第10回:石丸匡章さん(工学部機械工学科2003年卒業)

🔷未来に向かう子供たちのために🔷

 公立高校教員の仕事は、生徒が夢を見つける環境を整え、その夢を実現するための進路指導を行うことが主な内容となります。それ以外にも部活動、行事運営、入試業務など業務内容は多岐にわたります。

 

今の仕事についてから知った意外な事

 業務内容からもわかるように、世間一般で言われている教員の業務過多は否めません。しかし、生徒と一緒に行事運営やクラス運営を行うことで、もう一度高校生活を体験しているような充実感を味わえるのは他業種にはない教員ならではの特権といえます。

 

今の仕事に必要なスキル・あったらいい資格等

 実際に教員を目指すには校種・教科別の教員免許が必要になります。資格以外のことでいえば、ここ数年でオンライン授業を実施できる情報リテラシーがどの教科の教員を目指すにしても必須となっています。

 

今までで印象に残っている仕事・忘れられない仕事

 授業内で行ったプレゼンテーション指導の中で、生徒の作品が全国高校生プレゼンテーションコンテストで参加約2000チームの中から上位6チームに選ばれ全国決勝大会に進出したことがありました。全国の名だたる私立高校のチームを抑え、公立高校として唯一の全国決勝大会進出は県教育委員会にも評価をいただき、県知事への表敬訪問をさせていただく運びとなりました。この経験はコロナ禍で様々な思い出を奪われてしまった生徒たちにとって、感慨深い思い出として刻まれ、またこの大会をきっかけに自分の進路を決めた生徒がいたことも教員冥利に尽きる経験となっています。

 

自分の転機となった出来事

 私が教員を目指したきっかけはSEとして働いていていた社会人3年目に上司から言われた「新人の教育係を頼まれてくれないか」という一言でした。企業において後輩を教育するということは、いうなれば自分のポジションを任せられる人材を育てることでもあり、そこに対して情熱を持ち続けることができない自分がいました。同じ教育をするという立場であるなら、「私の経験や知識を自分の夢の糧とし、多種多様な人材として社会で活躍していってもらいたい」、そう思った時に情報科教員として教壇に立つことが私の目標となりました。

   大学時代に教員免許を取得していなかった私にとってはその道のりは決して平坦なものではありませんでしたが、教員免許取得に必要な単位を科目等履修生として修得し私立高校、公立高校臨時採用講師を経て採用試験に合格、縁があって今は自分の母校で教壇に立ち、後輩である生徒と日々向き合う毎日を送っています。

 

仕事を通してみえたこと

 私にとって仕事は自分の夢でもあります。夢に向かってチャレンジをすることに遅すぎることはありませんし、夢を叶えた後には、さらに高みの夢が自然と生まれるものです。私はこの先も、夢を追い続ける自分の姿を生徒たちに見せ続けていこうと思います。私の背中を見て「教員って楽しそう、教員になりたい!」と思ってくれた生徒が、一人でも多く教職を目指してくれる未来を願って…


授業の様子