関係性がトラウマを癒す─ トラウマ × BSP × TIPモデル ─
心理療法を超える “関わり方” の力を学ぶ
本ワークショップでは、心理療法の治療効果を最も左右する要因として数多くの研究で実証されている「治療関係」に焦点を当て、特にトラウマ臨床においてこの関係性をいかに活用するかを実践的に学びます。受講者が日々の臨床において、技法に頼るだけでなく、関係性を通じて治療効果を最大化するための視点と技法を習得することを目的としています。
心理療法の技法そのものが治療の主因であると考えられていた時代は、すでに過ぎ去りました。現在では、メタ分析などによって、治療関係こそが最も強力かつ再現性の高い治療要因であることが明確に示されています(Wampold, 2015)。
本ワークショップでは、トラウマに関する理論的理解に加えて、臨床現場で使用する心理療法について扱います。講義、デモンストレーション、デブリーフィングを通して、関係性を治療資源として活用する方法を深めていきます。
対象は、臨床心理士、公認心理師、精神科医、心理職を目指す大学院生など、トラウマ臨床や対人援助の専門家・実践家です。理論的関心に加えて、日々の臨床をより効果的にしたいという実践的な意欲をお持ちの方に適しています。
講師は、早稲田大学でも心理学を指導する鈴木孝信 Ph.D.(Taka心理学博士)(公認心理師)です。20年以上にわたり、対人関係を基盤とした心理療法の実践と研究に携わり、ブレインスポッティングの国際トレーナー、TIPモデルの開発者として、特にトラウマ治療と治療関係に関する研修・指導を行っています。
日時:2024年9月14日(日)9:00~13:00
受講形式:オンライン(当日/オンデマンド)
受講料:1500円(Peatix決済)
定員:96名/オンデマンド無制限(1ヶ月視聴)
対象:公認心理師/臨床心理士/精神科医/大学院生
講師:鈴木孝信PhD(BSP指導者/TIPモデル開発者)
ワークショップ内容
第1部
・トラウマの定義
・トラウマ反応の推移
・PTSDが発症する仕組み
・トラウマ援助の原則前半
後半
ワークショップ講師
鈴木孝信/Taka心理学博士(カウンセラー教育学博士)
博士は、アダムズ州立大学で博士号を修得し、トラウマ療法【Brainspotting】を日本に広める活動をしながら、共感についての知見を深め、生理学的シンクロニーを用いた共感モデル【TIPモデル】を開発しました。
博士は自らが開発した、TIPモデルを米国で発表し(2020,2022)、NBCC (米国カウンセラー資格認定機関)において、そのシンプルな方法論と効果で高く評価されました。TIPモデルは現在も研究が続けられており、その臨床からトレーニング、そして教育、医療、ビジネスに至るまでの領域での応用も今後期待されています。
本WSでは、トラウマ援助の抜本的な原則、そして具体的なトラウマ援助の方法論を学ぶことになります。
受講費
同額の受講費を設定していますが、後日オンデマンド受講は、講義部分の配信に限られています。また視聴期間は1ヶ月間と設定しています。
当日ライブ受講/後日オンデマンド受講
・1500円(オンデマンド受講には講義のみ含まれます)
キャンセルポリシー
原則キャンセルに基づくご返金は致しませんが、やむを得ない場合は右のような形でご返金をいたします。
前日(9月8日〜9月13日)のキャンセル: 参加費の50%を返金
当日(9月14日)のキャンセルまたは無断キャンセル: 返金不可
※キャンセルをご希望の方は、必ずpeatixを通じてご連絡ください。
※返金はイベント終了後、1週間以内に対応いたします。
※Peatixのキャンセルポリシーも併せてご確認ください。
受講資格
現職のメンタルケア従事者が対象です。心理系の大学院生や、資格に関わらず臨床歴がある方でしたら受講いただけますが、必ずお申し込みの前にご一報ください。
公認心理師
臨床心理士
医師
心理系の大学院生など
第1部トラウマの講義前半では、臨床上重要となるトラウマの症状や、症状の自然推移、またトラウマ症状が持続する要因、遺伝学的な世代間トラウマについて触れます。またなぜ、どのようにトラウマ症状が現れ、何をすれば改善するのかという理論(Context processing model)について簡単に触れていきます。後半では、トラウマ臨床における共通要因理論について解説します。
トラウマの定義
トラウマの症状
トラウマ症状の自然推移
トラウマ症状の持続の仕組み
世代間トラウマ
PTSDの病理理論(context processing model)
トラウマ臨床の共通要因理論
特にPTSDの病理理論(6)やトラウマ臨床の共通要因理論(7)は、トラウマ臨床のメタ認知に訴えかける内容であり、潜在的に学習者のトラウマ臨床に大きな変化をもたらす内容となっています。
第2部では、トラウマ臨床における関係性の効果を最大限に高める方法である、トラウマ療法ブレインスポッティング(BSP)と共感療法TIPモデルをご紹介します。それぞれ独立した方法ではありますが、両方をセットとして活用することで、関係性の効果を引き出すことになります。
ブレインスポッティング(BSP)は、EMDRの実践者であったデヴィッド・グランド博士によって開発された、トラウマにアプローチする心理療法です。
視線の位置(ブレインスポット)を利用して、心身に蓄積された情報処理を促し、クライアントが自らの内面と深く向き合うことを助けます。これにより、問題の根本にある未解決の感情や記憶が処理され、解放されていきます。
BSPの大きな特徴は、定まった手順(プロトコル)に縛られすぎることなく、クライアントに寄り添い、セラピストが直感的かつ柔軟に関わるスタイルです。安全で安心できる関係性を土台に、個々のプロセスに合わせた深いセッションが可能になります。
BSPのトレーニングは10月11−12日に実施
TIPモデルのトレーニングは来年春に実施予定
TIPモデルは、BSP(ブレインスポッティング)の実践と共感に関する研究から、Taka心理学博士によって開発された、生理学的シンクロニーに基づく臨床的共感のモデルです。
このモデルは、トラウマセラピーにおける「安全・安心の土台」を築き、それを維持するための具体的な方法を提供します。TIPモデルの中核には、セラピストとクライアントの間に生まれる「シンクロニー(心身の同調)」があり、これが深い心理的つながりを可能にします。
こうしたつながりが築かれることで、クライアントが持つ回避反応が和らぎ、初めてトラウマに向き合う準備が整います。TIPモデルは、「まず安全があるからこそ癒しが始まる」という、トラウマ臨床の本質に根ざしたアプローチです。
BSPとTIPモデルを組み合わせることにより、トラウマ臨床に着手し、トラウマ記憶のプロセスを維持し、身体情報までプロセスすることで、トラウマ記憶の現在への影響を弱めることが可能となります。トラウマ療法のエッセンスが詰め込まれた方法と言えるでしょう。
第3部では、第1部で学んだ「トラウマへの理解」と第2部で習得した「実践的なアプローチ」を統合し、実際のトラウマ療法セッションのデモンストレーションを行います。
この実演を見ることで、知識として学んだ内容が、セラピストとクライアントのやり取りや身体感覚を通して「体験的な理解」へと深まっていきます。見ることで感じる——その体験が、学びをより深く、臨床に生かせるものに変えてくれるでしょう。
実演の後には、「デブリーフィング(振り返り)」の時間を設けています。体験を共有したり、講師からセッションの意図やプロセスを解説したり、受講者からの質問に答えることで、学びをさらに整理・定着させていきます。
理論と実践がつながる瞬間を、ぜひ体感してください。
※デモンストレーション及びデブリーフィングは録画されませんので、オンデマンド受講には含まれません。
治療効果を最も左右するのは、関係性です。本ワークショップでは、トラウマ臨床における治療関係の重要性と、それを活用した具体的な援助技法(BSPとTIPモデル)を学びます。
本イベントはBTI-Jと心理学教育サイコeduの主催で企画及び運営されます。イベントに対するお問い合わせはpeatixを通じてお伝えください。