「①簡易課税のまま(税金ゼロ)」vs「②原則計算(還付)」
結局、当社はどちらを選べばいいの?
結局、当社はどちらを選べばいいの?
2026年9月17日
「①簡易課税のまま(税金ゼロ)」vs「②原則計算(還付)」結局、当社はどちらを選べばいいの?
前回のコラムの追伸です。
「①簡易課税のまま」がおすすめな事業者
還付の手続きを行わず、簡易課税の特例で飲食料品分の税額をゼロにするのが有利なのは以下のようなケースです。
経理の手間や事務コストを増やしたくない
原則計算に戻すと、すべての領収書や請求書を税率(10%・8%・1%)やインボイス区分ごとに厳密に分類し、帳簿を保存しなければなりません。記帳の手間や会計ソフトの変更、専門家費用などのコストを抑え、簡易課税のまま手軽に税負担をゼロにして「手残りの現金と時間」を守りたい事業者に向いています。
10%の売上(テイクアウト以外・雑貨など)も扱っている
例えば「持ち帰り(1%)」と「店内飲食(10%)」の両方があるカフェや、お菓子(1%)とギフト雑貨(10%)を扱うお店です。本則計算に戻すと店舗全体で納付が発生してしまう場合でも、救済措置①なら「飲食料品分だけをピンポイントでゼロ」にしつつ、残りの10%売上には簡易課税(みなし仕入率)を適用して全体の納税額を抑えられます。
家賃や設備投資などの経費(10%の支払い)が少ない
自宅兼店舗で家賃がかからない、機械や車両などの大きな買い物を予定していない事業者です。そもそも10%で支払う経費が少ないため、原則計算に戻しても還付金がほとんど発生しません。
「②原則計算に戻す」がおすすめな事業者
手続きをしてでも原則計算(本則課税)に切り替え、税金の還付を狙うべきなのは以下のようなケースです。
近々、大きな設備投資や店舗改装を予定している
厨房機器の入れ替え、レジシステムの改修、店舗のリフォーム、配達用車両の購入など、10%の大きな支払いがある時期は、還付金が数十万〜数百万単位になる可能性があります。
店舗の家賃や光熱費などの10%経費が毎月大きく発生している
毎月のテナント料や電気代など、10%で支払っている固定費が大きく、事前に試算して「まとまった還付が出る」と分かっている場合です。
すでにインボイス対応で詳細な記帳ができている
すでに日々の経理で仕入税額控除の記帳が細かく行われており、原則計算へ移行する実務的なハードルが低い事業者です。
判断の鍵は「還付額」と「事務コスト」の引き算
判断のゴールはシンプルです。
「戻ってくる還付金」−「原則計算にするための事務コスト・手間」= プラスになるか?
還付額がわずかであれば、救済措置①を使って簡易課税のまま飲食料品分の税負担をゼロにし、複雑な経理作業を回避するのが賢い選択です。自社にとってどちらが手残りを増やせるか、早めのシミュレーションをおすすめします。
平洋輔税理士事務所 長野市 『法人』×『経営相談』 青葉会計アソシエ