愛知県立東海樟風高等学校 長谷川 裕
ポスターに入りきらなかった内容をこちらへ記載
・予算でChatGPT 有料版アカウントを9つ用意をした。教員6、生徒3(コンピュータ部生徒1年2年3年に1つずつ)に使用してもらい活用方法を聞いた。
教員の活用
・個別最適化学習
生徒の能力や学習履歴から個別最適化された学習プランを提示
・問題自動生成
学習内容から小テストやテスト問題を生成。
・質問対応
計算問題、英語翻訳、文章添削、論点整理。繰り返し質問できるため深い理解につながる。
・校務使用
文書作成(起案文書、保護者あて文書など)、学校行事活用
上記を踏まえて具体的に実施したものを抜粋
・練習問題や小テスト問題の作成(PDFなどを読み込ませれば精度UP)
・ケースメソッド問題作成、ケースメソッドの想定される意見や観点整理
・文書作成(遠足しおり、テーブルマナー保護者あて文書、ニュースリリース文書)
・計算問題などの解説(「ステップバイステップで」と入れると一つ一つの計算に説明を入れてくれる)
・プレゼンスライドの評価(PPTX読込)
・各企業のSWOT分析や財務諸表分析
※ 正確な答えや詳細などを求めるような質問は適さず、参考や視野を広げる程度の質問がよい。 基本的にファクトチェックは必要。計算はよく間違える。
生徒の活用
・新入生向けの部活紹介ポスター
制服写真を読み込ませ、コンピュータ部のイラスト描かせていた。(写真を読み込ませないと様々な制服が描かれてしまう。写真を参照させれば近いイメージの制服のイラストが出力される)
・論文翻訳、英語学習で活用
・文化祭アイデア出し
・プレゼン資料生成
・新規プロジェクト概要把握
ファイル読込みをしないで出力
制服の写真を読み込ませて出力
(参考)授業、部活において活用に協力をしてくれた代表生徒の感想等
原文のまま
雑感
「生成AIを何に使うか、どのように利用したか」という問いには非常に答えづらい。
それは何にでも使用できるからであり、利用方法は多岐にわたる。
思いつく限りのことや、話題になっている利用法について試してきた。
教育利用や校務利用で幅広く活用するためには、活用方法の提示だけでなくプロンプト集だったり、GPTsの共有など一般化するとよいと思う。
生成を使用する注意事項として、
・個人情報や機密事項を入力しない。
・著作権などに配慮をする。
・生成されたデータのファクトチェック。
などは周知のとおりであるが
生成AIについて話し合うと話題になるのは
「生成AIを利用すると学習しない生徒が増えるのではないか」という問いだった。
自分や生徒に使用させてきた感想として、「そのようなこともあるな」と思う反面もあるが、
それ以上に、基礎的なことはAIに任せて学習の効率化をはかり、学びの本質(基礎的なことを学んだ先にある高度な学習や気づき)に早くに到達できるようになったように思う。
生徒自身もそのことに気付き、「学びの初速が早くなった」と言っていた。
極論ではあるが、一斉学習で教えられることはAIに任せて課題解決学習のような答えのない問題について考える時間に使用できるとよい。
議論や、解決のために必要な学習(部活では映像とGPSを使用したAI構築や活用、3Dプリンタを使用したハードウェア構築、注意を引き付ける音声、効果音作り、聴衆を引き付けるプレゼン)について早くから到達し、自ら楽しそうに学ぶことができていた。
これまで、2,3年かかるようなことを半年足らずでやりのけていた。(AIだけの力ではないが)
そのため、「学習しない生徒が増える」という意見には懐疑的であり、「より一層、興味をもって進んで学習していくのでこれまで以上の学習効率が上がる」が私の結論である。
学校紹介
愛知県立東海樟風高校
(2022年度より東海商業から名称および学科変更)県内唯一の総合情報科を設置
1年カリキュラム
「簿記」「情報処理」「ビジネス基礎」
「キャリアデザイン」「アルゴリズム」
「ICT基礎」
自己紹介
・長谷川 裕 ・商業科
・転勤して3年目 ・コンピュータ部顧問
・IT関連すべてにトキメク
AI、VR、ドローンなど最新IT技術について研究する課題研究「ITトレンド」で生徒とともに楽しく学ぶ!大切にしているのは、現場で体験を通じて学ぶこと!
コンピュータ部では資格取得、e-スポーツ、動画編集、アイデアコンテスト、プログラミングコンテストなど生徒とともに日々新しいことにチャレンジ!
意見、感想、アイデアの共有などありましたら気軽に連絡してください。
mail : hasegawa7813@aichi-c.ed.jp