国際地域学科4年生の戸田桃香さん主催のイベント
「ユース×社会 対話の場―ユースと社会がつながるそんな日に・・・―」が行われました
国際地域学科4年の戸田桃香さんが企画・実施したこのイベントは、
#性教育#月経#ジェンダー#福祉#減災#サステナブル#イノベーション#政治
をキーワードに活動している学生団体などが集まり、それぞれの夢や思いを語り、ともに未来をつくるためにつながることを目的としたもので、関連する企業や、医療関係者、性教育の専門家の方々にもご参加いただきました。
2024年8月23日、このイベントに参加したユース団体は、Toyo-MeWプロジェクト(月経をめぐるウェルビーイング向上をめざす東洋大学の団体。国際学部国際地域学科3年生の遠藤里歩さんが共同代表)、学生団体carutena(洋服の廃棄問題からサステナブルを考える。東洋大学国際学部国際地域学科4年生塩谷菜歩さんが代表)、connect-性教育を考える学生の会-(東京大学のインカレサークル、月2で性教育にまつわる勉強会を開催)、埼玉大学のSpring Up(広く社会問題について考え声を上げる)、任意団体HANABI(障がい当事者と社会との壁を壊し、「新バリアフリー社会」をつくりたい)、TOM JAPAN(学生主導!障がい当事者ならではの視点を活かしたプロダクト開発チーム)、減災共育団体PAMDA(過去の災害から学び、減災について考える)、立候補年齢を引き下げるためのプロジェクト(「若い世代の声を政治の場に!」)、Me Careプロジェクト(ユース世代が心理的に安全で頼れる存在(場)を創出。イベント企画者の戸田さんが2年生のときに立ち上げた一般財団法人ウェルネスサポートLabのユース向け事業)の9団体でした。
イベントの第一部では、各団体の目指すゴールについて共有し、第二部のパネルディスカッションでは、『月経を「タブー」から、多様な社会課題を考える切り口へ』をテーマに意見交換がおこなわれました。男性としてどのように知識を得たらいいかわからない、圧倒的に機会がない、小学校から高校までにうけてきた男女別の性教育への疑問、月経についての男性側の理解は「まだまだ」といった意見が出ました。また、「理解したくても、どこまでどのように踏み込んでいいのかわからない」というのが問題で、これは、いつでも誰にでも起こる問題だという気づきもありました。たとえば、障がいのある人にどこまで突っ込んだ質問をしていいのだろう、という思いは健常者の多くがもっています。これに対して、任意団体HANABI代表のまつりさんの「壁はいつも1枚ではない。当事者とまわり、必ずその両者がつくっている」という言葉が印象的でした。
また、「月経をもっとオープンに」とは言っても、いつでも誰に対してもオープンになれるわけでも、オープンにしたいわけでもない、という当事者の微妙な心情に対する指摘もありました。「壁はゼロにすべきか、すべきではないのか?」という単純な問いに対しては、「正解はない。ひとつの解決策で簡単に解決できない」という気づきと、「それこそがこの問題のおもしろさだ」というさらなる気づきが共有されました。そして、それでも、とても短いあいだに、いろいろなことが口に出しやすくなっていること、社会はどんどん変化しているという実感も共有されました。
各ユース団体の代表によるパネルディスカッション
(右から1人目主催者・戸田さん、右から2人目carutena代表・塩谷さん、
左から1人目HANABI代表・まつりさん、左から2人目Toyo-MeWプロジェクト代表・遠藤さん)
プロジェクトの活動内容を紹介するToyo-MeWプロジェクトメンバー
(左から、東洋大学社会学部社会心理学科3年下村真央さん、
国際学部国際地域学科2年嘉手納優花さん、
文学部日本文学文化学科3年川島葵さん、
国際学部国際地域学科3年小笠原岳さん)
参加したToyo-MeWプロジェクトメンバー
Toyo-MeWプロジェクトは、東洋大学全学のトイレでの
生理用品の無償配布を大学にはたらきかけて実現しました。
ユースがつながる「社会」の側には、日本カルミック株式会社さん(東洋大学国際共生社会研究センターとともに、大学におけるトイレ環境に関する共同研究を実施中)や、ツムラ #OneMoreChoice プロジェクトさん(東洋大学がCarellege Actionに賛同し、研修を実施)、murmo(マーモ)さん(日本製月経カップを開発)、セイシル(TENGAヘルスケア)さん(10代の若者が抱える性のモヤモヤにこたえるwebメディア)などがご出展・ご参加くださったほか、多くの医療関係者、性教育の専門家の方々にもご参加いただきました。
東洋大学をはじめ、賛同大学とともに実施している、いつもの大学を、いつでも頼れる場にする取り組み Carellege Actionについて説明してくださった
株式会社ツムラ
Toyo-MeWプロジェクトのメンバーとフェムテック東京の会場で出会ったご縁で参加してくださった
日本製の月経カップを開発したmurmo(マーモ)の高島さん
第三部では、イベントに参加した出展者と一般参加者の方の交流会が行われました。みなさん声をそろえて「とてもエネルギッシュな若者たちに出会えて、未来は明るいと感じられました」とおっしゃっていました。
(国際学部国際地域学科教授・中村香子)