日頃から東洋英和女学院大学・死生学研究所の活動にご理解ご協力いただき、まことにありがとうございます。
当研究所は、本学創設時に赴任した霜山徳爾教授が臨床心理学の講座を設立すると同時に死生学講座の開設に尽力した結果、2003年10月に発足し、2004年より、平山正実初代所長と複数の幹事の下で活動を開始しました。以来、年間の共通テーマを掲げた公開連続講座、『死生学年報』の発行、また、2006年からは年1回、公益財団法人・国際宗教研究所と共催の「生と死」研究会も開催しています。コロナ禍では、講座の開催が危機に見舞われましたが、オンラインでのウェビナー形式の開催に移行し、全国、時には海外の講師、一般の方々などと繋いで活発な議論が行われる形となりました。
先端技術がいくら進んでも、人類は死を免れることはできず、また、現代人は、これまで以上に戦争やテロ、感染症など生命を脅かされる様々な危機に見舞われています。その中でどう生きるか、どう人生を全うするか、それに寄り添うか、生と死をめぐるトピックには事欠きません。
当研究所は「総合的な学としての死生学」を目指しており、それに合わせて2022年には奥山倫明所長の下、英語名称をInstitute for Life and Death Studiesに改めました。2025年3月には第21巻となる『死生学年報2025 葬送と墓制の現在』を、ヨベル社より発行いたしました。ご高覧いただけましたら幸いです。尚、過去の巻の掲載論文のうち、著者の許可が得られたものは、本学大学図書館のリポジトリにて公開もしています。是非ご活用ください。
本年度より、奥山倫明所長に代わり秋本倫子が本研究所の所長となりました。国内で数少ない死生学の研究を掲げる本研究所が、研究者や医療・福祉・教育等の実践家のみならず広く国民の皆様が生と死の重要な問題を考えるきっかけや交流の場を提供できるよう、発展のために尽力して参ります。
今後ともご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
2025年4月
東洋英和女学院大学・死生学研究所
所長 秋本倫子
2003年 東洋英和女学院大学・死生学研究所設置。
公開講座として柳田邦男氏による特別講演会開催。
2004年 所長・平山正実。公開講座・テーマ「生と死に向きあう」。
同年度より『死生学年報』刊行開始(第1巻が『年報2005』)。
2005年 所長・飽戸弘(学長による兼任)。公開講座・テーマ「生と死の表現」。
2006年 所長・山田和夫。公開講座・テーマ「生と死の表現Ⅱ」
2007年 所長・渡辺和子(~2018年度まで)。公開講座・テーマ「語られる生と死」
2008年 公開講座・テーマ「語られる生と死Ⅱ」
2009年 公開講座・テーマ「作品にみる生と死」
2010年 公開講座・テーマ「作品に見る生と死Ⅱ」
2011年 公開講座・テーマ「生と死のその後」
2012年 公開講座・テーマ「生と死のその後Ⅱ」
2013年 公開講座・テーマ「生と死の語り」 2014年 公開講座・テーマ「生と死の語りⅡ」
2015年 公開講座・テーマ「生と死に寄り添う」
2016年 公開講座・テーマ「生と死に寄り添うⅡ」
2017年 公開講座・テーマ「生と死の物語」
2018年 公開講座・テーマ「生と死の物語Ⅱ」
2019年 所長・山田和夫(~2020年度まで)。公開講座・テーマ「死生学の未来」
2020年 公開講座・テーマ「臨床死生学の意義」
新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、Zoomによるオンライン開催に変更。
2021年 所長・奥山倫明。公開講座・テーマ「スピリチュアリティの可能性」
2022年 公開講座・テーマ「死生学の拡がり」
2024年 公開講座・テーマ「葬送と墓制の現在」
2025年 所長・秋本倫子。