昨年の新年の挨拶には,以下の小文を記した.今年の正月にもそのまま適用できる文章である.追加するとすれば,ワクチン接種が進んだこと,オミクロン株の出現,昨年末に内服薬の特例承認が決定したことぐらいである.
昨年は,正月には誰も予想できなかった新型コロナウイルス感染症が世界的に流行し,それまで普通と思っていたことが,想定外の対応を余儀なくされました.
在宅勤務,オンライン会議,オンライン授業,オンライン帰省,リモート正月等など
急ピッチでワクチン開発が進んでいるようですが,変異種が発生するなどコロナの撲滅にはそれなりの時間が必要なようです.
今年こそは,コロナが終息し,1年前までの通常の生活に戻ってほしいのですが,しばらくはマスクが手放せない,コロナウイルスと共存することになりそうです.
為政者には,これまでの学習を生かした,後手後手の対策と批判されることのない責任ある対策と決断を望む次第です.
変化が感じられないということは進歩していないということになるが,為政者は暮らしに変化を創出してほしい.我国は科学技術立国を自認していたが,コロナ禍はそれが間違いであることを知らせてくれた.米国は計算機支援によるIT創薬の技術を駆使してワクチンや経口薬を実現させた.我国の政治家は技術立国危機論に耳を貸すことをしなかったのを棚に上げて,直面する諸課題の対応は万全と言う有様である.2020年のブログ「歴史は繰り返す(世界最先端IT国家,18年前の夢)」の中で紹介した種々の課題は「デジタル田園都市国家構想」等にそのコピーを見ることができる.最近明らかになった半導体不足問題 に至っては開いた口が塞がらない.デジタル社会の構築を口にする前に,最近の電気製品の製造工程を学習すべきである.我々の身の回りの電気製品の殆どが自動制御された製造ライン上で製作されている.チェックすべきは半導体不足の雪崩現象である.
半導体不足 → 自動製造ライン不足 → 製品不足 → マイナンバー制御機器不足 → 社会インフラ運営の停滞
このような状況下,台湾の世界的半導体製造メーカーTSMC(「ビッグ3」と呼ばれるチップメーカー(TSMC、サムスン、インテル)のひとつ)が熊本に半導体製造の設備投資をするという.政府は多額の補助金を出すと言って歓迎しているが,最新技術ではなく数世代前の半導体製造であり,生産が軌道に乗るのも3年位先の話である.注)日本の半導体メーカーは世界順位では12位である.2022年には中国が上位にランクインすると予想されている.
皮肉にも新型コロナによって自覚させられた我国の科学技術の低落現象は予想以上なものであり,早急な修復が緊急の課題である.
明けましておめでとうございます.
旧年中は大変お世話になり,誠にありがとうございました.
今年もよろしくお願い申し上げます.
令和4年元旦
巣ごもり下,ボケ防止のため,備忘録的ブログ(毎週更新),健康太極拳,数独などを楽しんでいます.
図中の文字列は,Tigerいにして!(大概にして!)です.
復興のシンボル熊本城
昨年11月15日に撮影した写真です.
追記(2022年1月3日読売新聞ニュース)
世界的な半導体不足のなか、技術の担い手を増やし、かつて世界をリードした「日の丸半導体」の復権につなげたい考えだ。政府は半導体の国内生産能力を高めるため、高等専門学校(高専)での専門人材の育成に取り組む方針を固めた。2022年度中にも九州にある八つの高専を対象に、半導体の製造や開発に関する教育課程を新たに盛り込む。