原子1層の電子材料であるグラフェンの上を流れる水によって生じる起電力と流れの状態について、実験による起電力計測と流体の数値シミュレーションの相関から不規則な流動状態が層流に遷移する過程において発生する起電力が最大となることをあきらかにしました。この論文は名古屋工業大学、東北大学流体科学研究所、大阪大学との共同研究の成果です。
Applied Physics Letters, 125 (2024) 184101.
東北大学プレスリリース
東北大学工学研究科・工学部 ニュース
マイクロフローチップを用いた実験によってグラフェン上を流れる水によって生じる起電力の定量に成功しました。純水がグラフェン上を流れるとき、流速に応答して電圧が発生することがわかりました。また、グラフェンに接する水の面積と流速に比例して起電力が増加することが明らかになりました。この論文は名古屋工業大学、東北大学流体科学研究所、大阪大学、ワシントン大学、NASAとの国際共同研究の成果であり、AIP Scilightで紹介されました。
Applied Physics Letters, 117 (2020) 123905.
Scilight
傾斜して設置したグラフェンに1滴の水を雨粒のように落とすと着滴と液滴移動の間に発電し、グラフェンに窒素をドーピングすることで約3倍の電圧が生じることを見い出しました。この成果は名古屋工業大学、大阪大学、NASAとの国際共同研究です。
Applied Physics Letters, 112 (2018) 023902.
Advance Engineering Materials, 20 (2018) 1800387.
Results in Physics, 12 (2019) 1291.
摩擦帯電を利用した発電デバイス(TriboElectric Nano Generator, TENG)の研究が世界中で盛んに行われています。Kyung Hee UniversityのProf. D. Choiの研究グループとの国際共同研究ではポリマー表面の改質を行い、TENGデバイスの高出力化と長寿命化に成功しました。
Journal of Materials Chemistry A, 7 (2019) 25066.
運動性タンパク質のすべり運動をカーボンナノチューブ上で再現し、レーザー照射によってカーボンナノチューブを局所的に加熱し、タンパク質の滑り速度変化をとらえることで熱計測に成功しました。
ACS Nano, 9 (2015) 3677.
Previous achievements