開催趣旨と概要
スピントロニクスは、電子スピンがもたらす新奇な物性を探究する理学と、MRAMなどへの応用を目指す工学の両輪によって急速に発展しているきわめてユニークな分野です。近年では専門性が高まり、参入のハードルが上がりつつありますが、本入門セミナーでは、そのスピントロニクスの世界に足を踏み入れるための絶好の機会として、1泊2日の集中講義を開催いたします。著名な講師陣による入門講義を、直接・対面で受講できる貴重な機会です。
講義内容は、理系学部4年生から大学院生までを主な対象とし、磁性の基礎から始まり、メモリなどのデバイス応用、量子コンピュータ、放射光を用いた先端計測、そして近年注目を集めている「Altermagnet(交代磁性体)」といった最新トピックに至るまで、多岐にわたります。これから学び始める初学者はもちろん、すでに分野で活躍中の研究者にとっても有益な内容となっています。
会場は東北大学金属材料研究所です。初日夕方には、ご自身の研究を発表できるポスターセッションと、若手研究者同士が交流を深められる交流会を予定しております。さらに2日目午後には、新たに稼働を開始した放射光施設「ナノテラス」の見学会も企画しています。分野を越えた交流と最先端の知見に触れる絶好の機会となっておりますので、皆様ぜひ奮ってご参加ください。
日程:2025年10月21日(火) - 10月22日(水)
会場:東北大学 金属材料研究所 2号館1階 講堂 (アクセス) (対面形式)
セミナー参加費:無料
参加登録締切:2025年9月20日(土)
希望者はポスターセッションにて自身の研究発表をできます。
交流会は参加費(1000円)が必要となります。
実行委員:関剛斎(東北大学)、飯浜賢志(名古屋大学)、大島諒(京都大学)
問い合わせ先:takeshi.seki_at_tohoku.ac.jp(関剛斎) *_at_は@に変更してください
プログラム
10月21日(火)
13:00-13:10 開会挨拶
13:10-14:30 スピントロニクスの基礎(理論)
三浦良雄 先生 (京都工芸繊維大学)
14:40-16:00 スピントロニクスの基礎(実験)
小野輝男 先生 (京都大学)
16:10-17:20 スピントロニクスデバイス
深見俊輔 先生 (東北大学)
17:30-18:30 ポスターセッション
18:30-20:00 交流会
10月22日(水)
8:30-9:40 量子コンピュータ
大塚朋廣 先生 (東北大学)
9:50-11:00 放射光を用いてスピントロニクス材料の電子・磁気状態を調べる
岡林潤 先生 (東京大学)
11:10-12:20 第三の磁性体「Altermagnet(交代磁性体)」の物質設計と機能開拓
関真一郎 先生 (東京大学)
12:20-12:30 閉会・アナウンス
12:30-13:30 昼食(各自)
13:30-15:00 金属材料研究所よりバスで移動し、ナノテラス見学会
(予約者のみ最大60名)
スピントロニクス研究会への入会のお願い
スピントロニクス研究会に未入会の方は、この機会に入会をぜひご検討ください。
共催:
スピントロニクス学術研究基盤と連携ネットワーク拠点
スピントロニクス学術連携研究教育センター
学術変革領域研究(A) キメラ準粒子が切り拓く新物性科学
東北大学金属材料研究所
東北大学先端スピントロニクス研究開発センター(CSIS)
東北大学国際放射光イノベーション・スマート研究センター(SRIS)