黄 海燕さん (2025年卒)
1.いつからどのような就職活動を始めましたか
2023年、3年生の4月から就職活動を始めました。まず、授業科目の「異文化理解概論」を履修し、就活の流れや就活のために準備すべきことを知りました。また、日本で就職できるレベルまで日本語力を向上させる事前準備を行いました。7月から企業説明会に参加しながら留学生就職支援室の講座に参加し、積極的に対策を進めました。本格的な就職活動は、2024年3月(4年生になる前の春休み)から始めました。
2.苦労したこと、大変だったことはどのようなことですか
4年生の6月頃自信を喪失し、どん底の状態が数か月間続いたことです。山を登っているのに、いつ、てっぺんに到着するのか全然見えませんでした。興味と適性に合わない企業にもたくさん応募しました。その結果、無駄な時間がかかりましたし、不合格の結果も何度も受けました。何回かの失敗は気にしませんでしたが、それが何10回も続いてどんどん自信が失われていきました。それまでは自信を持っていたのに、自分に対する認識が間違っていたのかと自己否定の気持ちが強くなり、モチベーションを失いました。さらに、まわりのみんなは8月までに就職が決まり、自分だけが取り残されているという不安を強く感じました。
3.どうやって克服しましたか
二つの解決策を実行しました。一つ目は、留学生就職支援室へ行き先生と相談や面接練習をしたこと、二つ目は、自分にとって価値ある仕事を探せるツールを広げました。マイナビやキャリタスだけではなく、他の就職エージェントや大学のTO YOUなどを活用してより多くの企業と出会えるように頑張りました。一人で考えていないで、どんな小さなことでも何か行動すれば少しずつ山の頂上に近づいていくと思います。
4.留学生就職支援室をどのように活用したのか、もう少し詳しくお話しください
まず、就活のサポートです。自己分析、エントリーシートなど留学生就職支援講座をいくつか受講しました。それから、エントリーシートが通過しても面接で不合格になることが多かったため、何度も面接練習をしました。私の弱みは話が長すぎて相手にポイントが伝わらないことでした。簡潔にわかりやすく話しをまとめたり、一貫性のある話しをする練習に加えて発音練習をしました。
次に、メンタルのケアです。私はよく支援室の先生に悩み相談をしました。気分転換ができますし、自分が気づいていないことに対するヒントがもらえました。例えば就活前半は大手企業のみ挑戦しましたが、先生と相談する中で、自分の価値観は「多様な仕事にチャレンジしながら専門性を追求すること」、「人をサポートすること」「自分の存在感を感じながら働きたいこと」が明らかになってきました。「いろいろな業務に携わりながら自分の存在価値を感じたいのなら、大手よりも中小企業のほうが合うかもしれないね」とアドバイスを聞いてから、企業の選択肢が広がり始めました。一人で壁を越えるのが難しくても、だれかと一緒なら別の角度から物を見ることができると思います。
5.日本語力を向上させるために、どのようなことをしましたか
1年生の夏休みから4年生の春学期まで、大学にあるほぼすべての日本語講座を受講しました。特にインプットとアウトプットの機会を増やすために「日本語STEP UP講座」を利用しました。そこで、会話、敬語、プレゼンテーション、メールの書き方など基礎から応用まで幅広く知識を身に付けました。また、日本語を話す機会を増やすためにJSPAという日本人学生と外国籍の学生が協力してイベントを企画・運営する学内の国際交流グループに入りました。チームメンバーとアイディアを出し合い、それを形にしていく過程で達成感を得ました。就職活動でもこの経験を生かしたエピソードを多く伝えました。日本語能力の向上に力を入れ、大学4年間充実した学びを得ることができました。
6.実際に就職を決めた会社についてお話しください
私は卒業する2か月前、4年生の1月に3社から内定をもらいました。その中で、税理士事務所に就職することを決め、満足しています。4月から正社員になりますが、2月からこの事務所でアルバイトをしています。仕事を通じて学べることが多く、自分が成長していると実感しています。小さな事務所なので、自分の努力をしっかり評価してもらえるためやりがいを感じています。仕事の飲み込みが早いことや小さなことでも注意を払って真面目に仕事に取り組む姿勢を褒めてもらい、自信がつきました。風通しが良く質問しやすい環境なので、仕事への理解も深まります。新しいことを覚えて次に応用することにもやりがいを感じています。
7.就活を通して成長したと思いますか
はい、失敗しても人の評価が気にならなくなりました。山に登っているとき山頂が見えなくても、止まらないで自分を信じて登れるようになりました。また、自分の知らない面をたくさん発見できました。
8.後輩へのアドバイスをお願いします
一つ目は、3年生のときに早期選考に参戦しなかったことを後悔していることを伝えたいです。3年生のときは軽い気持ちや練習のつもりで企業説明会に参加していたので、せっかくのチャンスを失ってしまいました。二つ目は、私は2024年に様々な失敗がありましたが、2025年になって3社から内定をもらいました。だから、「捨てる神あれば拾う神あり」と信じています。どんなことがあっても絶対にあきらめないほうがいいと思います。あきらめなければきっとご縁のある会社に出会うことができます。
蘇萌さん (2026年卒予定)
1.いつからどのような就職活動を始めましたか
1,2年生のときは大学院進学を考えていましたが、2年生の2月に春節で中国に帰国し、両親と進路について話し合ったときに「自立することの大切さ」を強く感じて日本で就職することを意識し始めました。国際貿易に興味を持ち、3年生になるとすぐにマイナビで情報を集めたのですが、海外取引業務を任されるには数年間の経験を積む必要があることを知り、一度迷いが生じました。3年生の秋学期にSler業界に就職した先輩の話を聞き、IT業界に挑戦することを決めました。ITパスポートを取得したり、プログラミングの授業やPaizaを活用したり、積極的に準備しました。しかし、いくつかの会社説明会に出たところ、自分の想像と現実の仕事とのギャップの大きさに悩むようになり、半導体や電子部品などメーカーの説明会にも積極的に参加するようにしました。しかし、興味や志望理由が湧いてくることがなく違和感を覚えました。最終的に、自動車部品メーカーであれば製品の役割を具体的に理解でき、自分の関心とも結びつくことが分かり、第一志望として目指すようになりました。
2.苦労したこと、大変だったことはどのようなことですか
就職活動を始めた当初は、どのように会社を探せばよいのか全く分からず、マイナビで「国際貿易」などのキーワード検索をしても、なかなか情報が得られませんでした。身近に相談できる先輩もいなかったため、孤独に情報収集を続けざるを得ず、とても効率が悪かったです。また、IT業界に挑戦した時も、IT経験のない自分がインターンシップに参加できる機会は限られており、その分自分で資格やプログラミンのグ学習に多くの時間を費やす必要がありました。時間のやりくりも含め、計画的に進められないことが大きな課題でした。精神的には、就職活動を進める中で「自分は本当にこの業界に合っているのか」という不安が常にありました。特にIT業界を目指していた時期、当初は「努力すれば通用する」と思っていましたが、自分の適性とのギャップに強い挫折感を覚えました。また、周りの友人があまり積極的に就職活動の話をしなかったこともあり、孤独感を持ちながら一人で試行錯誤を重ねていました。
3.どうやって克服しましたか
物理的な面では、最初は情報が少なくて効率が悪かったのですが、大学の就職キャリア支援室(白山6号館)や留学生就職支援室(白山8号館)のイベントに積極的に参加するようにしました。特に説明会やグループディスカッションに出ることで、情報も少しずつ増え、同じように就職活動をしている人と出会うきっかけにもなりました。また、自分一人では弱気になりやすいので、一週間の会社説明会参加数など具体的な小さな目標を設定し、達成感を積み重ねることでモチベーションを維持しました。
精神的な面では、孤独感や挫折感を強く感じた時期もありましたが、親友、親、支援室の先生方との相談を通じて「試行錯誤の中で方向性が見えてくる」という考え方を持てるようになりました。その結果、自分に合った業界を探す姿勢を前向きに保ち、最終的に自動車部品メーカーという納得できる志望先にたどり着けました。
4.就職を決めた会社の魅力を教えてください。
ヨロズ株式会社の魅力は、まずサスペンション分野で日本一の技術力を持っている点です。また、海外拠点も多く、グローバルな視点で仕事ができる環境があります。自動車や自動車部品業界での知識や経験を積むことができ、将来的には貿易業務にも関わるチャンスがあります。私はイギリスへの短期ビジネス留学の経験もあり、英語や日本語を使った異文化理解力を活かした仕事に興味があります。その点で、ヨロズ株式会社での業務は、自分の強みや将来の目標に合っていると感じました。
5.入社後の目標を教えてください。
入社後まずは自動車部品メーカーとしての知識や仕事の経験を着実に積み重ね、3年後には海外拠点の担当として活躍できるようになりたいと考えています。留学経験や語学力を活かし、異文化理解を大切にしながら、海外の取引先や拠点との円滑なコミュニケーションを実現できる社員になりたいです。
6.学外の活動で力を入れたことを教えてください。
就職活動に向けて日本語会話力や接客力を高めるため、販売のアルバイトに積極的に取り組みました。お客様の要望を的確に理解し、適切な対応をする経験は、就職後にも必ず役立つと感じています。また、学生寮のサポートボランティア活動にも参加し、多様な背景を持つ人々と協力して物事を進める力や、他者の立場を考える力を養うことができました。こうした経験を通じて、コミュニケーション能力やチームでの協働力を身につけることができたと思います。
7.就活を通して成長したと思いますか
まず、挫折への耐性がつきました。就職活動では思い通りにいかないことが多くありますが、一つ一つの失敗から学び、原因を分析して改善することの大切さを理解しました。次に、行動面・スキル面では情報収集の効率が上がり、信頼できる情報と注意して扱うべき情報を見極められるようになりました。また、PDCAサイクルを意識して計画的に行動する力や、STAR法(*状況・課題・行動・結果を順序だてて説明する方法)を使った自己PRや面接での説明力も身につき、より効果的に自分の経験や強みを伝えられるようになりました。
8.後輩へのアドバイスをお願いします
まず、日本語力の向上が必須です。留学生はどうしても言語の面で不利になることが多いので、できるだけ早く日本人と交流する環境に身を置くことが大切です。私の場合は、大学3年生の頃からサークル活動や販売のアルバイトを通じて会話力を鍛えましたが、こうした経験は就職活動でも非常に役立ちました。次に、情報収集の早期開始です。留学生は日本人に比べて、情報を集めるスピードや理解のスピードが遅くなりがちです。できるだけ早く、3年生の夏休み頃までには準備を始めることをおすすめします。最後に、仲間と一緒に取り組むことです。就職活動は一人で行うよりも、同じ目標を持つ仲間と情報を共有したり、悩みを分かち合ったりすることで、精神的にも大きな支えになります。留学生は特に競争意識よりも団結を意識して、一緒に頑張ることが大切だと思います。