質疑応答の概要をとりまとめました。(文責は実行委員会にあります。修正等が必要な場合にはご連絡ください)
Q:富士川には尺アユがいるとのことだが、どれくらいの大きさで産卵するのか? 漁協が放流をしていると思うが、資源量の推定をしているのか? 山梨県漁連では、砂利の凝集剤の影響をどう考えているか?
A:産卵サイズの最小は15cm程度。大きければ産卵数は多くなる。アユは一年魚なので通常それで斃死する。組合で今年は平均8gサイズのアユを3,200kg放流している。
天然遡上については、静岡県側に産卵場があることもあり、山梨県で資源量推定はしていない。
凝集沈殿剤の影響は分からない。砂利採取業者は一つ減って3軒になり、そこでは現在でも使用しているが、魚が死んだ状況は確認されていない。ただし、沈殿させた脱水汚泥については、しっかり処分をしないと影響が出る可能性がある。
Q:富士川のアユの産卵場はどのあたりなのか?
A:甲府盆地内で産卵したという記録はあるが、資源に関与する産卵場については全て静岡側、それも河口から1km以内の最後の瀬が主な産卵場と思われる。
Q:そこでは良好な環境で産卵が行われているのか?
A:県外になるので、山梨県側としては承知していない。ただしこれから連携を図って、問題があれば共有し、解決していくことが望ましいと思う。
Q:雨畑の土砂についてはかなり問題。上流は少し雨が降るだけで流量が相当変わる。稲又川には高さ50mの砂防堰堤があるが、約6年で一杯になり、それ以降出水時には泥が多く流れてくるようになった。ダムができて川が土砂を運んでいることが明らかになったが、その前は濁りもなく魚がいた。
八潮の崩れは定期的に昔から起こっている。平成元年の土砂崩落で河床が上がり、河原が広くなり土砂の中を流れるようになった。土砂の移動はひとくくりにできない。大きい石は流れにくく、小さい石は遠くまで流れ、その先に泥が溜まる。砂防堰堤ができてから泥水が長期間流れるようになった。
砂防堰堤がいたるところに入っているが、どれだけの予算をかけて、どれだけの効果があるのか。砂防堰堤についてどう考えるのか?
A:砂防は海外で「sabo」と呼ばれ、海外では余りやられていない。一番の目的は、土石流を止めること、満砂になった後も上流で土砂の調節効果があるが、土砂の調節効果とは一度貯めてその後ズルズル流すこと、流すのは細かいもの、それが長期間出るようになるというのが実態。土石流に対する効果はあるが、濁り若しくは土砂の出かたについては、昔と違った状況になると思う。
Q:設置する前との比較でその効果をどう考えるか?
A:透過型は、土石流後に土砂がなくなれば、魚の移動が可能になるので、設置する際には透過型の設置を要望している。
A:土砂管理については専門でないので、後で会場にいる専門の方からご意見をいただきたい。 崩落地から出てきている土砂も多いが、河道に堆積した土砂から濁りが出ているのを観察している。
河道に堆積した大量の土砂をどう管理していくのかについては、専門家の方の意見を踏まえて検討する必要がある。