このたび、第25回日本内分泌学会中国支部学術集会を担当させていただくことになりました鳥取大学の難波です。歴史のある会の節目にあたる年にこのような機会を与えていただき、大変光栄に存じます。
今回はテーマを鳥取県のシンボルで中国地方最高峰の大山にちなんで「最高峰の内分泌学」とさせていただきました。それに相応しく、特別講演には2022年に鳥取大学に着任された檜山武史先生をお迎えいたします。檜山先生は脳弓下器官や脳室周囲器官の一つの終板脈管器官における口渇や塩欲求の神経機構および分子基盤を解明された新進気鋭の神経生理学者です。先生のご研究は今後臨床現場で、精神疾患患者における水中毒や高Na血症、高齢者における口渇低下と脱水などの治療に応用されていくものと思います。教科書に新たなページが加わるわくわく感をぜひご堪能ください。
支部学術集会の目的の一つは、地方の特徴を反映させた地方での研究・診療連携の推進を図ることです。新型コロナウイルス感染の影響で第21回、第22回、第23回の学術集会はwebでの開催になりましたが、第24回の学術集会は垣場先生のご尽力により、現地開催されました。中国地方で内分泌学を志す同志が久々に一同に会し、face to faceで学術面のみならず(webでは伝わりきらない)さまざまな情報交換がなされました。第25回もこの流れをさらに推進すべく、現地開催を予定しております。正直に申しますと、webのラクさにすっかり安住し、一昨年末から学会が軒並み現地開催に舵を切った折には自らを奮い立たせなければならないこともございました。しかしながら現地参加によって、上述したwebでは伝わりきらない情報交換や学会場での一定のランダム性こそ、学術活動における非常に重要な要素であることをあらためて強く認識させられました。一定のキャリアを積まなければ腑に落ちないことかもしれませんが、バトンを確実につないでいきたいと思います。
支部学術集会のもう一つの重要な目的は、内分泌領域に興味を持つ若手医師の育成です。島根大学の鞁嶋有紀先生にJES We Canシンポジウム「ライフサイクルと骨代謝」を企画いただきました。栄宏会小野病院の山内美香先生、島根大学の折出亜希先生、鳥取大学の藤本正伸先生にそれぞれ内科、産婦人科、小児科の観点からご講演いただく予定です。若手研究奨励賞(YIA)も継続しますので、奮ってご応募ください。昨年に引き続いて全セッションで活発なご討議が展開されることを期待しております。
会場の米子文化ホールはJR米子駅から徒歩2分の好立地にあり、駅の米子市国際観光案内所にはレンタサイクルもございます。学術集会にあわせて、米子市の絶景ポイントの米子城跡や白壁土蔵の並ぶ加茂川沿いをぜひご堪能ください。また、学術集会終了後には懇親会も予定しております。こちらもぜひご参加いただければ幸いです。
皆さまと米子でお会いできることを心より楽しみにしております。
第25回日本内分泌学会中国支部学術集会
会長 難波範行
鳥取大学医学部周産期・小児医学分野