Discrete Geometric Structure Seminar
離散群の等長作用とグラフのスペクトルギャップ
近藤剛史 (Takefumi Kondo, Kagoshima University)
2017/11/30 (Thu) 13:00-16:30 (Rm 3-413)
Zukによるproperty(T)のスペクトルギャップによる判定条件や、井関納谷による固定点性質に対するWangの不変量を用いた十分条件は、いずれも離散群が等長に作用できる距離空間に制限を与えるものであり、超剛性の幾何学的研究の重要な一歩でもある。
講演の前半では、この井関納谷の定理に対するGromovのアイデアに基づく別証明を与え、後半では一つの応用例として、PGL(3,Q_p)の格子が非正曲率リーマン多様体の基本群になり得ない群の例を与える(これはGromovのある予想の反例でもある)ことについてなるべく予備知識を仮定せずに理解できるように解説する。