趣旨:
「平成」の31年間に、国内では、1996年豪雪による広域雪氷災害、新潟県中越地震直後の2004-2005年の豪雪、平成18年豪雪、2013年北海道における吹雪災害、2014年関東甲信地方を中心とした広域雪氷災害、2017年那須雪崩事故、2017-2018北陸地方の豪雪など、数多くの雪氷災害が発生した。雪氷学会および雪工学会は、これらの災害に関する調査/研究を行い、被害軽減に向けて取り組んできた。本セッションでは、平成の雪氷災害を振り返り、現状と課題を整理すると共に、新しい時代における雪氷災害研究、被害軽減について議論する場としたい。
趣旨:
山岳地域(山間部や高原なども含む)の降雪・積雪は空間的多様性が大きく、その解明は重要であるが、山岳地域での気象雪氷観測は困難であり、その実態の把握及び適切な降雪・積雪モデリングが課題となっている。一方で、自然変動や気候変動に伴う山の雪の変化は、山岳氷河や生態系、水資源等に多大な影響を及ぼすため、山岳地域における降雪・積雪の変動メカニズムの解明はチャレンジングであると同時に重要な課題である。
本セッションでは、山岳地域における降雪・積雪・氷河の実態把握と大気の変動・気候変動との関係等を、日本国内外の種々の観測やモデリング、事例・統計解析といった多角的な方面から議論することで、山岳地域の降雪・積雪についての理解を深める。
趣旨:
現在,極地雪氷分科会では日本学術会議の大型研究計画に関するマスタープラン(日本気象学会学術委員会航空機観測に関する検討部会)への連携に関して,航空機を利用した雪氷観測の可能性を検討している.有人機のみならず無人航空機のUAVや飛行船,気球,グライダーなどを含み,広く大気を飛行する機械を利用した雪氷観測が対象である.本スペシャルセッションでは,北極から南極までの日本を含む雪氷圏の中で,各空間スケールに応じた雪氷現象の実態把握や変動メカニズムなどの理解を深化させるために,航空機観測ができることやすべきことなどを,多様な視点からを探ることを目的とする.雪氷を対象とした航空機観測の最新の研究成果報告を通じて,今後の航空機観測の発展に関して議論する.
趣旨:
近年、南岸低気圧に起因して豪雪地帯のみならず首都圏でも積雪が観測され、交通障害などの被害を引き起こす事例が増加している。特に湿降雪の場合は、高層構造物、鉄道・電力設備、樹木等に付着し、構造物の倒壊や着雪体の落下による物的・人的被害を引き起こす。そのため着雪現象のメカニズムを解明し、その対策技術に関する研究推進が急務であるが、試験方法について規定がなく、対策品の定量的評価手法や認定などが困難であるため、その指標の必要性が求められている。本セッションでは、着雪対策技術の評価手法としての試験方法の現状について情報交換し、今後の方向性や展望について議論する。
趣旨:
気候変動による寒冷地環境の激甚化のため、地盤に係る凍害の発生地域が全国的に拡大している。地盤の凍害現象は、周辺気温の低下のみでなく地下水の供給の程度のほかにも多くの要因が影響するため、その予測や対策はいまだに研究課題になっている。日本雪工学会凍害対策研究委員会では長年にわたり、メカニズムや具体的な対策技術の展開を図るとともに、予測や対策の技術的向上を目指して活動を進めている。
このセッションでは道路における凍害(凍上)とともに、寒冷地環境における地盤に係る凍害等の現象や対策事例について幅広く募集して、凍害の種類、被災程度の予測などを議論します。また、建設前および供用後の具体的な対策工などの考え方について議論したいと考えている。
被害の大小にかかわらず、凍害と呼ばれる事例についての投稿を歓迎いたします。
趣旨:
カーリングでは氷上でストーンを投げる際にストーンに若干の回転を与える。時計回りに回転させるとストーンは徐々に右に曲がり,反時計回りでは徐々に左に曲がる。28.3m先に設定された目標点(ハウス)ではストーンは約0.5~1.5m程度曲がる。ストーンが曲がる理由は一見簡単そうに思えるが,100年前から関連する論文が60編程度出版されているが現在でも定説はない。また,ストーンが曲がるカーリング場と曲がらないカーリング場があることが知られている。
このセッションではカーリングのストーンが曲がるメカニズムに関連した最新の成果を発表し,議論を深め,ストーンが曲がるメカニズムを解明することを目的としますので,関連する研究発表を歓迎します。