2019日向灘地震

5月10日,熊本市中央区ではこれまで熊本地震で度々経験したドスン型の直下型地震とは異なるゆらゆら型の地震に見舞われた.地震直後の熊本市災害情報メールを以下に示した.熊本市南区,東区,西区,北区は震度4あるいは3と帰属されているが,中央区は記載されていない.情報源である気象庁のデータにも中央区は存在しない.3月27日の日向灘地震(延岡市 最大震度4)の際は熊本市中央区は震度2であったので,今回は機器の一時的障害によるものと思われるがはっきりしない.

5月10-12日の間に起こった日向灘地震は以下のとおりである.震度5弱の翌日は前日より北側の地点(四国寄り)で震度4の地震が起こっている.

一連の地震(地震検知日時 震央地名 マグニチュード 最大震度 情報発表日時)

2019年 5月10日07時43分 日向灘 M5.6 震度3 5月10日07時47分

2019年 5月10日08時48分 日向灘 M6.3 震度5弱 5月10日08時53分

2019年 5月10日09時07分 日向灘 M4.9 震度3 5月10日09時11分

2019年 5月10日13時54分 日向灘 M4.2 震度1 5月10日13時57分

2019年 5月10日20時40分 日向灘 M4.8 震度2 5月10日20時44分

2019年 5月11日08時59分 日向灘 M4.9 震度4 5月11日09時03分

2019年 5月12日15時07分 日向灘 M4.3 震度3 5月12日15時12分

2019年 5月13日01時13分 日向灘 M3.2 震度1 5月13日01時16分

追記(2019/5/20)

2019年 5月18日03時27分 日向灘 M3.4 震度1 5月18日03時31分

2019年 5月19日11時00分 日向灘 M4.0 震度1 5月19日11時03分

2019年 5月19日23時50分 日向灘 M3.9 震度2 5月19日23時53分

注)マグニチュードが 1 増えると地震のエネルギーは約31.6倍になり,マグニチュードが 2 増えると地震のエネルギーは1000倍になる.

左図は,気象庁のホームページに掲載されている図を用いた.下表(各地の震度)はキャプチャした画像データである.

左図は,気象庁のホームページに掲載されている図を用いました.下表(各地の震度)はキャプチャした画像データです.

日向灘地震の発生間隔について

日向灘地震 - Wikipediaには次のように書かれている.

M7.6前後のものは約200年間隔で発生すると推定される.しかし,17世紀以降は1662年 (M7.6)と1968年 (M7.5)の2回発生しており,2回とも津波を引き起こし人的被害を出している.

また,M7.0 - 7.2程度のものは約20 - 27年間隔で発生すると推定され,1923年以降は1931年 (M7.1),1941年 (M7.2),1961年 (M7.0)の3回,また1984年 (M7.1)を含めて4回発生しており,いずれも人的被害を出している.

2種類の地震を合わせると十数年から数十年に一度の割合で発生している.

気象庁地震津波監視課の中村雅基課長は記者会見し,「震源は南海トラフ地震の想定震源域内だが,直ちに巨大地震につながるものではない」との見解を示している.

今年3月から今月9日までの間,日向灘で震度1以上の地震が12回発生,3月27日には最大震度4と3を観測している(資料).このような状況を踏まえて,南海トラフとの関連を指摘する学者がいることも事実である.

資料 今年3月に発生した日向灘地震

3月27日に発生した地震(整理番号21)において,延岡市の震度が4の時,熊本中央区大江は震度2

震央の変化(5月10日ー13日)

左 5/10/07.47

右 5/10/08.53

左 5/10/09.11

右 5/10/13.57

左 5/10/20.44

右 5/11/09.03

左 5/12/15.12

右 5/13/01.16

資料 熊本市災害情報メール(一連の日向灘地震の際に配信)

地震マグニチュード (magnitude) は.地震が発するエネルギーの大きさを対数で表した指標値である.揺れの大きさを表す震度とは異なる.マグニチュードは地震のエネルギーを1000の平方根を底とした対数で表した数値で,マグニチュードが 1 増えると地震のエネルギーは約31.6倍になり,マグニチュードが 2 増えると地震のエネルギーは1000倍になる.

(2019/5/17)