※あくまで講評の参考であり、採用はこれのみで決定されるわけではありません
1. 構成・筆力
A(優れている)
文体が物語にふさわしく使い分けられ、かつ一貫し、魅力に富む
構成は巧みで無理がなく、読者を楽しませる工夫がある
描写や表現は秀逸で、演出やテンポにより読者を引き込むことに成功している
B(標準的)
文体はおおむね適切で、大きなブレはないが、魅力には欠ける
構成にやや平板さや強引な部分があるが、大筋に破綻はない
描写や表現は機能的だが、印象に残る部分が少ない
C(改善の余地あり)
文体がコントロールされていない
展開に飛躍や唐突さが多く、読者を置いてきぼりにしている
描写や表現の吟味が不足し、効果的でない
2. キャラクター性
A(優れている)
登場人物(ドラゴンを含む)の個性が明確で、行動や台詞に説得力があり、魅力的
登場人物の関係性が丁寧に描かれており、そのありようや変化に真実性がある
登場人物が物語を生き、また、物語を生み出していると感じられる
B(標準的)
登場人物(ドラゴンを含む)はおおむね書き分けられ、行動や台詞に一貫性がある
登場人物の関係性は描かれているが、表層的か、またはありようや変化に真実味が不足している
登場人物と物語がつながって感じられる
C(改善の余地あり)
登場人物(ドラゴンを含む)は書割り的で、行動や台詞に一貫性がなく、魅力に乏しい
登場人物の関係性がつかめない、あるいは記号的で不自然である
登場人物と物語が分離して感じられる
3. テーマ統合力(ドラゴン×百合×SF)
A(優れている)
三要素すべてが物語の中核を担っており、物語上の必然性がある
要素の融合が自然かつ魅力的で、テーマをあらかじめ知らない読者にも伝わる
「この三つでなければ成立しなかった」と思わせる説得力がある
B(標準的)
要素はすべて物語に含まれているが、物語上の必然性に不足がある
要素の融合の妙味には欠けるが、テーマとしては伝わる
「この三つでなければならない」という説得力が不足している
C(改善の余地あり)
明確に欠けるテーマがある、あるいは名目上のみの登場である
要素がそれぞれ独立し、テーマとして不自然に配置されている
「なぜこの三つだったのか」が物語の内部ではなく外部にあると感じられる
4. 設定・発想力
A(優れている)
他にはない発想があり、それが物語を展開させる原動力になっている
SF的な理論や世界の構築など、設定が魅力的で整合性がある
読者に強い印象や感情的な発見を与える
B(標準的)
発想に独創性はあるが、物語との結びつきが弱い、あるいは物語を駆動はするが発想がありきたり
設定は整っているが、十分に魅力が伝わらない
特に強い驚きや発見はないが、完成度は一定に保たれている
C(改善の余地あり)
発想が凡庸で、物語との結びつきも弱い
設定に無理があり、整合性と魅力にも欠く
驚きや意外性に欠け、感情が動きにくい