海外大学院留学体験談

佐竹 春香 さん 
国際学部グローバルイノベーション学科卒)

進学先:ジョージワシントン大学・エリオット国際関係学大学院

在学中に参加した留学プログラムDC研修プログラム(2年次)
GINOS 1年交換留学プログラム(2年―3年次 スペイン・デウスト大学)


Q: 海外大学院進学を決めたきっかけ、また現在の大学院を選んだ理由を教えてください 

東洋大学在籍4年目の後期に参加したTWCオンラインインターンシップを通じて、日韓歴史問題やアジア研究に興味を持ち、それまで東洋大学で培ってきた英語力を活かして、インターンシップ先であったワシントンDCでさらなるアジア研究を深めたいと思ったのがきっかけです。また、在日韓国人としてのアイデンティティーを海外大学院進学先でも深め、それまでの自分の経験を活かしてさらなる成長とキャリアを積みたいとの思いもありました。

在籍中の大学院を決めた理由としては、1. ワシントンDC内にあるということが国際政治を学ぶ上で素晴らしい条件であり、2. 大学内にDC内で最大の大学院韓国研究機関があるということ、そして3. 私の申請書に個人的に連絡をくださったり、すでに存じ上げていた教授がいたということが主な理由です。

Q: 現在はどのような研究をされていますか?

現在は主にアジア太平洋地域を中心とした国際政治、安全保障、歴史を学んでいます。どれも密接に結びついており、その中でも特に東アジア(日本・韓国・北朝鮮・中国・台湾)と米国との関係を多方面から学んでいます。

特にワシントンDCは安全保障分野の研究が盛んであるため、台湾有事、北朝鮮核ミサイル問題、日韓歴史問題、日米同盟などの研究に取り組んでいます。個人的研究として大学院研究機関に所属しながら、現在台湾慰安婦や台湾有事など台湾を中心とした問題に取り組んでいます。

Q: 海外大学院の出願、手続きについて教えてください

出願必要書類一式を揃え大学に出願します。必要書類は主に、履歴書、志望動機書、英語語学能力試験、推薦書(2枚もしくは1枚)です。
私の場合、お金がかかるためエージェントは介さず、自分で全て準備し出願しました。そのため、履歴書、志望動機は下書きを書いたあと、英語で友人に添削してもらったり、推薦状は東洋大学の当時の教授お二人に書いていただきました。
英語能力試験はある一定のスコアが最低合格ラインとしてあるため、そのラインを最低でも取得することができないと不合格になります。英語能力試験は高い方がもちろん有利ですが、同時に志望動機でいかに自分が志望大学院進学に最適であるかを説明することも重要です。

Q: 1日の過ごし方(起床から就寝までのタイムスケジュール)

Q: 海外大学院へ進学して良かったと思うこと、やりがいや日々楽しんでいること

ワシントンDCは国際色豊かなだけでなく、ジョージタウン大学、ジョン・ホプキンズ大学なども近いため、特に国際政治分野に興味のある学生が多く集まっています。またさまざまな国際機関や政府機関が大学から目と鼻の先に位置しているため、インターンシップに非常に有利です。それぞれの分野の著名人が大学にゲストとして招かれイベントやヒアリングなど彼らの貴重な話を身近に聞くことができます。現在はそれらのイベントやセミナーになるべく多く参加し、たくさんの著名人の方々のお話を聞くのが楽しみの一つです。

また、日本食教育プログラムを行っている団体に所属しており、ワシントンDC内の小学校でボランティア活動を行っています。たくさんの現地の子供達触れ合うことのできる貴重な時間であり、とても充実しています。

Q: 海外で長期滞在する上で、苦労していること、大変だと感じること

生活面では車を持っていないことが苦労することの一つです。ワシントンDCには地下鉄が整備されていますが、DC郊外に行きたい場合、アメリカは車社会であるため車がないと遠くへ行くことができません。また、最近は円安に加えてアメリカ国内のインフレが続いているため、金銭面でとても苦しい状況が続いています。その為なるべく外食を控え、自炊を心がけています。日本食が現地ではとても高いため、長期滞在となると大量の日本食をいつでも日本から持っていくことができないのが残念です。

Q: 将来のビジョンについて

大学院卒業後はその一年間、現地でCPTという就労期間を通じてインターンシップや現地企業・機関とのネットワークを深め、そのまま現地就職を目指しています。しかし、VISAが取得できないと米国に長期滞在できないため、VISAやスポンサーシップを出してくれる企業や機関で何年か働く予定です。主にアジア研究のリサーチャーとしてDC内のシンクタンクで働くことが今の目標です。現地での就職難も考慮し、日本でも同時に就職活動を行うことを予定しています。

Q: 海外大学院留学を目指している学生へアドバイス

海外大学院進学と聞くととても高い壁のように感じる方もいらっしゃるかもしれません。私も出願時は同じ気持ちでした。どうせ自分なんか海外の大学院には通用しないと思っていました。でも自分が思っているよりも多くの可能性があることを知ってほしいです。きちんと出願条件を満たし、本当にここに行きたい、なぜそこに行きたいのかという具体的な志望動機が書けていればきっとあなたを見つけてくれる大学院があるはずです。本当に行きたい気持ちがあるのであれば、一度失敗してもめげずに頑張ってください。大学院に進学することで別世界を見ることができるかもしれません。