2024.12.09|MON
2024.12.09|MON
2024年11月25日~12月9日まで、協定校であるウクライナのState University “Kyiv Aviation Institute”(州立キーウ航空大学)より、4名の先生方を研究員として受け入れました。約2週間の間、それぞれのご専門やご興味に関係する本学の教員との交流や施設・授業見学等をとおして、本学における高等教育や研究、情報基盤等について知見を深められました。
白山キャンパスでは澤口副学長による「日本の高等教育と東洋大学の質保証」について、荒巻副学長による「東洋大学の国際化」についての講義の他、法学関係の教員との交流を行いました。また、赤羽台キャンパスでは福祉社会学科の荻野学科長をはじめ日本の社会福祉制度や年金制度についての議論や情報交換、情報連携学部ではカリキュラム等に関する講義を受け、視察を行いました。また、朝霞キャンパスでも施設見学や教員との交流を行いました。
12月4日(水)には同大学国際関係学部長のユリイ・ヴォロシン先生が「Ukraine and Japan: Sustainable Development in the Context of Global Conflicts(ウクライナと日本: グローバルな紛争の文脈における持続可能な開発)と題して本学学生向けの特別講演を白山キャンパスのEnglish Community Zoneで行いました。
ヴォロシン先生は、世紀転換期における国際法秩序の発展と持続可能な開発の主要動向を紹介した上で、ウクライナの現状やウクライナに対する日本政府の支援、両国間における協力の拡大、共通する基本的価値観の紹介、北方領土に対するウクライナの見解等多岐にわたりお話いただきました。
日本人学生に加え中央アジア等からの留学生、ウクライナからの交換留学生等関心のある学生たちが集まり真剣に講演を聴いていました。講演後は日本の民間部門のウクライナへの戦後復興支援やアメリカ大統領の交代による影響についての質問に丁寧にご回答くださいました。
今後も両国が様々な分野で協力することによりウクライナの戦後復興と持続可能な開発がなされていくことが期待されます。
また最後に、今後語り継いていきたいという体験談をシェアしてくださいました。先生のお母さまは今やロシアに占領されたマリウポリにお住まいだった頃、種をまきに外出した際に戦闘が始まり、着の身着のままシェルターへ逃げ43日間を過ごされた。その後、種だけを持って先生がお住まいのキーウに何とか逃げてこられ、その種を蒔かれ、新しい芽が出た、と。他に何もなくても、種があれば、未来は拓かれていく、とお話しくださいました。小さな希望の大切さを実感する素敵なお話でした。
2週間という短い期間ではありましたが、先生方の受入れは本学にとっても大変有意義なものとなりました。今後も州立キーウ航空大学と本学、ウクライナと日本の友好関係が更に発展していくこと、一日も早くウクライナに平和が戻ることを願っています。