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犬飼と若村

ボーダー本部の一室にガンナーやオールラウンダーの隊員が集まって談笑している。部屋の端の少し暗いところから若村が他の隊員たちを眺めている。そこへ犬飼がやってきて隣りに座る。「やっほー、ろっくん。」若村はすこし驚く。

若村「向こうで話してこなくていいんですか。俺とこんなとこにいなくても…。」犬飼「俺にいてほしくない？」若村「そ、そういうわけでは…。」犬飼「ろっくんの隣にいたいからここにいるだけだよ。他になにか理由なきゃだめ？」若村「だめ、ではないです…。」犬飼「よかったー。ちょっと向こうはにぎやかすぎるからさー。」

犬飼は少し寂しそうな顔をして明るいほうを眺めている。若村「あ、あの、もうここ出ませんか。」犬飼「いいけど…、どっか行くあてあるの？」若村は「いや…、」と言って恥ずかしさに顔を隠す。

犬飼は若村の手を取り、立ち上がる。「冗談だよ。ほんとは行き先なんてどこでもいい。」若村「え。」

犬飼「俺も抜け出したいと思ってたんだぁ。ろっくんから声かけてもらえて嬉しかったよ。ありがとね。」部屋から出ていく二人。

若村「あ、えっと、オレのほうこそありがとうございます…？」犬飼「なんで疑問形？。おもしろいねー。」

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