[1] 宝塚医療大学保健医療学部柔道整復学科
柔道整復師国家試験は2019年度に実施された第28回より出題基準が大幅に変更されたため,それまでに実施されてきた国家試験の内容と新出題基準により実施される内容について比較検討する必要性がある。特に「保険診療に関する知識」及び「関係法規に関する知識」に関する関係法規科目の必修問題に占める割合は大幅に増加しており,出題傾向を分析することは今後の国家試験対策において重要である。そこで旧出題基準の第18回~27回と新出題基準で行われた第28回の試験を対象に関係法規科目での出題傾向について検討を行った。その結果,新出題基準の大項目による出題項目別では必修問題において第28回では「1.患者の権利」,「2.医療過誤とリスクマネジメント」,「6.柔道整復師と国民医療費」の出題割合の増加を認めた。一方,「4.柔道整復師法」,「5.関係法規」についての出題割合は減少した。これらより新出題基準のもとで実施される関係法規科目の国家試験対策として,新出題基準の大項目に示されている「4.柔道整復師法」や「5.関係法規」だけでなく,患者の権利・医療過誤・リスクマネジメント・保険診療に関する知識・国民医療費なども含めた,関係法規科目の幅広い知識を身に着けておく必要があると考えられる。
キーワード:柔道整復師,国家試験,関係法規科目,出題基準,出題傾向
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