Column Q&A

コラム Q&A:      技法を活かすヒント


   ずっと気になっていることがあります。

  インターネットの情報や動画を見れば、ほぼ同じモノが気軽に作れる世の中ですが、

  コピーに終わらない自分らしい発想がそこから生まれとは限りません。


  新しい独自ヒントを探したいと思っているあなたに向けて、このコラム始めます。

  マニュアルに頼るだけではなく、作業工程に潜む知恵や工夫の発見にワクワクする

  仲間を増やして、技法それぞれの特色をしっかり掴んで共有したいからです。


  一つ一つの作の意味をもう少しじっくり、なぜそうするの?」と考えてみると

 「ああ、なるほど!」 と気づくことも多いのでは? 一緒にナゾ解きをしましょう



001-180203        スプラングの糸セット、フレームの道具しかけ        

Q:   スプラングではなぜヨコ糸が不要なの?
  上下同時に編み目ができるのはなぜ? 
  どうして伸縮性があるの? 

       (a)糸セットの仕方とフレーム                                                                         

フレームに吊るした上下2本の棒の間にタテ糸を一筆書きのように張ります。上も下も、糸端はすべて輪状に繋がっています。これはどのスプラングの場合でも必須条件です。

   b)インターリンキング基本形の図解
編み目は上下から同時に仕上がり、中央に最終段の止めが入ります。糸の絡む方向を良く見ると、上下で反対向きです。
 (c)1段目の作業: 最初の編み目を作っているところ。

編み棒の上と下にある糸を、まず上の2本を落として下の1本を引き上げて絡め、次からは上下1本ずつ順に絡めます。

マニュアル詳細はyoutube: https://youtu.be/dnzR7nJ4UwY 



 
                

          (d)輪ゴムのイメージ

輪ゴムの中央を持って一回絡めると、逆向きの絡みが上下同時に2ヶ所できます。

上の(b)図の絡む向きが反対の理由です。




A:

1)(a)の糸セット、(b)のような編み目を作るスプラング(ここではインターリンキング基

   本形)は、2本の糸をつぎつぎに絡ませて布地をつくりますもし常に同じ組み合わ

   せの隣同士の2本を絡めたら面ができません。そこで(c)のように1段目は、わざと 

   3番糸と絡むよう順番をずらして、次段で元の2本が絡むようにして進めます。

   糸が絡んで布ができているため、伸縮性のある風合いになります。


 2)すべての糸端が輪状につながっているので、編み目は上下に同時に仕上がります。

   もし組みひものよう糸の片端が切れていると、下の部分には編み目ができません。

   上下に同時に編み目が仕上がる訳は(d)理屈も併せて、これも輪状に糸がセット

   されるからです。また、上下の棒に張ったタテ糸はテンション調整が楽で、シンプル

   な仕掛けなのに作業しやすくなっています


 3)タテ糸は編み進むと次第にテンションがきつくなって作業しにくく、途中で緩める必

   要があります。このフレームはタテ枠が伸縮自在なので調節が簡単。下の枠にある

   リピートバンドでも微調整できます。


  スプラングならではの特色が見えてきましたか。糸端が輪状になっていることは、つまり
 四
辺すべてが耳、房無しの布をつくります。糸始末も楽で、また薄地で裏表無しに使えま
 す。改めて動画で
もう一度確認すると、わかりやすいかもしれません。



002-180209        インターリンキングの特徴 スプラングの基本のキ 


 これは隣り合う2本の糸を絡めていく方法です。ただしいつも同じ2本同士を絡ませても

 面は作れません。そこで1段ごとに1本ずらして、結果ジグザグに絡ませると、織りのよ

 うにヨコ糸が無くてもタテ糸だけで布ができます。この方法の詳細はyoutube動画で確認

 できます。https://youtu.be/dnzR7nJ4UwY 


Q:  完成したスプラング(写真a, b, c) に注目: 

  フレームで作業中には気付かなかった人も、テンションを外したスプラングを見ると、

  写真のように布地がカーブしたり凸凹うねっています。なぜでしょう?


  (a) シンプルな糸で作った結果

 (b)色々な白糸を組み合わせた結果


 (C)素材感と色を加えた結果

 ミックス素材をセットして作業中
 左サンプルの作業後・上のディテール
 上のサンプルを広げて見た編み目


A:  

 前述のコラム  001-180203 で見たように、スプラングの糸の絡みは中央を境に上下で

 逆向きでしたね。その相反する撚りの力(S/Z)が上下の布そのまま現れるからです。


 また、タテ糸だけのスプラングだからこそ、素材の特性がそのままじかに反映されます。

 基本形のみでも素材や配色しだいで驚くほど複雑に変化し、立体感も生まれます。

 少し慣れるまではシンプルな糸で練習して、そのあとはいろいろ試してみましょう。

 繊維自体の力を活用して、スプラングのユニークな特徴を生かしましょう!




003-180218        スプラングの帽子    形のつくり方    

  手仕事には無縁そうな友人(男性です)が何気に聞いてきた次の質問:

Q:  頭の丸みはどう出すの?     


 画像をクリックすると拡大できます

 
 
 

     

A:   スプラングなら増し目も減らし目も不要。

 伸縮自在なストレッチ布をつくるスプラング。タテ糸を張って作業を進めると長方形の

 布が完成。そして編み目が上下から同時にできて、中央で終わることもコラムー001で

 見たとおり。


 そこで、最終段の編み棒の代わりに糸を通して、両方から絞ります。 幅を適当に縮め、

 糸を結ぶとそこが頭頂部に。そのまま上下を半分に折って、残りの糸で左右の耳端をとじ

 れば、ほら、もう帽子の形に仕上がっています。


 縁部分はそのままでも良し、好みでゴム編みやコマ編みを足して形を整えたり、サイズを

 調整できます。フレキシブルなスプラングだから、アバウトでも大丈夫です。



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