治療内容

治療について

電気治療

〘低周波〙

人間の神経や筋肉には、低い周波数のパルス電流に反応する性質があります。低周波治療器は、これを利用した医療機器で、体の表面につけた電極を通じて皮膚の表面から通電。それに対する作用を利用して治療を行います。

低周波の電流が流れると電極付近の筋肉が収縮、電流が止まると筋肉は弛緩します。この弛緩したときに血液が送り込まれることにより、老廃物を含む血液が送り出される現象が発生。これを繰り返すことで、血行が促進されるのです。また、痛みがある場所に低周波の電流を流すと、痛みを伝達する機能に働きかけて「脳に痛みを伝えにくくする」効果もあります。


〘低周波とマイクロカレント〙

低周波とマイクロカレントは似たようなものと考えられがちですが、実際は大きく異なります。低周波治療では、周波数1,200Hz以下の電流の刺激によって、筋肉に作用したり緩めたりするポンプ作用が働き、血液の循環が促されます。結果的に痛みの緩和に役立ちます。


一方、マイクロカレントは、ケガや痛みの治療に効果を発揮します。プロのスポーツ選手やトップアスリートがケガの治療にマイクロカレントを用いて、組織の回復がより早くなったという報告が多数寄せられています。


また、低周波が皮膚にピリピリした刺激を与えるのに対し、マイクロカレントは極めて弱い電流なのでほとんど刺激を感じません。そのため、電気の刺激が苦手な人でも使用できるのが特徴です。


マイクロカレントと低周波にはそれぞれ異なる特性があるため、2つを組み合わせることで、より高い効果が期待できるといわれています。 


マイクロカレントは、肉離れや打撲、捻挫、骨折といった、スポーツ時のケガや急性の痛みの回復をサポートすることが期待されています。また、ケガや痛みには至っていないけれど、なんとなく違和感があるといった場合にもマイクロカレントの利用が検討できます。

刺激感のある低周波は、炎症を起こして熱を持っている部位には使えませんが、ほとんど刺激がないマイクロカレントであれば使用できます。このように、ケガの一歩前の段階でも、急な痛みにも役立つため、今日のようにスポーツの現場で広く活用されるようになったのです。 

ファシアリリース 

ファシア(Fascia)とは「膜」のことであり、臓器、骨、筋肉、脂肪、靭帯、血管、神経などの組織を覆う膜の総称です。筋膜リリースでおなじみの「筋膜」もファシアの一つです。ファシアはすべての組織同士を分割し、かつ連結させています。ファシアが体を滑らかに動かしたり、支えたりしているおかげで、私たちの身体はいろいろな動きをすることが出来るのです。 

ファシアはコラーゲンやエラスチンといった繊維質のタンパク質と水分で出来た網目状の組織で、互いに引っ張り合って張力を保っており、多方向へ縮んだり伸びたりできます。この張力のバランスが崩れてくると姿勢や骨格の崩れにつながります。 

◎ファシアに以下のような負荷がかかると伸張性や滑走性(滑りやすさ)が低下し、可動域制限(動かせる範囲が狭くなる)が起こります。

・ストレス    ・運動不足    ・同一姿勢の継続

・不良姿勢    ・怪我や手術    ・炎症

 これらによりファシアが水分不足となり、‘よれ‘が生じると、隣り合った組織との動きが悪くなる「癒着」が起こります。

◎癒着を起こしたファシアには侵害受容器(痛みを感じる受容器)が集まりやすく、痛みを引き起こす原因となります。長時間のデスクワークやPC操作による肩こりや腰痛などはこれに当てはまり、筋膜性疼痛症候群(MPS)と呼ばれたりします。MPSとは、筋肉を包む膜「筋膜」の異常から起きる痛み・痺れなどの症状を起こす疾患で、日本では筋痛症とも呼ばれます。

 【ファシアとトリガーポイント】

筋疲労や血行不良を放置しておくとファシアが癒着を起こします。癒着を起こすとファシアに分布している侵害受容器が過敏になっていき、この過敏化した侵害受容器がトリガーポイントを形成していきます。

 トリガーポイントとは発痛点という意味です。トリガーポイントはその箇所自体がしこりのようになっていて痛みを感じることもありますが、痛みを感じる場所としこりのある場所が異なる場合もあります。これを「関連痛」と呼びます。痛む場所を施術してもあまり変化がない場合は離れた場所には、トリガーポイントがあるかもしれません。 

温熱治療