一般社団法人日本ヒューマンヘルスケア学会第5 回学術集会を開催するはこびとなりました。会員およびご参加される皆様の多くが、保健・医療・福祉に携わっていらっしゃることと思います。COVID-19 による感染の収束が見えないたいへんな状況の中での日々の皆様の取り組みに対して、深く感謝するとともに敬意を表します。
第5 回学術集会のテーマは「“eHealth”&“mHealth”の未来にむけて:遠隔による健康支援」です。Web での開催となります。electronic health(eHealth)とmobile health(mHealth)が医療の重要な要素になりつつあるといわれています。eHealth とは、コンピュータ、携帯電話、衛星通信などの情報通信技術(ICT)の支援を受けて、健康サービスや情報を提供する医療サービスのことをいいます。mHealth とは、スマートフォンや携帯端末を利用して健康サービスや情報を提供することを指します。日本に目を向けると、医療が「病院中心型」から「地域中心型」へ移行することに伴い、遠隔医療に目が向けられるようになってまいりました。そうした折、COVID-19 の感染拡大により、遠隔診療への注目が高まるとともにICT が急速に普及いたしました。ポストコロナにおいても遠隔診療を含む遠隔医療、健康サポートへの関心が高まることが予想されます。また、海外に目を向けますと、国土の広さや厳しい自然環境による影響から、遠隔医療の実績をもつ地域があります。本学術集会では、Telenursing に関する研究を長年にわたり手がけておられるntonia Arnaert 先生(カナダのマギル大学)に特別講演をお願いすることができました。基調講演Ⅰでは、遠隔医療を行うにあたり重要な要素である情報セキュリティについて、横田慎一郎先生からご講演をいただきます。さらに、日本において先駆けて遠隔医療に着目され2005 年に発足した日本遠隔医療学会の第26 回学術大会長をつとめられる本間聡起先生に基調講演Ⅱをお願いしています。また、本学会の設立趣旨にあります地球環境の視点からの教育講演を、神本祐樹先生にお願いするはこびとなりました。お昼のひと時には、整理収納・ファイリングアドバイザーである藤谷朗子先生からのお話をうかがい、リラックスして楽しんでいただきたいと思っています。
日本ヒューマンヘルスケア学会では会員を「地球を守り、社会の中で生活する人のよりよい健康を目指す方、豊富な実践知を科学的視点から解明することに関わる方であれば専門領域や職種は問いません」(学会HP から引用)としています。そのため、本学術集会には多くの職種の方々の参加が見込まれます。また、一般演題の登録数は予想を上回りました。学術的および実践的に多角的な視点から、遠隔の場をつないでディスカッションが行われますことを期待しています。本学術集会が、遠隔による健康サポートの可能性を検討するきっかけになりますと幸いでございます。
学術集会の開催にあたりましては、準備段階から多くの方々のご協力を頂戴してまいりました。また、財団、賛助会員、協賛企業の皆様から多大なるご支援をいただきました。この場を借りて、厚く御礼申し上げます。多くの方々のご支援のもと、学術集会の開催にいたりましたことを感謝申し上げます。Web 開催に伴い、参加される皆様、講演をお引き受けくださった皆様にご不自由をおかけしないよう、細心の注意を払い、皆様にとって有意義な時間になりますよう、最善をつくしてまいります。多くの方々にご参加いただけますことを心から願っています。
一般社団法人 日本ヒューマンヘルスケア学会
第5 回学術集会会長 三吉 友美子
(藤田医科大学 保健衛生学部 教授)