襲の中に龍が潜んでいる。繁栄と幸運をもたらす龍の爪を襲合わせた紋様。爪痕は金継ぎで雷を表現。
青:残り4点 茶:残り2点
全通柄
全通柄
金継の表現
龍の鱗
「衤」(衣の部首)と「龍」(りゅう、たつ)の組み合わせからなっています。この場合の「龍」は、しばしば古代の王や皇帝が着用する豪華で格式のある衣服や装飾品に関連して使われることが多かったことから、これが「襲」の漢字に組み入れられています。そのため、元々は「衣服を重ねて着る」といった意味合いから「豪華な衣服」や「王の装飾」を指すような意味があったと考えられます。
日本の伝統的な修復技法で、割れた陶磁器を金や銀で繋ぐ方法です。この技法は、破損の跡を隠すのではなく、むしろ美しさや価値を高めるものとして捉えます。金継ぎは、完璧さではなく傷みや経験を尊重する和の美意識や人生観を象徴しています。
龍は多くの文化や伝説に登場する神話的な生物で、その鱗(うろこ)も独自の象徴的な意味を持っています。以下は龍の鱗の神話的な意味に関する一般的な解釈です。
1:保護と力:多くの伝説では、龍の鱗は非常に堅固とされ、これにより龍は物理的なダメージから守られています。このため、鱗は保護や無敵の象徴とも言えます。
2:再生と不死:一部の伝説では、龍は鱗を失っても新しいものが再び生えるとされています。このため、鱗は再生や不死の象徴として捉えられることもあります。
3:繁栄と幸運:特に東アジアの文化では、龍は繁栄や幸運の象徴として広く認識されています。龍の鱗もまた、このようなポジティブな意味合いを持つことがあります。
4:神聖さと高貴さ:龍の姿やその部位(特に鱗)は、多くの文化で神聖なものとして扱われています。そのため、鱗は神聖さや高貴さの象徴としての側面も持っています
本阿弥光悦作:赤楽茶碗 銘 "雪峰"
赤楽茶碗の「雪峰」は失敗作の窯傷を金蒔絵で繕ってあり、茶人である光悦が窯傷を茶碗の景 色と見立て、単なる金繕いから、金継ぎとしての造形美へ高めた記念すべき芸術作品です。口で抱えた鉄鉢風の丸造りで、高台内の扶ったような箆取りや大火割れは、温和な姿に鋭さ、激しさを加えて、光悦の人物をさながらに偲ばせます。見込は深く広い感じです。赤い素地に白い釉がかかり、高台も釉がみえて、土見ずで目が付いています。姿はやや小振りながら、迫力によって大きくみせる作です。
《付属物》箱-溜塗、金粉文字・書付本阿弥光悦筆、蓋裏書付同筆
《伝来》三井家-姫路酒井家-畠山即翁
《寸法》高さ8.9 口径11.0~11.9 高台径4.2 同高さ1.0 重さ450
《所蔵》畠山記念館
品種:名古屋帯
組織:絵緯
意匠:(設計)阿比留哲也 (配色)阿比留哲也 (調整)豊川勝典
製織:白木タヤ子
経糸本数:3,648本
OKANOの代表的な商品である「切子」をバージョンアップさせたタイプです。最近始めた、数種類の切子柄を組み合わせてデザインに変化・調子を表現したタイプの発展形です。単調にならない様に、ランダムに配置したレイアウトの中に、それぞれ違う切子柄を配置。他織元でもランダムな切子帯がありますが、この帯は糸の使用本数・色数などのレベルが段違いです。また、帯の裏を見てもらうとわかりますが、柄の縁取りを表現するため全面に金糸を織り込んでいます。全面に織り込む事によって、金糸部分だけが目立ちすぎない帯全体の安定感が出ます。レイアウトの輪郭を表現する為だけに全面に横糸を贅沢に使用する手法を使うのは、現在は全国のメ織元の中でもOKANOくらいかもしれません。当初は、青配色だけを制作予定でしたが、金継(割れた陶器・磁器を金で繋ぎ合わせる伝統技法)の器で一番有名な「本阿弥光悦作:赤楽茶碗 銘 "雪峰"」から着想を得た配色も追加制作。同じ帯ですが、全く違うタイプのバリエーションを作る事が出来ました。この切子は、両色ともタテ糸に「黒色」を使用しています。同じ黒色を使用していながらも全く違う雰囲気に仕上がっています。ここに意匠の編集力・技術力が光っています。製織に関しても、全面に全通で金糸を通しつつ、横段配色も取り入れているので手間暇・注意がいつも以上に必要で、職工の技術力も必要な特別な帯です。