計を見ただけではバッテリー残りはわかりにくいものです。購入後1週間で使用に耐えないほど電圧降下し(満充電11.8V、1つ11.2V)、走行距離が10Kmを割ったので交換しました。メーカー保障はバッテリーでも6ヶ月保障がありますが、ことバッテリーに関しては初期不良以外は保障できない種類のものです。バッテリー個々の電圧管理には細心の注意を払いましょう。

◎この頁を日本でのプラヤの総合情報ページにしたいと願っております。

 プラヤの使用の方で情報がございましたらこちらまでお寄せください。掲載したいと思っております。

◎整備記録


23.7.23 パワースイッチの筐体六角イモネジ締増、各部錆止め油塗布、ボディーワックス

23.7.27 Pbシールドバッテリー2/4個で電圧の揃いを確認。満充電時11.91V。

23.8.1  Pbシールドバッテリー電圧降下ひどく、走行距離に支障出る。使用中止。

     新規バッテリー物色中。(のちに充電ケーブルが接続されていないことに気がつく)

23.8.2 スクーター分解してバッテリー確認。

23.8.4 シリコンバッテリーに交換。(GREEN SAVER SP27-12)

23.8.5  走行確認。性能体感UP。電圧降下極小。

23.8.7 市街地走行 10km/0.3~0.25V(1pac)電圧降下を確認。

23.8.9 バランシングコネクタ(個別充電コネクタ)追加。コネクタXT60(ラジコンLipo用)。

23.8.10 シリコンバッテリー、バランス充電開始。13.3Vに揃える(手作業)

23.8.11 フロントブレーキディスク鳴き音。ディスク回りチェック後、問題なしと判断。

充電電圧安定推移。4発直充電システム問題なし。

23.9.6 リアディスクブレーキ取り付け面修正。振れ幅1/3に修正(下別記)

23.9.14 タイヤ空気圧測定。不足分追加。1.5→2.0kg/cm2

23.9.30 平均勾配5%-2kmのヒルクライムに挑戦。無事テスト終了。(下別記)

23.10.9 40km連続走行 (100m-1箇所、50m-2箇所ヒルクライム含む)テスト完走。

     電圧降下1.0V/1pac (13.2V→12.2V)

23.12.30走行距離770km,車体・電装系すべて異常なし。

     厳寒期につき、やや電圧降下多めでバッテリー弱くなる。

     (ワットメーター・電圧計器上での把握のみ。体感はわからず。)

24.6.16  バッテリー→アンプ前までの動力線をTURGNIY8AWGに置き換え

      0.5オーム→0.4オーム程度に改善。ばらしたついでに各部点検。

      各部ネジ確認・コネクタ接触確認。

24.7.21 一周年。走行距離1,396km,シリコンバッテリー異常なし。

     満充電時電圧13.5-13.6Vを維持。性能劣化はあまり感じられない。

     4つのバッテリーが電圧がコンマ台(0.1V)で揃い非常にバランス良い状態。

24.8.3 チューブキャップ(プラスチック部品)破損。交換。

24.10.29 走行距離2,000km。特に異常なし。

24.11.20 メインスタンド脱落2回目。ボルト替え、ダブルナットシステムに変更。

25.1.25 後輪タイヤ、低圧による空気全抜け発生。エア圧の月1回管理必要。

25.2.23 後輪タイヤビード部シリコングリス塗布後、エア圧上げてビード完全出し、様子見。

25.3.16 ブラシレスアンプ故障。原因はPICの不具合故障か。自力で修理不可能。

25.12.8 kelly controllerにモーター駆動部のみ変更。駆動成功。見事復活。

26.4.29 コンタクタに不具合、交換へ

26.5.26 コンタクタ交換、逆流防止のため、保険的にダイオードを直列接続。修理完了。

26.7.14 後輪ディスクブレーキ調整、ブレーキ引きづりをクリア。

     ディスク発熱・エネルギー損失を大幅にクリア。

27.4.23 3年9か月目、走行距離4,000kmクリア。バッテリー満充電後電圧異常なし。13.6V

シート横に綻び・ヒビが出始める。

27.6.26 もうすぐ4年目、サスペンションチェック。要交換と判断。走行距離4,600km

27.7.10 リアサス交換DYTNA製へ交換(スズキアドレス用)結果良好。

27.8.14. リアブレーキ引きづり再発、キャリパー部バラシ、清掃、グリスアップ、再組立。

     真空引きブレーキオイル再充填。(成功)

27.10.1 走行距離5,000km突破。シリコンバッテリー4年間性能維持中。

     リアブレーキのディスクアライメントの適正化によりさらに省エネルギー化に

     なったことが定距離走行後の電圧測定により確かめられる。

27.10.10 ヘッドランプLED化。電力半分、明るさ2倍となる。

      純正のリフレクタとの相性が良い。光拡散性向上。

28.1.30 シートが痛んできているので、丸直にてシート張替をしてもらう。約1.2万円。

28.4.30 走行距離6,000km、5年経過。3番バッテリー充電後電圧低下。12.8Vまで。

      4個のうち1つだけでダメでだが、走行限界と判断。一端、使用中止。

      LifePO4を発注。(48V40AH,重量6Kg!)納期35-40日。待ち。

28.5.29  LiFePo4化完了車重40Kgの軽量化達成。電気容量も約1.5倍となる。

28.8.6 車体から周期的な「キーキー」音発生。前後ブレーキ近辺のメンテをするが、

     治らず。前輪ベアリングの音鳴きと判明。注油で無音化。解決。

R3.1.15 走行距離10,000kmようやく突破。11年目。LifePo4バッテリー5年目継続中。

◎購入まで

 私は2005年ごろそれまで熱を入れていたモーターパラグライダーを中断し、電動ラジコンの世界に復帰しました。そのころブラシレスモーター+アンプ+リチウムポリマー組み合わせで飛ぶ、電動EPP電動ヘリパワーは物凄く、技術革新の熱い時代がやって来ました。やはり面白いものには人が寄るもので、このころの模型屋の勢いは飛ぶ鳥を落とすほど大変なものでした。そこで「これからは電池とモーターの時代」と確信して、電池やモーターの勉強をラジコンで勉強してきました。モーターのコイルを巻いてKV値を調整して製作するモーターキットを買ったり、リチウムポリマーの1C充電って何?セルバランスってそんなに重要なの?そんなところから出発し、電動のノウハウを勉強してきました。今やっとこんな素晴らしいスクーターに乗れることに大変感激しているしだいです。

◎乗った感想

 乗った感想は一言で表現すると「静かな加速」でしょうか。シュルシュルを音も立てずに加速していく感じは、不思議で、ヘルメットが風をつかむ音が一番大きく感じます。

アクセルは感触が軽くやや安っぽい。ある程度速度が出るとそれ以上ひねっても反応しない領域が多い。シリコンバッテリー交換により解決、バッテリー電圧降下の問題だったもよう。(2011.8.5)

ブレーキの感触はフロントリアともに感触は良好で効きと握力は比例した感じで特に好感が持てました。2輪のブレーキは正に生命線なので非常に重要です。

サスペンションは重いバイクのはずですが、特に不具合もなく標準的と思います。底つきや突き上げもなく特に硬いとも思いません。

ハンドリングはまだ慣れない極低速がやや不安ですが、足を離したあとは全く問題ありません。思いとおりにライントレースできます。低速時はブレーキをかけながら走行することも多く、その時アクセルが利かないことが難点です。自転車でも歩く速度以下の低速時はブレーキをかけながらチョンチョン駆動をかけますが、これができないことが車体の低速の安定を悪くします。改善を望みます。

◎総評

 日本では原付バイクに対する法規制が厳しく原付1種(50CC)は特にルールが厳しいようです。最高速度30Km制限、2段階右折・・・。また出力規制も定格600Wとトンでもなく低いと思います。私が飛ばしているこのヘリでも1500W(30V×50A)以上で飛んでいるのです。なので制限の多い原付1種より原付2種のほうがあらゆる用途にも適し、幸せになれると思います。(2輪免許は入りますが)

いずれにしてもブラシレスモーター+アンプ+鉛酸バッテリーという組み合わせは技術的にには枯れた(安定した)技術で信頼性は高いと思います。中華製のシリコンバッテリーは5年近く持ちましたが、やはり4つのうちの一つがバランスが崩れて他と同じ放電量を維持できなくなりました。製品の出来にばらつきがあると販売者が言っていたことが現実になりました。

逆にリチウム系は発展途中で高価なものです。今後日進月歩でいいものが出るのが電池の世界ですので、次のバッテリー交換の時にはもっといい電池が出ているかもしれません。ですので技術的に古いからと鉛バッテリーを毛嫌いしなくてもいいのではないかと思います。今後のPLAYAおよび電動スクーターの発展に期待します。

12Vバッテリー配線図

バッテリー交換のためのPLAYA分解(すべて自己責任でお願いします)

(手順等に間違いの可能性もあります)

レーカーをおろす

後ろカバーを取る

前カバーを取る

タンデムバー(手すり)をはずす

六角ボルト4本で前2本は長いです

サイドカバーをはずす。木ねじ3本です。上にとれるようになっています。

このときウインカーの線をひっぱらないよう気をつけながらドライバーを隙間から入れウインカーねじをはずす。

あとからわかりましたが、このときウインカーの玉の白い部分を30度ひねれば玉部分がはずれることがわかりました。

ウインカーをねじりながらサイドカバーからひねり出す。

ウインカーの玉は12V10Wでした。

テールブレーキランプは12V/21/5wタイプ

記号はBAY15D-W

LEDにすれば3W程度に済む可能性があります。

シート下ボルトをはずす。前後ろ計4本これも前のほうが長いです。写真に見える後ろかわはボックスレンチ、前かわは小さい六角レンチでないと入れるのが厳しいでしょう。

シート横ねじをはずす

シート横ねじをはずす

フロント足下ねじをはずす


テールライト下ねじをはずす。

はずしたカバーはテールの線がありますのでひっぱらないようカバー自体をタイラップで仮固定しておくとよいと思います。

シートごと浮きますが、まだ動力線はついていますので、注意してください。

一応、完全に見える段階まできました

搭載の前にシリコンバッテリーの初期電圧を測っておきます。13.02~13.07の間に4つのバッテリーが入っていました。一応OKとします。

テスターやデジタルワットメーター、充電器など、ラジコンと扱う電力量がほとんど同じなのでほとんどが流用できるものばかりです。


60Wの負荷を掛けて電圧降下特性を見ます。性能のよいバッテリーはあまり電圧降下しません。負荷は12Vのハロゲンランプです。ラジコンで使っているデジタルワットメーターで6分間で0.47Ahを使いました。また通電直後より少し電圧が上がっていく特性も見られました。

4.85A/12.42Vぐらいで一定していました。負荷試験終了、自分的には合格です。負荷をかけても高電圧を維持できる良いバッテリーです。ちなみに駄目になった純正バッテリーでは同じ負荷でも11.8Vから10.5V程度まで落ちます。

このとき4個のバッテリーの電圧差を0.02V以内に揃えておきます。


PLAYAに搭載します。大きさはほぼ変わらないですが、高さが15mmくらい低いようです。すきまを材木で埋めました。

なお直列48Vでも汗をかいているとピリッと感電します。端子のショートには十分注意しましょう。乗せかえる際のはずした端子にはめんどうでも絶縁処理をしておきましょう。端子はバッテリー付属のステンレス六角ねじでそのまま取り付け可能です。


3個目をつけたところです。黒いバッテリーが純正32Ahのバッテリーです。ケーブルの線の太さが気になりますが、絶縁材込みでφ5mmでした。ちょっと固めで線のよりはあまりないようです。ラジコンで使っている10AWG程度です。パワーアップしたのにつれシリコンケーブル8AWG(耐熱性200度150Aまで使用可)にしたいと思いました。ここでも接続した端子にはビニールテープを巻いて絶縁しておきます。

4個のバッテリーに対して独立した充電コネクタを設置しました。結局、グリーンセーバー純正充電器を購入しました。充電は速くしたいこと、バランス充電の考え方を実行したいこと、などの理由と4つ買っても安いので直列でなく単独とします。4つでもセットについている充電器とほぼ同じ値段です。

シートを空けて充電コネクタを4つ接続します。バッテリーを購入時、同じような能力のものをと厳選していただいたので電圧バランスはいまのところ申し分ありません。

4つのバッテリーを個別に充電します。

あまり充電ケーブルを長くできないので充電器用のラックを作りました。4つのコネクタを接続する手間はありますが、均等に充電電圧を作るためには必要不可欠なシステムです。現在は手作業ですが、いずれインテリジェントなシステムに代わるでしょう。ちなみにラジコン用リポではバランス充電はすでに一般的なシステムになっています。(3千円くらいの安価な充電器にも付いています。)

◎シリコンバッテリーに換えてみての感想 (2011.8.5)

 素晴らしい!!まるでバイクのパワーが3割くらい上がったように感じます。

これまで坂道でスロットルを明けると電圧計が1/2E以下に下がっていましたが、坂道を登っている状態でも電圧計がピクリとも動きません。満タンのところに張り付いたままです。一部坂のある4キロ乗って電圧変化を見てみましたが、0.1V程度しか電圧降下していませんでした。これまで力がないときと感じたことも多くその時はパワーモードに入れていましたが、ふつうの坂道(8%以下)等、通常の使用ではその必要がなくなりました。

まだ乗りはじめなので時間的な変化がわかりませんが、やっと普通の50CCバイクなみのものになった気がします。もともとこのスクーターの動力系は優秀と思っていたのでそれに見あうバッテリーが入ったと思います。メーカーさんにはその分高くても日本仕様にはいいものをつけてもらいたいと思います。