【New】第14回:新木奈々さん(理工学部応用化学科 2018 年卒業)


ものづくりを仕事に

日清紡マイクロデバイス株式会社に入社し、半導体プロセス・素子開発を行っています。

現在の業務では、ワイドギャップ半導体を用いたパワーデバイスの開発に携わっています。数年後に量産・製品化することを目標に、共同研究先と連携しながら、ターゲットとする性能をもったデバイス作製のために試作作製や要素実験を繰り返しながら、量産化への準備を進めています。

試作作製をする上では、設計した通りの形状や特性が得られないことや、想定外の装置故障などで予定通りに行かないことも多々あります。そうした中で競合他社に負けないようにスピード感を持って進めることは大変ですが、なぜこのような特性が得られたのか?どうしたら効率良くできるのか?こうしたらうまくいくかもしれない!などと仮説を立てて、同じグループのメンバーと議論しながら進めていくことは楽しくもあり、そうした議論の末に決定した内容で実験がうまくいったときにはとても嬉しくなります。

日清紡マイクロデバイスでは、60年以上にわたって電子デバイスおよびマイクロ波製品の開発・製造・販売を行っています。当社の製品は、スマートフォンや自動車、ゲーム機、家電等の身近なものから、FA機器や医療機器、各種センサー、衛星通信機器等の日ごろあまり目にしないような特別な機器にまで幅広く採用されています。現在はパワーデバイスの開発に携わっていますが、将来はより多くの技術や製品にも携わっていきたいと考えています。

自分の転機となった出来事

究室配属です。学部卒での就職も考えていましたが、材料系の研究室で研究活動を進めるうちに、もっと大学での研究を進めていきたい、ものづくりに携わる仕事がしたいと強く思うようになり、博士前期課程に進みました。もし別の研究室だったら、全く違う業界や職種で働いていたかもしれません。進路に関しては先生にもたくさん相談に乗っていただき、その上で良い選択ができたと思っています。1つ1つの選択の積み重ねが、その先の未来を大きく左右したのだと思います。

仕事を通して見えたこと

1つの試作を設計から評価ができる状態まで進めるだけでも数か月を要し、素子開発には思っていた以上に本当に多くの時間や労力がかかるのだと実感しています。自分が開発したものが世の中に広まり、製品としてたくさんのお客様の手に渡ることは何にも代えがたい喜びになるのだと想像でき、その心境に至りたいという気持ちは日々の仕事のモチベーションにもなっています。自分が開発に携わったものが製品化できるよう、これからも現在の素子開発に邁進していきたいです!

現場での作業の様子

【日清紡マイクロデバイス株式会社  https://www.nisshinbo-microdevices.co.jp/