メディアコミュニケーション学科

2022.02.25FRI

「新聞活用プロジェクト」講師派遣による授業で、読売新聞鈴木美潮氏が「ニュースリテラシー」について講義を行いました

メディアコミュニケーション学基礎演習(志柿ゼミ)では、2021年11月9日読売新聞教育ネットワーク事務局専門委員、鈴木美潮先生に「ニュースリテラシー」というテーマでお話しいただきました。

SNSの普及によりデマが拡散しやすい状況になっている中で、各国でどのような取り組みがなされているのか外観したあと、リテラシーをめぐる諸問題についてお話がありました。

[写真1: 使用したスライド、2021.11.9]

そこでは、悪意のない誤情報の取り扱いはどうしていくのか、基本的人権である「表現の自由」と規制との兼ね合いなど、その対応の難しさに関する説明がありました。また、昨今のAI技術革新により広がり始めている「ディープフェイク」技術による巧妙なニセ写真や映像の拡散など、単に鵜呑みにしないといった説明では対応できないようなケースも増えてきている現状についても説明がありました。

これだけではなく、ポスト・トゥルース(世論形成過程において、客観的な事実より虚偽であっても個人的感情に訴えるものの方が強い影響力を持つ状況)を迎えている現状があることも触れられ、改めて情報を見極める力の向上の重要性についての説明がありました。
具体的に、例えば発信元や根拠の有無など情報の見極める際に考える必要がある点があげられ、また実際に情報の受信者および発信者になる場合の心構えなどについて説明がありました。この中では、編集やチェックの入り瞬時にニュース価値が判断できる新聞社のニュースの有効性に関してもお話がありました。

[写真2 鈴木美潮講師 当日の様子]

学生からは、ニュースの見方はどうしたらいいかといった具体的な質問や、多様な情報にふれることに改めて気づいたなどのコメントがありました。デマや誤情報、ポスト・トゥルースに関する事象は、単に「情報を鵜呑みにしてはいけない」と一言で片付けられるようなことではなく、改めて今後の時代に合わせたリテラシー能力の向上、およびクリティカル・シンキングスキルを身につけることの必要性に気づかされます。