陰陽の陽の象徴である松。若松、老松など縁起の良い伝統紋様として親しまれている。手織総浮は、希少な織物。
10本限定
白:残り1点 黒:残り3点
たれ先
全通柄
色違い
祝松と祝蓮
松浦長治の松の文字を取って、祝いの帯にしました。伝説の職人となった松浦長治の生き様が「松」には象徴されています。小林顕子の伝統工芸士認定の祝いとして、同時に制作した「祝蓮」とセットで作品となっています。松は、陽を象徴し、独鈷を表現。蓮は、陰を象徴し、華皿を表現。独鈷華皿紋様(献上柄)で二人の職人を記念して制作しました。
日本の文化や神話で特別な意味を持つ樹木です。常緑の性質から長寿や永遠の若さを象徴し、その忍耐力は持続性のシンボルとされます。新年の門松は家を守り、祝いや祭りでの装飾は繁栄や幸福を願う意味があります。
「松竹梅」は、松、竹、梅の三つの植物を指す言葉で、縁起が良いものの象徴とされています。日本では、結婚式や正月などのお祝い事にこの言葉がよく使われます。もともとは中国の「歳寒三友」という概念が日本に伝わったもので、文人画の一般的な題材となっています。松と竹が寒さの中でも青々とし、梅が花を咲かせることから、これらは「清廉潔白・節操」という文人の理想を象徴しているとされています。
博多織の伝統七品目である献上、変わり献上・間道・平博多・総浮・重ね織・捩り織・絵緯博多を次世代の職人に正しく伝えるために本来の技法に忠実に制作し続けるプロジェクト。全ての作品は10本限定でシリアルナンバーが織り込まれています。献上・変わり献上は、1000本(100柄*10本)を織ることを達成し、シリアルナンバー1は資料として保管されています。現在は、総浮の制作に取り組み中で、1000柄*10本現地の1万本を目指していますが、まだ156番目で先の長いプロジェクトとなります。
献上柄の 「独鈷」と「華皿」は、「払い」と「清め」の法具で、陰陽和合の象徴。また献上柄の名称は、江戸時代に五色の帯を献上したことに由来し、これは五行思想です。つまり、博多織は、陰陽五行を未来へ伝える織物です。
品種:名古屋帯
組織:総浮(手機)
意匠:(設計)豊川勝典 (配色)阿比留哲也
製織:松浦長治
生産本数:10本
経糸本数:8,600本
大柄に配置した松の柄を中心に、端に竹・梅を散りばめて「松竹梅」となる様にしています。松浦長治の帯では珍しく、タテぼかしを入れて織り上げたタイプです。先染めの整経でタテぼかしを出来る職人も非常に少なく、最近は織物でほとんど見かけなくなった、かなり貴重な技術です。その他、竹柄の中にいろいろな紋様を配置。それぞれの柄の浮かび上がり方に変化が出ます。白ベース・黒ベース、それぞれ全く違うテイストになる様に配色を心掛けています。ダイナミックな柄デザインですが、ボカシ等を入れる事によって適度な落ち着きを持たせました。上記のデザイン画では、特に白ベース配色はサラっとした印象に見えますが、実物は織柄が思いっきり浮かび上がり、松浦長治らしい迫力ある名古屋帯に仕上がりました。