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20171220「吉田寮生の安全確保についての基本方針」に対しての抗議声明

吉田寮自治会
2017年12月20日

 2017年12月19日に京都大学ホームページ上で発表された『吉田寮生の安全確保についての基本方針』(以下、「基本方針」)という題の文書について、吉田寮自治会としての見解を以下に述べる。

1.「基本方針」の策定は一方的であり、当事者との合意形成を無視している。
2.吉田寮自治会の入退寮者決定権を侵害している。
3.「基本方針」には多数の事実誤認が散見される。特に寮自治会と大学当局がこれまで現棟の補修について議論を積み重ねてきたことを無視している。



1、「基本方針」は吉田寮寮生に2018年9月までの退去を勧告するなど、寮生の生活や寮の運営に直結する重大な問題です。にも関わらず当事者である吉田寮自治会は、その策定プロセスから完全に排除されています。
 従来、吉田寮自治会と大学当局は団体交渉という場で寮に関係する問題の解決をはかってきました。「吉田寮の運営について一方的に決定せず、自治会と話し合い合意のもとに決する」ことは、吉田寮自治会と京都大学当局との「確約(※ 1)」の第1項目により保証されています。今回の京都大学当局の通告は、当事者である自治会・寮生との一切の合意形成プロセスを経ずに、一方的に通達されたものであり、決して許容することは出来ません。 


2、吉田寮の入退寮者決定権は歴史的に吉田寮自治会が担ってきました。寮生という当事者自らが入寮選考を行うのは、大学の審査にみられる実態に沿わない画一的な基準に基づく選別や排除を避けて、より入寮希望者の個別の事情に配慮した柔軟な選考が出来るからです。また 大学当局が入退寮選考権を持つと、大学当局から不当な圧力を受けた者は寮に住めなくなる可能性が高まります。
 「基本方針」において当局は「現在まで5回にわたって入寮募集の停止を要請した」と言います。しかし実際には、その度に寮自治会はこの「要請」に対して返答し、募集停止措置は福利厚生の縮小であること、根本の問題である吉田寮の老朽化対策(大規模補修)の議論を進めるべきことなどを説明した上で、入寮選考を継続してきました。これらの説明に対して大学当局が納得のいく応答をしていません。
 2015年に「要請」を行った際、大学当局は「募集停止はあくまで”要請”にすぎないので確約には違反しない」との見解を示しましたが、今回は「吉田寮への新規入寮は認めない」とあり、まるで寮自治会の入寮選考権を度外視して、募集停止を「決定」しているように読み取れます。そうであるならば、寮自治会として決して認めることはできません。


3、「基本方針」においては、これまで寮自治会と大学当局が積み重ねてきた吉田寮の補修に関する議論の歴史が、なかったことにされています。例えば2007年には現棟補修案が両者の間で合意され、寮自治会は実際に寮の一部を空けて工事に備えるという対応を行いました。また2012年及び2015年に現棟補修が早急な老朽化対策のために有効な手段であることが確約書の形で確認されています。2014年からは、吉田寮自治会はさらなる具体的補修方法を提案しています。
 このように寮自治会は長年に渡って現棟の大規模補修を要求し、大学当局との議論を行ってきました。最も安全性が問題視されていた寮食堂(「基本方針」で言うところの「旧食堂」)は、両者の合意の上で大規模補修が行われ、現在耐震性を十分に確保した状態で使用されています。ところが2015年秋に川添学生担当副学長が就任して以降は、寮自治会の度々の現棟補修要求にも関わらず、大学当局は「検討中である」と繰り返すだけで、何ら具体的なレスポンスを行わないまま2年半が経過しています。
 「基本方針」においてはこれらの基本的事実が無視され、その他の経緯に関しても事実誤認が多数散見されます。あたかも吉田寮の老朽化は寮自治会に責任がある、と言わんばかりです。真に学生の安全を守るのであれば、入寮募集停止措置を講じ現棟からの退去を一方的に通告して議論を長期化させるような混乱を招くのではなく、現棟補修を速やかに実現するための議論を、吉田寮自治会と行うべきです。 
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