2023年6月28日（水）、埼玉県川口市の「芝園団地」を見学しました。

前自治会事務局長の岡﨑広樹さんが案内役を引き受けてくださり、何度も立ち止まり解説を加えながら、約1時間半団地の全体像についてレクチャーしてくださいました。

現在芝園団地では、日本人高齢者世帯と外国籍若者世代の住居者の二極化が進み、そこには世代間、文化間での交流の希薄さが目立つということでした。そのようななかで、岡﨑さんは自治会として生活上のルールをわかりやすく説明して生活トラブルの軽減に努めたり、大学生ボランティアグループを団地内に引き入れ、団地住民の「共存」に取り組んでこられました。最近では自治会役員も80％が外国籍の住民で構成されるようになったそうです。

また、2015年から始められた大学生による「芝園かけはしプロジェクト」は、人間関係づくりのきっかけをつくるイベントを行なったりして、地道に草の根活動を続けているということです。人口構成・構造的に将来の日本の縮図とも言われる芝園団地ですが、そこには同じ空間に住む住民としてより快く過ごしたいという地に足の付いた日常の生活と、芝園団地という場に集う人々による、つながりをつくり続ける一歩踏み込んだ努力を感じ取れました。

初夏の汗ばむ日光の中、岡﨑さんに時間目一杯までお話をいただき、学生たちは興味深そうにメモを取ったり、写真を撮ったりして、熱心に見学していました。今後の都内団地で自分たちが行う調査や活動に際して、今回の見学で得た知見はとても重要な意味をもつことと思います。

（文責：山本佳奈）