本年度の学会大会において、対面とオンラインのハイブリッド形式の自由集会を企画しました。一部「認知進化生態学の創生」なるややこしいことも書かれていますが、肩ひじ張らない内容を目指しますので、ご興味を持たれた方はぜひご参加ください。参加申し込み:https://forms.gle/YtdUYPP1ZDnPXmSa6
特に、オンライン視聴をご希望の方は【8月21日(月)】までにお申し込みください。
世話人:石原千晶(北海道大学大学院水産科学研究院)yci0210@fish.hokudai.ac.jp
田村亮輔(釧路地区水産技術普及指導所 )
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概要
ベントスにできること~彼らの「うまくやる」能力を探る~
企画者:石原千晶(北大院・水産)
ベントスを眺めていて、「あれ、こいつら意外とうまいこと行動しているな」と感じることはないだろうか。一般に、任意の状況下における、単なる刺激への固定的・反射的な反応に止まらない、「うまい」と感じられる振る舞いは、認知能力と呼ばれる。このような能力は元来、ヒトをはじめとする高等脊椎動物に限られたものだと考えられてきた。確かに、無脊椎動物にはヒトや高等脊椎動物の様に発達した脳はない。しかし、彼らは決して無能などではなく、他個体との相互作用を繰り返すなかで磨かれてきた独自の巧みさを持っている。
本集会では、異なるベントスを対象に「うまく見える振る舞い」に注目している演者らが、それぞれの対象種の「できること」に関する研究成果や今後の研究アイデアなどをざっくばらんに話題提供する。皆さんがふだん研究しているベントスが、予想以上に「うまくやっている」場面に思いを馳せるきっかけとなれば嬉しい。なお、本集会は2023年度学術変革領域B採択課題「複雑な社会を維持する知性の源流を探る『認知進化生態学』の創生」の簡単な紹介も兼ねる。
日時:9月2日(土)18:10–19:30
場所:北海道大学水産学部(函館市)とオンラインとのハイブリッド
趣旨説明 18:10–18:15 石原千晶
話題提供① 18:15–18:30 石原千晶(北大院・水産)
ヤドカリのfamiliar recognition:勝てない相手を避ける個体識別【対面】
話題提供② 18:30–18:45 竹下文雄(北九州市立自然史・歴史博物館)
シオマネキ類の認知能力ミニレビュー:どこまで他者を区別できるか【対面】
話題提供③ 18:45–19:00 磯村尚子(沖縄工業専門学校)
戦うか?逃げるか?-イソギンチャクの他個体認識とその後の行動-【対面】
話題提供④ 19:00–19:15 三浦 収(高知大学)
貝の中での寄生者の役割分担:二生吸虫に見られる兵隊カースト【オンライン】
総合討論 19:15–19:30
※講演タイトル、時間は仮の物です