5月30日に郵便受けを覗いたら, アベノマスクが届いていた. 宛先が記載されていないので, 最初は政府が全世帯に配布しているマスクとは思わなかった.
どこの家庭も同じというので, インターネットで調べてみたら, 郵便局のポスティングサービス「タウンプラス」という配布システムを利用していることが分かった.
郵便局が民営化された際に誕生した新しいサービスの一つとのことである.
指定した地域の全戸に荷物を届けてくれるとい うユニークなもので, 届け先の住所も名前も必要がなく, 「丁目」単位で配達区域 が指定できる. 約200メートルの範囲で区域が指定できるという 郵便局ならではのサービスとのことである.
これまでチラシやダイレクトメールをターゲット層まで届けたい時は, 顧客リストを作って送るか,業者に依頼するか, 新聞に折込広告を入れるか, または足を運んで届けるかしか方法がなかった. 新聞折込は日常的に経験している身近な存在であるが,新聞を購読していない人には届かないなど問題がある.
しかし, タウンプラスというサービスを利用すれば, 門前払い的な存在の高級マンションでも, 番犬のいる家でも,その地域の中なら完全に全戸に配達が可能である.
他の配布法にくらべれば, タウンプラスはそれなりに使えるサービスである.
タウンプラスの配達料金は, 数量や形状, 重量といった差出条件によって異なるが, 一通 27円~56円(税込)である.定形型ハガキの一通63円や封書の84円(25g以内)と比べたら安く出せるということになる. マスクの配布枚数は1億3000万枚,経費は260億円(6月1日,466億円を修正), 5月29日時点の配布数は4800万枚(37%)とのことである.